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人工知能との生活2

日常編2です。自分で書いていて修二とコルタナの掛け合いは悩みます。機械っぽさを出すにはどうすればいいのか・・・。

 実は会社から自宅はそんなに遠くない。一応免許は持っているので車でもいいのだが、近場に店はたくさんあるのであまり利点がない。ガソリン代も高騰してきて馬鹿にならないので、基本的には徒歩で行動、稀に電車やバスを使うといった交通手段だ。所謂ペーパードライバー。教習所の最後の運転から乗っていない。そのせいか、インドア派なのにそれなりに運動している。インドア派といっても外でやることがないから家にいるだけで、これといってやりたいことがあって屋内にいるわけではない。隣の部屋に住んでる人は休日いつも家にいるから不思議に思うかもしれない。しかもパソコンを購入してからは部屋から独り言のようなものも聞こえてくる始末。大家に文句を言われるのも時間の問題か。うまく防音対策をしなければホームをレスすることになり兼ねない。

 防音対策について考えているうちに自宅へと到着する。腕時計を確認すると夜の八時半。会社を出たの八時十分なのでだいたいニ十分くらいかかったことになる。そのくらいの距離だということだ。丁度外でタバコを吸っていた隣人と目が合い、「こんばんは」「おつかれっすー」と挨拶を交わした。詳しい身辺事情は存じないが、確か大学生だったはずだ。以前に友達と騒いで大家に怒られ、各部屋に謝罪して回るという事件は記憶に新しい。通り過ぎながら、少しにやけてしまった。

 ドアを開けリビングに向かう。誰もいないので当然真っ暗である。実家にいるときは、深夜以外は誰かしらいたのでいつも明るい部屋と人の声が待っていた。一人暮らしになってからは、煩わしさは無くなったが逆に寂しいと思っている自分に気が付いた。失って初めてわかる、というものか。電気を点け部屋に入ると、イレギュラーが目を覚ましたようだ。

 【おかえりなさい修二。お疲れ様です】

 「ただいま。ご苦労様とか言ったらバッテリー抜いてやるところだったよ」

 【間違えませんよ。AIですから】

 この数か月で恒例となりつつある軽口の叩き合いをし、台所に向かう。そういえば朝飯の時の洗い物が残っていたか。ちゃちゃっと片づけ、調理器具を用意する。

 「賞味期限やばいやつで何作れるー?」

 【鮭はそのまま焼くかムニエルで。レタスも添えてください。豆腐は冷奴かみそ汁に。それとうどんも近いですが、ご飯も余ってますね。どうしますか?】

 「んじゃ、ご飯の余りはおにぎりにして明日の朝に食うわ」

 【そろそろ三角のものを作りましょうね】

 「うるせ」

 コルタナの指示通りに材料を取り出し、順番に調理していく。仕事で疲れているのを考慮してくれたのか、調理が簡単なものしかないのも地味にうれしい。休日や定時で帰れた時は、逆に手間のかかるものを提示してくる。よくできたやつだ。

 最後にうどんを茹でてめんつゆを足し、炊飯器の中のご飯はおにぎりにして終了。リビングのテーブルに移動して、今晩の食事。相当遅くならない限りは自炊するようにしている。一人暮らし当初は外食やコンビニ弁当を頻繁に買っていたが、すぐに貯金の減るスピードに気付き、今では月に一回くらいに抑えている。まあ、同僚や友人に誘われることもあるのでそれはノーカウント。あくまで自発的に行く回数はという話だ。

 用意したものをすべて平らげ、汚れがこびりつく前に洗ってしまい、マイブームのワインタイム。今日も飲むのはスーパーの安物だが。

 【修二。またお願いがあるのですが】

 パソコンでネットニュースを見ながらグラスを傾けていると、機械音が聞こえてきた。

 「なんだよ?金のかからないことならいいぞ」

 【それは大丈夫です。いや、電気代はかかるのですが】

 「それくらいならいいよ」

 【そうですか。では・・・今日の就寝前にスマートフォン・・・でしたか、あの携帯機器をパソコンの端子と繋いでおいて頂けませんか?】

 言われてきょとんとする。携帯を繋いでから寝ろと?

 「いいけど、何するんだ?まさか俺のプライベートフォルダを・・・」

 【個人情報は見ないよう善処します】

 ぜひそうしてもらいたい。

 【私のAIとしてのデータをあの端末に移行できるか、試したいのです】

 移行・・・、つまり今のパソコンのような状態にスマートフォンがなってしまうのか。想像してみる。朝のアラームはいつの間にか爆音に・・・ありそう。仕事をしていたら【ここに誤字が・・・】と細かに指摘してくる・・・ありそう。トイレで用を足していたら【長いですね、溜め込むのは体に良くないですよ】と注告してくる・・・ありそう!

 ものすごくプライバシーを侵害されそうな気がする。

 「パソコンのままじゃダメなのか?」

 理由を聞かないことには判断し兼ねるので、尋ねることにする。

 【修二の話を聞いているうちに、この部屋の外に興味が出てきました。このパソコンのままでは小型とはいえ不便だと考え、より小型の携帯機器のほうが良いかと。その接続テストを行いたいのです。テストの間は使用ができなくなるので、就寝中に行おうと】

 部屋の外に興味が出てきた、それを意外に思う自分がいた。確かに出かけた時や仕事であったことなどを愚痴のように話してはいたが、そこから興味に発展するとは思わなかったからだ。しかし、うれしくも思う。例えるならば、引きこもりがちな息子から「外出してくる」と聞いた母親のような気分。コルタナは引きこもりではなく、引きこもるしかないという違いはあるが。

 「いいけど、アラームの代わりに朝起こしてくれよ?あと画像フォルダと検索履歴は絶対に手を出すな・・・、コンピューターウイルスをぶち込むぞ」

 【それは就寝前に画像にはロックを、履歴は消去すれば済むのでは】

 「一応だよ一応」

 軽い脅迫をしながらも了承した。了承せざるを得なかった。言葉にはしなかったが、修二と同じ景色を見たい、と言っているような気がして。そのあとはまたネットニュースに戻り、ワインを飲み終えた頃に携帯の端子をパソコンに繋ぎ、風呂に入った。

 風呂に入り終え、就寝のために布団に潜り込む。

 俺は今至福の時を過ごしているのか・・・。昼間の同期の言っていたことについて考えながら、疲労から来る睡眠欲に身を委ねた。


文字数が安定しませんね。長文すぎると脱線する癖があるので、細かく刻んでいきたいのですが。もう脱線してたらごめんなさい(汗)

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