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サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


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4/7

刀のチカラ

 

 さて、現実では、まだ高校生の自分が、ここでなにをすればいいのかと、少年は考えた。


「まさか、用心棒ってことはないよな? そんなのはあり得ないだろ。だけど、これが夢の中なら、あり得るのか?」


「!?」


 そのとき、村の外から、凄く嫌な気配がした。



「なんだぁー!? このすごく嫌な感じは!?」


 そのとき、少年の腰に差しているカタナが、「カタカタ……」と反応した。


「キャーーー!」


「うわぁーー!」


「助けてぇーー!」


 離れたところから、村の人たちの悲鳴が聞こえる。


「くそぉー! 早く行かなきゃ!」


 そう言う前に、少年は体が勝手に反応して、悲鳴がする方に走っていた。


 それも、人の走っている速さではない。まるで自転車で全力疾走してるような速さだった。



 村の門を破って、きのうと同じ、スケルトン・ウォリアー三体が村人に襲い掛かっている。


「って、なんだよ、あいつら!?」


 少年の放つ強い気配に気づいて、スケルトン・ウォリアーは殺気を放って、剣の先を少年に向けた。


 気がつくと、少年はすでに、カタナつかを握ってる。


 抜刀!


 カタナを抜いて、スケルトン・ウォリアーとすれ違いざま、一瞬で二体を斬り裂く!


 その残りの一体が、コウモリのような翼の形をした、「骨だけの翼」が生えて、空に逃げる!


 この一体は、フライングスケルトンだったようだ。


 少年は、大刀を鞘に戻して、入れ替わるように脇差の方を抜いた!


 そして無意識に脇差を、その魔物に向けて振るう!


 逃げたフライングスケルトンが、まるでカウボーイのロープ投げで捕まった牛のように、空中で動きを封じられて藻掻く!


 握っている脇差には、わずかに引っ張られる感触! それに対抗して、少年も強く引っ張る!


 その動きと連動するように、今度はフライングスケルトンが、急激に強い力に引っ張られて、少年に向かって猛スピードで飛んでくる!


 それに合わせるように、また無意識に脇差は鞘に戻り、大刀を抜いて、一閃居合切り!


 フライングスケルトンは、真っ二つになって消滅した。


 二体のスケルトン・ウォリアーの姿も消滅している。


 このカタナが、アンデッドの魔力に反応しているのではと、少年は思った。


「これはもしかして、魔力のあるものに反応して、魔物だけを斬れるカタナなのか?」


「それに、この脇差の方は、なんか鞭のような……。なんかそんな気がする」


 そう思った。


「いやー、助かりました」


「シュッ」


 刀が勝手に反応する。


「ピタッ」


 大刀のヤイバが当たる寸前で止めた。


「ヒッ!?」


 カタナヤイバが向かったのは、きのうの夜に、ムランさんの家に集まっていたうちの、四十代ぐらいの男の人だった。


「いや。大変申し訳ありません! お怪我は、ないですよね?」


 少年は、今度は自分の意思でカタナを鞘に戻した。


「それじゃ、どうも」


 そう言って、そそくさと、その場を立ち去る。


「焦ったー。危うく村の人を斬るところだったよ。あっ、でも斬れないのか。

そうそう。魔物以外は斬れないんだもんなー。安心、安心」


 そう思って、安心した。


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