表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/73

66  機能停止

オレは寂しさのあまりに折れそうな心を奮起して、園池さんを追いかけた。

すると、派手男が倒れている所に、園池さんと亜衣ちゃんが居た。


「活性化が終わってるのに、一人で動いちゃダメでしょ!隠れてなきゃ。」


園池さんは怒ってはいたが、安心したような口調でもあった。

もし、派手男がもう一度立ち上がって来た場合、活性化状態になれない亜衣ちゃんはとても危険だ。

もちろん、それは要らぬ心配だった様だが。


「ごめんね。念の為に、スタンガンで確実に機能停止しておかないと、心配だったから。」


なるほどね、そういう事か。

オレは、思わず笑ってしまった。


園池さんは、亜衣ちゃんを心配してここに来た。

活性化の残り時間が、ごく僅かなのにも拘わらずだ。

派手男が立ち上がっているなら、園池さんの方がヤバかったかもしれない。

一方の亜衣ちゃんは、戦っているオレ達を心配してここに来た訳だ。

活性化できないという、リスクがあるにも拘らずだ。

全くよくもまぁ、そんなお人好しが揃ったもんだね。


(ご苦労様、もうほとんど任務は終了。少しイレギュラーな事象があったみたいだけど。)


これは、タマラさんだな。

テレパシーも、すっかり違和感が無くなって来てしまった。

多分もう喋ってもいいんだろうから、今度はオレも会話に参加しよう。


「頭の薄い人の強さには、ビックリしましたよ。演習の時は、二人でもっと簡単に倒せてたから。」


亜衣ちゃんも、納得がいかない様子だ。

確かに奴は強すぎだったし、ゲームのシミュレーションとは大分違ったのだろう。


「ホント。二人だけだったらヤバかったよ。まぁ、だからこそ、三人だったんだろうけど。」


園池さんが、チラッとオレの方を見た。

なんというか、複雑な思いを感じる視線だった。


(そうね、今回は精度の高い予測を使用してる筈。あの人は、織り込み済みだったんでしょう。念の為に、気をつけて帰ってきてね。イレギュラーな事象は、連鎖して発生する場合があるから。)


「何それぇ。あたしはもう、疲れた。」


「三人共クタクタですよ。正直オレ、次に何かあっても動ける気がしない。」


こんなに疲れたのは、一体全体、何時以来だろう。


(大丈夫。仮にそういう事態が起きても、すぐに救援がそっち向かうから。とにかく、後片付けを終わらせて。)


「了解しました。」


亜衣ちゃんの、清々しい応答だ。

激しい戦いで荒んだ心が、洗われる様です。


「……了解。」


しぶしぶ、といった感じで園池さんも了解した。


「了解です。」


二人の真似をして、オレも了解してみた。

しかし、『後片付け』ってのは、何をやるんだっけ?

えぇと、転送だったかな……。

どうやってやるんだろ。

ゲームだと確か、Zボタンを押すだけだった様な……。


でもオレ、コントローラー持ってねぇじゃん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