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26  焼きそばパン

何でも屋の、朝は早い。

何でも屋で提供される資料は、ゲームの攻略ポイントが記された物しかないのだ。

バイトは、言う。

まぁ好きで、選んだバイトですから、仕方が無いです。

もうちょっと、ちゃんとしてくれないと困りますよね。

そこまでして、やる理由はあるんですか?

素敵な仲間の為、ですかね。


……などと、脳内で自己ナレーションをやっている間に、《時空管》のあるビルに到着。

まだ、午前五時半。

朝飯の焼きそばパンを食って、特にやる事がなくなったので、少し早かったが出発したのだ。

真夏なので昼間が長いのだろう、辺りはもう十分に明るい。

とはいえ、近所の人や知り合いには全く合わなかった。

そもそも、通行人があまりいない。

日中の暑さを避けてジョギングする人達と、何度かすれ違った位だ。


予定よりも、かなり早く到着してしまった。

山形さんみたいなタイプは、予定の時間より早く到着し過ぎても嫌がる気がする。

もう少し時間を置いてから、中に入る事にしよう。


もう一度念の為に、持ち物の最終確認をする事にした。

忘れ物があっても、今なら十分に戻る時間はある。

それに、《時空管》のあるビルの一階はコンビニだ。

必要そうな物が他にあったら、今のうちに買っておく事も出来る。


持って来たバッグの中には、タオルと水筒、透明なケースに入れたプリント等が入っている。

後は、念の為に持ってきた、新発売の絆創膏と包帯のセット。

それから、対女子用の秘密兵器として、飴とチョコレートも持って来た。

お金を貰ってやる事だから、遠足気分ではマズイだろうけど、人心掌握には必要な筈だ。

お菓子類は、買い置きして家に置いてあったものだ。


うーん……。

頭をひねって考えてみるが、他に必要そうな物などは思い浮かばなかった。

昼飯用の弁当とか……。

昼には終わるって事だったけど、家に帰るまで腹が持たないかもしれないし。

いや、今買ってもバイト中に持ち歩く事になるだけだし、後で買えばいいな。

この暑さじゃ、すぐに痛むだろうし。

《時空管》のバイトは日払い制だから、バイト後には現金が入る。

初のバイト代だし、寿司でも食べて帰るってのもありだ。


あっ、そうだ。

もしあの娘が居たら、勇気を出して何かに誘ってみるのもありだな。

それなりに、遊んで行く金が入る訳だし……。


いや待て待て、まだ焦る時じゃないぞ。

これじゃアレだ。

あの、『取らぬ狸の皮算用』ってやつだ。

とにかくまず、無事に初バイトを乗り切らないとな。

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