1章 5 十年ぶりの再会(友人と部下を連れて)
出来ました。
ミーザ、やっとザーツに会える。
よろしくお願いします。
11月23日、スペース、改行を増やしました。
「さて、ここでザーツが来るのを待つとしょう」
ここは大陸、魔族領最南端の山にある樹木で隠れている、所々草花が生えた平地だ。
サウルの街から約20キロ離れた場所にある。
「陛下、失礼ですが、どうして、この場所に待っていれば、ザーツは来るのでしょうか?」
六魔将が一、〈鋼百足〉のダグドが尋ねる。
「勿論、ただ待つだけではない。
……こうするのだ」
魔王は、普段は抑えている魔力を解放する。
辺り一辺、沢山の野鳥や虫、ましては魔物達まで逃げて行く。
「なるほど、失礼いました」
魔王の行動に納得し、ダグドは、一礼をして後ろに下がる。
「では、このまま、待つとしょう。
ああ、後、しばらくの間は、ザーツが私に対して、どんな事を話しても黙っていてくれ」
「はっ」
数分後、ザーツとガイは魔王達が待つ平地に現れた。
「待たせたか?」
「いや、それほどでもないな。
しかし、珍しい奴もついて来たな?
ガイン、久しぶりだ」
「久しぶりだな、ミーザ。
いや、魔王になったんだったな。
魔王ミーザ」
「ああ、久しぶりぶりだ」
「で、突然に来て、どうしたんだ?
六魔将全員連れて来て」
ミーザとガイの挨拶が終わったのをみて、本題に入った。
「どうやら魔王を辞めれなかったみたいだな?
相変わらず、優しいな」
「全部、お見通しか?」
ミーザは、俺の言葉に苦笑する。
「まあな、後、丸十年か?
俺の所に来るの、邪魔していた奴ら、処分出来たみたいだな?」
「ふふ、本当、私の事、よくわかっている。
じゃあ、次に私が言う言葉はわかるか?」
「ああ、わかる。
でも、断る」
「……何がだ?」
ミーザの声が、一段トーンが下がり、魔力も漏れ始めている。
「惚けるなよ?
次に言う言葉、私の所に帰って来い。
もしくは、私の」
「何故だ!」
ミーザは、俺の言葉を遮り、うつ向く。
「何故、そこまで、わかっているなら!
どうして、私の下に帰って来てくれないんだ!」
一滴、うつ向いて隠れている、ミーザの目から涙が零れ落ちる。
「陛下……」
後ろで、控えている六魔将達が、ミーザを心配して近寄ろうとするが、オズマが止める。
「ミーザ、お前が魔王を辞めて、俺の所に来ていたなら、俺はお前を迎え支えただろう。
だが、お前は魔王として、俺の所に来た」
「……何を言っている」
「俺の予想では、間もなく勇者が現れる。
俺が魔王でいるなら、勇者と戦うのはお前だ。
そして、今回の魔族と人族の戦いは、今まで繰返し行われたなかでも最大となるだろう」
「何で、お前にわかる……」
「俺が、五年前、イルミア王国から救い出した赤子、名をリシェルと、俺は名付けた。
ミーザ、お前、サタンから聞いていないか?
動かずのルシファーの事を?」
「……動かず?」
「リシェルにルシファーが契約をした事で、今回の戦いは魔族人族だけで終わらなく、神々と悪魔総出まで繰り上がり、大戦争となるはずだ」
「ルシファーとは何だ?
