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そこには写真が1枚。
「ん?これは…」
写真の裏側には「10レース」と書かれている。
間違いないあのフライングのレースのスタート地点から撮られた写真だ。
酔いが一気に醒めそうになる。
「ちょっと角度がわかりにくいんだけど、やっぱり自分のほうが後ろにいるよなぁ…」
畳に横になりながら写真を見つめる。
「誰がポストに直接投函を…」
想像は付く。
というか、何か言いたげだったあの新人の記者だろう。
ファンやアンチはさすがに家までは来ない。
先輩記者からの、密着取材を受けたこともあるし、住所は共有されているのかもしれない。
連絡をしようとスマホに手が伸びるが、やめておく。
あまりいい話題ではないし、先輩記者に連絡すれば、きっとまたあの新人記者は怒られるだろう。
今度、直接会ったときに言うか…
写真を本棚の前にある小物入れに片付け、風呂へ急ぐ。
なんと言おうと明日から1ヶ月はレースに出られない。
長いようで、短いような出場停止。
早くレースに復帰したいのは当たり前だが、体に無理をしていたのも事実であり、首や腰のリハビリやマッサージにも重点をおきたい。
何よりも明日は久しぶりのストフラのライブだ。
布団に吸い込まれた後は、朝を迎え、ライブへと向かう。




