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4章 2 Aブロック、予選開始

出来ました。


皆様、GWは如何でしたか?

私は2日以外仕事でした。

疲れピークです。

寝てる姿は、リラクマならぬナマケモノです。

自分でもヤバいと思います。




 万の観客を納める事の出来る、満員御礼の観客席。

 これから、始まる中央にある大舞台。

 大舞台に立つ、一人の女性が〈風魔法、拡声〉を付与した魔法具を持ち、大声で叫ぶ。


「さて、皆様、た、い、へ、ん、お待たせしました!

 只今より、イルミア王国ラカール国王陛下が即位して二十年、此れをもちまして、二十周年記念、傭兵武闘大会を、か、い、さ、い、致します!

 また、本日は、ラカール陛下、リサ王妃殿下と、共に、来賓席にミハイル帝国、帝王レオハルト陛下が、観戦されにお越しております。

 皆様、どうぞ、ご歓迎の声をお願い致します」

 帝王が、立ち上がり、観客にいる観戦者に手を振る。

 ウオオォォォォーーーーーー、と割れんばかりの歓声が、観客から放たれる。

「ありがとうございます!

 では、今大会のスケジュールを説明致します。

 ご静粛に、お聞きください!

 今大会、出場者、なんと四百十四名、あまりの多さに登録を打ち切った程の参加者。

 本日、此れを、五十一から二名に割り、Aブロックから、Hブロックの計八ブロック、各一名が勝ち残り、明日の本戦へと進みます。

 明日、本戦は各自、抽選で対戦相手を決めての一対一の真剣勝負を行い、勝った者が次に進むトーナメント戦、最後まで勝ち続けるのは、誰だー!」

 ウオオォォォォーーーーーー、と再び、観客が盛り上がる。

「では、早速、Aブロック出場者五十二名の登場です。

 それでは、その間に、私は実況席に戻らせて頂きます」


 実況の女性が説明した通り、四ヶ所有る入り口から、これから闘いに出る傭兵達が、次々と大舞台に上がって行く。

 そして、その中に、リシェルの姿も有った。



「陛下、彼処に立つ、小さな女の子が、先日、お話した人物です」

 国王の後ろで、護衛として控えているランフォードが、国王の側にて説明をする。

「……むぅ

 あの槍を持っている、女の子がそうというのか?」

「はい、その通りです」

「確かに、王妃の子供の頃に似てはいるが……」

「確証は取れているのですか?

 ランフォード」

 王妃が問う。

「いえ、それは……まだでございます」

「それでは、」

「いや、間違いないと思うぞ」

 王妃の追及の言葉を遮り、帝王レオハルトが肯定の言葉を出す。

「レオハルト様?

 何を根拠におっしゃるのですか?」

「……十二年前に、感じた魔力に似ている。

 それに……」

「それに?」

「俺の側で、囁いているのさ……」

「……レオハルト殿は、確信しているのだな?」

「ああ、間違いなく」

「そうか、リサはどうしたい?」

「……分かりません。

 産んで一度も抱き締める事も無いまま、死産と聞き、後に、陛下から、こうして生きている可能性があると聞き、私は長い間、ずっと悩み苦しんでいました。

 もし、陛下が、あの子を呼び、目の前に現れたとして、どう行動をとれば……感情を抱けば良いのか、分かりません」

「……そう、だな」

 舞台に上がった、リシェルはキョロキョロと周りを見渡し、国王達が居る来賓席に近い舞台の角に移動した。

 そして、手に持っている槍を二、三振り、足場の感覚を確かめる為、槍の石槌で小突く。

 感覚が掴めたのか、満足そうに頷くと来賓席の方を見た。

「……何だ、此方を見ている?」

「見ていますね」

 国王と、王妃は、来賓席を見ているリシェルに戸惑っている。

「いや、これは……」

 帝王が呟く。

『……私、ですね』

 この場で、この声が聞こえるのは、帝王だけ。


 神霊ミカエル。

 この世界を創った神の一柱、創造神の魂の一部から創られた神霊の一体、神霊だった大悪魔ルシファーの次に創られた神霊、現在、創造神の神霊を纏める者として、また、この世界にて様々な役割を与えられ、この世界に降り、各代の帝王の守護神霊として存在する。


