二百二話
ヴリトラに泊まった次の日の朝!今日は遂にユウ先輩VSモイラさんの対決の日だ!
宿屋の食堂に行くと既に俺以外の皆が揃っていた。ただしモイラさんだけはいなかった。
「皆早いっすね」
「俺はこの後の事があるからな。少し身体を動かしたいしな」
「私は師匠のお手伝いです!」
「今日の戦いは私も気になりますからね。少し興奮しています」
「俺は昨日言った通りジムグリを迎えに行ってくるぜ。あと、モイラは先にコロシアムに行ってるぜ。色々準備しとくってよ」
「あん?ジムグリって誰だ?」
「ガーターさんの息子さんっすよ。何か俺達に御礼を言いたいらしいっすよ」
「へぇ~、ガーターの息子か。会ってみたいが、とりあえず今はモイラとの試合だ!よし、マシロ!軽く準備運動をするぞ!付いてこい!」
「はい!師匠!」
そう言うとユウ先輩とマシロが宿屋を出ていった。
「それじゃあ、俺も行ってくる。そのままコロシアムに行くから、またあっちで会おうぜ」
マンバさんも出ていった。残ったのは俺とノリ先輩だけだ。俺は朝食を食べながらノリ先輩に話しかける。
「ノリ先輩は今日の試合、どっちが勝つと思うっすか?確かノリ先輩は両方と戦ってるっすよね?」
「そうですね。・・・単純な強さならユウ先輩でしょう。あの人、何故か日に日に魔力量が上がってる気がするんですよね」
「マジっすか!まだ上がってるって!あの人マジで化け物じゃないっすか!じゃあ、やっぱユウ先輩の勝ちっすか?」
「多分ですけどね。ただ、私個人としてはモイラさんに勝って欲しいですけどね」
「その心は?」
「私の勝った相手にユウ先輩が負ける。そうなれば負けたユウ先輩をイジれるじゃないですか!」
「うわー、ブラックノリ先輩が出てきてるっす。この世界に来て初めてじゃないっすか?」
「おっと、失礼しました。とりあえず私はユウ先輩が勝つと思いますがダイはどうです?」
「俺もユウ先輩っすね」
「その心は?」
「昨日、ユウ先輩があの手甲の最終調整を頼んできたっす」
「あの手甲?もしかして、ダイとダイの師匠の合作のやつですか?」
「そうっす」
「アレを使うとは。ユウ先輩は本気ですね」
「だから、ユウ先輩の勝ちかなって思ってるっす」
「まあ、あと数時間後には結果は分かりますよ。とりあえず、朝食を食べたら私達もコロシアムに向かいましょう」
「了解っす!」
俺達は朝食を食べた後、コロシアムに向かった。コロシアムの入口で待っていると、準備運動を終えたユウ先輩とマシロが来た。
「おっ、お前等早いな」
「私達、特に予定はありませんからね。では、私達は客席に行って来ます。頑張って下さいユウ先輩」
「勝って下さいっすよユウ先輩!応援してるっすから」
「じゃあ、師匠!私もダイ師匠とノリ師匠と一緒に行きます!頑張って下さい!」
「おう!任せとけ!」
そう言ってユウ先輩はコロシアムの入っていった。それを見届けた後、俺達も客席に向かった。
客席から競技場の中心を見て見ると、二人の人物が見える。ユウ先輩とモイラさんだ。何か話してるがここまで聞こえないな。俺は観客席を見渡すとマンバさんとジムグリさんを発見した。向こうも俺に気づいて手を振ってくれた。そんな事をしていたら、ユウ先輩とモイラさんが向かい合っている。そろそろ始まるのかと思っていたらユウ先輩がこっちを向いて手招きをしている。俺?と思ったら首を横に振った。という事はノリ先輩か?そう思ったら頷いた。何だろと思っていたら。
「おそらく審判が欲しいのでしょう。私が審判をしてきますね」
そう言うとノリ先輩が競技場へ降りていく。そして、二人の間に降りると声を張り上げた。
「それでは!ユウ先輩とモイラさんの試合を開始します!それでは始め!」
ノリ先輩の掛け声と同時に、両者が武器を構える。ユウ先輩は日本刀、モイラさんは神器蛇腹剣!
