47 ゲームプレイ
オレは適性検査時のゲームプレイを、調子に乗って事細かに説明した。
ところが、だ。
「正直に言うね。簡単にクリアしてるから、あんまり参考にならなかった。」
「だよね。まさか一人で全部倒して、サイボーグ二人とも正面から戦ってたなんてね。」
おおっと、不評ですか。
さっきまでは、スゴイねぇ、って二人で何回も言ってくれてたのに。
クソ、もっと盛るべきだったか。
「でも、警備室には小窓から入ればいいっていうのは、すごく参考になった。」
「あぁ、それはね。ドアのワイヤー切ってなければ、警備室に隠れても見つからないだろうし。」
へぇ、あのワイヤー切れたんだ。
という事は、ペンチか何かを手に入れるイベントがあったんだな。
でも、警備室の中に隠れる意味なんてあったけ。
「私達の意見として、絶対に人は殺したくないし、人に対して転送は使いたくない。」
「あれはマジ怖いからね。目の前で人が消えるとか、完全にホラーでしょ。送った先に出てくるのはそっくりなだけの別人、って説もあるらしいよ。」
そういう設定だと、確かに怖いな。
少なくとも、自分を転送するのは絶対に嫌だ。
それにしても、むしろゼロキルプレイが御所望だったとは。
結構ハードル高いな。
「佐藤君が良ければ、今回は私達のやり方で進めたい。」
オレは何度も頷いた。
何にしても、とりあえずは二人がやりやすい様にしてあげたい。
「それでいいよ。指示して。」
「むこうのサポートメンバーは全員、借りてきたスタンガンで気絶させます。このスタンガンを受けた人は、二時間くらい動けない。その後で、任務が終わるまでどこかに隠しておいて、帰りにもう一回気絶させる。そうしておけば、彼らは警察に発見されて、結果的に逮捕されるはず。」
女子高生が大男を痺れさせて拉致する構図か、なんか過激だな。
亜衣ちゃんにビビッと来たオレも痺れてるから、是非、連れ去って欲しいな。
「人を隠せる機械も借りてきてるから、一応、どこにでも隠せるんだけど、他の人が来ちゃうとマズイ。隠せるだけで、その場に行けば足に当たったりするから。まぁ、細かい事は、その場で見てもらうしかないねぇ。」
人を隠せる機械って何だろ。
気になるけど、聞くとまた説明が始まるだろうから流しておくか。
「まずは最初の三人の敵をどうするか決めよう。エレベーターに乗で降りてくる三人ね。誰にも見つからず、活性化もしないで倒すのが目標。無関係の人に見られたからって任務失敗って訳じゃないけど、巻き込みたくないから。どうしてもダメな場合は、仕方がないけど。」
最初の三人か、オレTUEEEした、あのデカイ三人組だな。
みつかった場合でも、騒ぎになろうが何だろうが倒すしかないのか。
そうなったら後が大変そうだ。
「問題はあのバカップル。なんであんな所でイチャつくの。嫌がらせでしょアレ。あんな感じで十数分だよ、十数分。」
園池さんの気持ちは分かる、あれはオレもムカついた。
オレがムカついた主な理由は、彼女の方が若くて美人だったからだが。
彼氏の方だけ、わざと巻き込むってのもありだな。