「ラカール殿、リサ殿、残念だが、あの子が見たのは、私の守護神霊を見たんだ」

「守護神霊……」

「何ですか、それは?」

「……現れよ、ミカエル」

 そう言って、帝王が右手の平を上に向け、ゆっくりと腕を挙げる。

 帝王が座る前に、炎が突然と燃え出し、揺らめく黄金の炎の如く、美しく長い髪を持つ女性が現れた。

「……今日は、その姿か?」

「ええ、レオハルト。

 そして、イルミア王国、国王ラカール、それに、その妻、王妃リサ、初めまして、私はこの世界を創りし、創造神の神霊、ミカエルと申します」

「おおっ、何と、貴方様が初代帝王から共にある、帝国の守護神霊。

 イルミア王国の国王として、貴方様の事は耳にしておりました。

 お会い出来、恐縮の思いにございます」

「ふふ、そうかしこまらなくて良いですよ?

 それより、一つお願いがあります。

 今から、あの舞台で戦おうとしている、あの子を内密で合わせほしいのです。

 あの子は貴方達にとっても、私にとっても、関わりの有る者、そうすれば、貴方達の疑問も、願いも全て明らかになるでしょう」

「……そうでしょうか」

「ええ、だけどその前に、あの子の戦いが始まるみたいですね?

 まずは、見て観ましょうか、あの子の強さを」

 大舞台にて、Aブロック出場者の戦いが始まった。




 リシェルは、懐かしい気配を感じ、来賓席を見た。

 そこに、観戦する国王、並びに王妃、そして帝王と、姿は現していないが確実にいる神霊を見つけた。

 リシェルと融合した、ルシファーの感覚が、神霊ミカエルだと分かった。

「ミカエルなら、大丈夫か?

 むしろ、ライの方が不味いかも……とりあえず戦いに集中し、よ?」

(来賓席に、ミカエルが姿を現した?周りは見えていない、あの場所だけか……あ、こっち、見た?…とりあえず、手、振っとこ)

『Aブロック、勝負始め!』

「あ……」

 手を振っていたら、いつの間にか始まってしまった。


「よぉー、お嬢ちゃん、悪いが真っ先に負けて貰うぜ」

「……優しいですね?

 わざわざ、声を掛けてくれるなんて?」

「そうでも、ないさ。

 お嬢ちゃん相手に、この人数だからな?」

 リシェルの前には、四人の傭兵が立っていた。

「四人か……」

「悪く思うなよ?

 これも勝負だ」

「別に、思いませんよ?

 それより、かかって来ないんですか?」

「流石に、そこまでは、なぁ、皆?」

「ああ、そっちから、かかって来い」

「そう、ですか?