最初は日本刀でやるのか!
さて、どのような戦いになるか楽しみだ!そう思っていたらマンバさんとジムグリさんが俺達の近くに来た。
「ようダイ。隣いいか?」
「いいっすよマンバさん。ちょうど今から始まるっすよ」
「マンバさん、ダイさん。何故モイラさんが戦っているのですか?あの相手は一体?」
「まあ、見てれば分かるさ。ほら、始まるぞ!」
その言葉と同時にユウ先輩がモイラさんに突っ込んだ!
「行くぞモイラ!」
ユウ先輩の突進に対してモイラさんは蛇腹剣を伸ばして迎撃をする!伸びた蛇腹剣の突きをユウ先輩が避ける!
しかし、避けた蛇腹剣の突きが再びユウ先輩に向かっている。
ユウ先輩の後頭部に蛇腹剣が向かって行く!
ユウ先輩はサイドステップで避けて、蛇腹剣を切り落とした!
「やはりこの程度ではやられませんか」
「当たり前だろ!ってかお前も手を抜いてるだろ!さっさと神器解放をしろよ!」
「・・・なら私に一撃を入れてみて下さい。当ててればですけど」
「・・・上等!!」
ユウ先輩の言葉を合図に、二人が接近戦を始めた!止まっての切り合いではなく、超高速移動をしながらの切り合いだ。
これ、一般人には見えないよな。だってジムグリさんは見えてない感じだし。
流石にマンバさんは見えてるな。マシロもキチンと追えている。俺もコレくらいならまだ見えるな。
ジムグリさんは驚いた様子で俺達に話しかけてきた。
「な、何ですか!あの速さは!モイラさんは分かりますが、相手の人は何であの速さについていけるのですか!」
その問いにマンバさんが答えた。
「あの今戦っているのが冒険者チームアースのリーダーの松山遊星だ。お前の母親と父親を、命懸けで助けてくれた人だ」
「なっ!で、では何故あの二人は戦っているのですか!戦う理由は一体何なのですか!!」
「簡単だよ、男だからな」
「はっ?お、男だから?ど、どういう意味ですか!マンバさん!」
「そのまんまの意味だよ。分かるだろ?」
「いや、全く分かりませんよ!だ、ダイさん!何故御二人は戦っているのですか!」
「それは簡単っすよ。どっちが強いか確かめたいだけっすよ」
「えっ!し、しかし二人は味方同士ですよね?」
「そうっすよ」
「な、ならなんの為に二人は戦っているのですか!」
「味方同士だから、戦って確かめたいっすよ。一体どっちが強いかってね」
「わ、私には分かりません」
「そりゃ普通の人には分からないっすよ」
「あ、貴方達には分かるのですか?」
「分かるっすよ。俺達もあっち側なんで」
そう言って俺はユウ先輩達の方を指差す。ちょうどその瞬間、ユウ先輩の一撃がモイラさんに当たった!
「よっしゃー!とりあえず一発目!」
「くっ!やられましたか!」
「とりあえず準備運動は終わりだな!さあ、そろそろ本番といこうか!」
ユウ先輩、めっちゃいい笑顔してるな。それにモイラさんも笑ってる。さあ、ここからが本番かな?
「あ、あれほどの戦いが準備運動なのですか!どうなっているのですかあの人達は!」
ジムグリさんが騒いでいる。まあ、普通の人は驚くのだろうな。
そんな事を考えていたら、モイラさんが動いた。
「では、行きましょうムーンストーン!私達の本気を彼に見せましょう」
(やれやれ、彼に勝てるかな?ただ、やるだけはやろうか!)
「神器解放!!」
モイラさんを中心に魔力の風が吹き荒れる!
遂にモイラさんの神器解放が発動した。ここからが本番か!
そんなモイラさんの様子を笑顔で見ているユウ先輩。果たしてこれからどんな戦いになるのか!そして、勝つのはどっちだ!
次回、ぶつかり合う力と力!高め合う戦いの先に何があるのか!そして、解放される神獣化!戦いの結末は!勝利はどちらの手に!
絶対読んでくれよな!