そのルシファーが動くと、何故、大戦争となるのだ?」
「……その様子では、サタンから何も聞いていないみたいだな」
ミーザの様子を見て、俺は平地全域に結界を張った。
「ルシファーは、元々神霊で、神々から産まれた分身体だった。
だが、ある時ルシファーは、気がついた。
魔族と人族の戦いが、神々にとって創られた遊戯だという事を。
この大陸が遊技場で、魔族と人族が駒、魔王と勇者が勝敗を着ける重要な駒。
ルシファーは、親とも言える神々に、その様な事を止めるように意見を言い、戦う事になり、負け、魔界に落とされ大悪魔の一体になった。
ルシファーは待った。
神々に対抗するには闇属性の力だと。
闇属性を持って、産まれる子供を。
それが、リシェルだった。
リシェルは、闇属性の魔力を持つ人族の子供。
ルシファーは、リシェルと契約した。
内容はリシェルの死後、リシェルから闇属性の力を貰う事。
リシェルが生きている間は、ルシファーは表に出ず、自身の力をリシェルに貸し出す。
しかし、今、リシェルはその力を十二分に使えない。
だから、俺はこれからリシェルを鍛える。
だから、俺はお前に力を貸せない。
だから、俺は……」
いつの間にか、きつく握りしめていた右手から血が流れ落ちていた。
俺の右手から、流れ落ちる血を見て、ミーザはザーツの想いを全て悟った。
「そうか……もし、それが本当ならば私はどうすればいい?」
「俺達以外の、大悪魔と契約している者を探しだす。
残り、後八体だな」
「期間は?」
「俺達の予測では、勇者が現れてから約十年」
「根拠は?」
「勇者に、どんな神霊が付くのか、わからないが力を十二分に出せるようになるまでは、時間がかかるはずだ」
「正直に言えば、まだ信用出来ない。
だけど、だからと言って、無視する事が出来ない内容だ。
だから、この後、城に戻り、まずはやり残した事を終わらせる。
まだ、お前を許せるか、どうか、わからないが」
「それでいい。
だが、その前に、お前の為に、一つ終わらせる」
「ぐぅあああぁぁぁ」
いつの間にか、ザーツは姿を消し、六魔将が一、〈嵐刃〉のアギを斬り捨て、次にオズマに向かったが、受け止められた。
その後も、互いの激しい剣の結びあいの為、誰もが、手を出せない。
「……流石は、オズマ将軍か」
「何故、俺達に切ろうとした?」
「……倒さなければならないのは、貴方と、さっき切った奴だけです。
あれを、見てください」
顎で、さっき切り殺したアギを指す。
アギから、何か白い煙の様なものが出て来た。
それを俺は闇魔法、〈闇呪縛〉で捕らえる。
「……何だ、あれは?」
「天使です」
ミーザと残りの六魔将がざわめく。
「……天使?」
「そうです、神霊達の使い魔的存在と言いますか」
「だからといって、何故、私にも剣を向ける?」
「……オズマ将軍、貴方にも天使がついている。
貴方程の方が……残念だ、リシェルを任せれる数少ない魔族なのに」
「……天使を取り除く方法は?」
「何度か、サウルの街で見かけて、色々試したんですけど、無理でした。
最終的には」
「死ぬしか無いと?」
オズマは、ニヤリと笑う。
「ならば、好都合!」
オズマは、バックステップをして下がり、握っていた剣を、地面に突き刺す。
「私を殺せ、ザーツよ」
その言って、立てた親指を胸に、心臓の位置に差す。
「狙うのはここだ」
「?……どういうつもりです」
「忘れたか?
お前には教えてあるはずだぞ。
私の徒名を、〈無限〉のオズマの意味を!」
「!そう事か!」
意味を理解した、俺は素早く構え、突きを放つ。
剣先は、見事に胸に刺さり、心臓を超え、背中から剣が生える。
「……見事!」
剣が抜かれ、オズマは倒れ死んだ。
暫くすると、オズマから白い天使が出て来た。
それを、俺は再び闇魔法で捕らえる。
「オズマ将軍!
貴様、本当に殺すしか対応出来なかったのか?」
「……ああ、そうだ
だが、もう暫く待て」
「……何がだ?」
「待てばわかる」
俺はそう言い、捕らえた二体の天使を引き寄せ、ガイとミーザを呼んだ。
呼び寄せたミーザに、天使の気配を知る方法や、探しかたを教え終わった頃。
「ぶぁはっ」
死んでいた、オズマが蘇った。
オズマ、やっぱり甦る(笑)
色々考えていましたが、こんな形になりました。
自分でも、何でこうなった?と思います。
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