 ……じゃあ、そうします」

 リシェルは、瞬歩で一番遠く、気を緩めている右側の傭兵に近づき、石槌で鳩尾に一撃を入れる。

 そのまま、交歩で反転し、振り向く様に、隣の傭兵に槍を振り抜く。

「なっ?」

 やっと気が付いた、最初に声を掛けてきた傭兵の延髄に一撃。

「一瞬で、三人を?」

 残った傭兵の周りには、踞り倒れている。

 既に、気絶しているみたいだ。

「さて、貴方で最後だ」

「何だ……何なんだ、お前はー!」

 持っている木製の剣を振りかぶり、リシェルに襲い掛かったが、逆に懐に入られ肘打ちを貰い気絶する。

「さて、次」

 リシェルは、油断無く、周りを見ながら、前を進む。

 リシェルは最初から、角の有利にこだわるつもりは無く、中央に向かって相手に掛かって行くと決めていた。

 乱戦している傭兵達、倒した後気を抜けた傭兵を、向かって来る傭兵を次々に倒して行く。

 手数は少なく、素早く、力強く、傭兵を倒して行く。


 余談だが、倒れた傭兵は審判をしている者が、傭兵に手を置き、転移魔法で場外に飛ばしている。


 リシェルの他にも、次々と傭兵を倒す者達がおり、落ち着いた頃には、リシェルを入れて四人となっていた。


「随分と減って、見渡しが良くなったな?」

 黒い上下の服と黒いコートを着て、黒い日差しの長い帽子で顔を隠し、黒い皮手袋を使用している。

 全身、影の様に真っ黒で声からすると男だが、ヘタをすると性別さえ分からない人物だった。


「うむ、そうだな。

 しかし、最初、嬢ちゃんに掛かって行った奴らは、愚かだったな?」

 身長百八十超え、首、腕、胸囲、脚と身体の筋肉が、全て、普通の傭兵の二、三倍は有り、着ている服が、はち切れんばかりに伸びきっている。

 少しでも、筋肉の入れ方によっては、服は千切れ飛び、盛り上がった筋肉が姿を曝すだろう。

 分厚い手甲をはめた、筋肉達磨な傭兵だ。


「確かに……」

 容姿端麗とは、こういう事かと体現した様な美しく整った顔立ちをしており、騎士の様な服装を着用し、右手に持つ片手直剣は握り柄に重心を置き、また指をカバーするナックルガードも付いており、近接戦闘にも対応出来るみたいだ。


「相手の実力が分からねぇ、奴は出て来るなっつうの、そう思わねぇか?」

「そうですね……まだ、傭兵になって間もないのに、これ程の実力、賞賛に値します」

「……私達より、実力が上」

「だな、嬢ちゃん、これからどうしたい?

 出来れば、俺達と一対一で戦ってほしいんだが……どうだい?」

「良いですね、私も、貴方達とそれぞれ戦いたいです」

「本当かい?

 悪いが、あんた達、一番手、譲ってくれねぇか」

「ふむ、良いでしょう。

 先ずは、貴方に譲りでしょう」

 騎士の男は舞台の端に向かい、腕を組んで、二人の戦いを傍観する事に決めた。

 影の男も、リシェルと、筋肉の男を見比べ、同じく端に向かった。

「へへ、ありがとよ。

 じゃあ、嬢ちゃん始めるか?」

「はい、よろしくお願いします」

「おう!」

「待て待て!

 お前達、何故、一対一で戦おうとする?

 そっちのお前達もだ。

 これはバトルロイヤルだぞ?

 分かっているのか!

 戦え、失格にするぞ」

 バトルロイヤルにも関わらず、一対一で戦うリシェル達に、審判は注意する。

「良いじゃねぇか?

 これは俺達の戦いだ、どう戦おうと構わねぇじゃねぇか?」

「確かに、そうだが……しかし」

「構わないじゃないかー、俺達はその戦い、見たいぞー!」

「そうだー」

 審判が、どう判断するのか、決めかね困っているのを見て、観客からヤジが飛ぶ。

 審判が、観客から飛びかう言葉に、周りを見渡し焦っていると。


「構わぬ!

 そのまま、やらせるが良い!

 私達も、その戦い、見て観たい!」

 来賓席より、国王の言葉が、大舞台、観客席に響き渡る。

「……流石、陛下だー!」

「いいぞー、どんどんやれー」

「お嬢ちゃん、頑張れー」

 陛下の言葉は、国民を盛り立て、声援の声が大舞台に舞う。


「陛下の許しが出た。

 思う存分、戦うが良い!」

 審判が、中央に立つ、リシェルと、筋肉の男を見る。

 二人は構える。


「始め!」

見ての通り、途中で切りました。

続きは、出来るだけ早く書くつもりです。

悩んでは書き、書いては消しの繰り返し、

書き続けるのは、難しいですね。

これからもよろしくお願いします。

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