第四十六話
宿屋に帰りゆっくり休んだ次の日の朝。
宿屋から出るとモイラさんが待っていた。
「お待ちしてました。では、ダンジョンまでご案内いたします」
「おう、頼むぞ」
「すいません、ウチのユウ先輩が無理を言って」
「お気になさらず。私が好きでやっていますので」
「助かるっす!」
「では、行きましょう。今から向かえば二日後の昼頃には到着予定です」
思ったより遠いって事か。とりま出発しますか!
そこからの旅路は何も問題無かった。途中、モンスターが襲ってきたが、ユウ先輩とモイラさんが、簡単に追っ払っていた。あの二人なんか、息が合ってきてるんだよな。
っで何だかんだで無事にダンジョンの入り口に、辿り着けた。
「ここか、流石に熱いな」
「活火山ですからね。溶岩も流れてますし」
「目標の火の勾玉は何処にあるんだ?」
「このダンジョンは十回層になっており、その最上階にいる、紅蓮花が確率でドロップします」
「最上階か。このダンジョンは上に登るんだな」
「ええ、ちなみにこのダンジョンのボスはマグマタートルです。甲羅の部分が活火山になっており、そこから出してくる火山弾にはご注意を」
「まあ、俺達の目的は火の勾玉だ。ボスを倒す必要はないだろ」
「そうっすよね!」
「じゃあ、最短で最速で最上階にいくか」
「了解です」
それから俺達はダンジョンに入って、最上階を目指した。一階から順番に登って行き、これまた順調に最上階までこれた。
「なんか、拍子抜けっすね。此処まで簡単に来れるなんて」
「マジでそれな。今までが色んな事が起こりすぎなだけだったんだよ」
「私もびっくりです。ダイさんやノリさんが強いのは分かりましたが、マシロちゃんも戦えるとは思いませんでした」
「私だって師匠に鍛えてもらってるんです。ちゃんと戦えます」
「マシロは俺の一番弟子だからな!」
「!!!そうです。私は師匠の一番弟子です!!!」
「マシロー」
「師匠ー」
ガシッと抱き合うユウ先輩とマシロ。何やってんだこの二人は?
「素晴らしい師弟愛ですね」
いやいや、モイラさん。ここは突っ込む所ですよ!
「とりあえず最上階に着きましたし、目的の紅蓮花でも探しましょう」
「コチラによく咲いている場所があります」
モイラさんが案内してくれた場所には花が咲いていた。赤く燃えている花が!歩いてる?
「あのー、モイラさん?花が歩いてるんっすけど?」
「?勿論です。花とはいえモンスターなのですから?」
「あー、そう言えばそうっすね」
「とりあえず倒してドロップアイテム確保しようぜ!目指せ火の勾玉だ!」
それから俺達は紅蓮花を狩った。狩りまくった。
五匹位の時はそろそろかと。
十匹になるともうくるだろうと。
三十匹になったら無口になって。
五十匹になると虚無になった。
そして、六十四匹目で遂に!
「あっ、出ました!アレです!」
紅蓮花を倒した場所の赤い勾玉が落ちていた。
アレが火の勾玉か。
「師匠!取ってきました!」
マシロが取ってきてユウ先輩に手渡す。
「マージで時間かかったな。紅蓮花自体は強くないけど乱数が酷かったな」
「本当っすよ。とりまこれで街に帰れるっすね」
「おう、早く帰って風呂に入ろ・・・」
ギャーオーオーーオン
「何だ?今の馬鹿デカイ声は?」
「こっちからです。行ってみましょう」
大声の聞こえた方に全員で走って行くと凄い光景が広がっていた。
「何だ?あの赤い恐竜みたいな奴は?」
「アイツの足元に転がってるのって、もしかして?」
「おそらくですが、ここのボスマグマタートルの死骸でしょうね」
「アイツがやったんすかね?」
「おそらく。多分あれは!!」
「知っているのか!モイラ!」
「・・・特別強化個体ではないでしょうか?」
「特別強化個体?なんだそりゃ?」
「ダンジョンに偶に現れる、強いモンスターの事です。何故、どうして発生するのかは分かりませんがとても強く、厄介な存在だと聞いています。私も見るのは初めてですが」
俺達の前に突然現れた特別強化個体。見た目は、赤いティラノサウルスみたいな奴だ。
ぶっちゃけ関わりたくないが、向こうにロックオンされており、動けなくなってしまった。ユウ先輩の方をチラッと見ると、嬉しそうに笑顔になってる。
この人、なんであんなに嬉しそうにしてんだろ?
関わりたくないが逃がしてはくれないだろう。
果たして俺達は特別強化個体に勝てるのか?
そして無事に還れるのか?次回に続く!!




