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スタート 0.3  作者: プーリ
真相
35/53

35

 次の日、メッセージが届いた。

「お騒がせしました。取引をするつもりはありません」

 やっぱりな。さすがは配信者だ。盛り上げる方法を熟知している。

「始めての観戦で、あの疑惑のレース…残念です。」

 マーマレード・ソースがスタンドにいたのは事実だったのか。

「川又さんからも写真は届いていると思います」

 川又…あの新人記者だ。

 マーマレード・ソースは関係者なのか?

「一度お話がしたいです」

 そう締めくくられたメッセージ。

 すぐに返事は返せないが、自分の中の好奇心に従うことにした。

「こちらもお会いできればと思っています」

 後輩からも色々と聞かれた。

「取引って結局なんだったんですか?」

「そんなの無いよ。メッセージもないし」

 ここは、はぐらかしておく。

 そして自分のSNSにも更新をしておいた。

 お騒がせの謝罪と、取引なんかはしないよと。

 そのタイミングで、マーマレード・ソースもSNSを更新していた。

「取引は失敗だ〜。メッセージ来ない〜」

 これでいまのちょっとした炎上騒ぎも落ち着くだろう。

 新しい情報がなければ、皆飽きが来る。

 マーマレード・ソースの正体は分からないが、感覚的に近いものを本当に感じる。

 情報化されている時代をうまく乗りこなしているオタク的感覚が似ている。

 しばらくすると、マーマレード・ソースと会う日程の決定ができた。

 来週月曜日に地元の駅前の焼肉屋だ。

 あの焼肉屋は高校の後輩が経営をしていて、自分達は飲み会なら必ずあの店を使っている。

 一般客は1階と2階で食事をしているが、僕達は関係者として3階の個室を貸し切っている。

 普段は従業員の大きい休憩部屋として使用しているらしいが、もはや隠し部屋のような場所だ。

 どんな会話も人物との接触もバレる事はない。

 しかも最寄り駅には新幹線が停まる。

 もし遠くから来てもスムーズに対応が出来る。

 駅前ということもあり、人通りは多く、人混みに紛れて目立つことなく移動も出来る。

「話って一体何だろうか?」

 そう思いつつ、当日を待つことにした。

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