接戦?
第四戦目を向かえた本選は、互いに譲らず肉弾戦では方がつきそうにない!!
両者肉弾戦では五分五分の、大寒の娘と春分。春分は四天王の一人であるだけに、大寒の娘はよくやっている。
ところが、ここで、肉弾戦ではらちが明かないと考えた春分がニジュウシセッキの特有スキルで勝負に出た。
「私の力は生命の誕生だ」
『おっと〜春分、自らの能力をさらけ出したぁ!!』
すると、今までの戦いで死んだはずの穀雨と木枯らしが、なんと、生き返った!!
「なんて事を……」
大寒の娘は嘆いた。何故ならニジュウシセッキである穀雨は、自然と次の穀雨が生まれ変わるはずだ。その因果の転換をした事により、穀雨は死んだ苦しみをまた味わう。木枯らしについては知らなかったが、実は木枯らしも、ニジュウシセッキ同様生まれ変わる。故に木枯らしもまた苦しまなくてはいけない。
ここで勘違いして欲しくないのは、例えば穀雨は夏至によって一瞬で蒸発したから苦しまず死ねたのだが、今度は一瞬で死ねるとは限らなく、また、一瞬で死ねるかも知れないと言う事。
だが、大寒の娘に一瞬で殺す力は以前には無かったが、果たして……。
「それ、穀雨に木枯らしよ、我が下僕よ、あの小娘を蹴散らせ。これは命令だ」
「うわぁああ」「ひぃいい」
穀雨と木枯らしがすっかり【死】の恐怖に刈られていた。
(チャンスだわ!!)
二人がたじろいでいる隙をつき、大寒の娘は春分の懐に入り込んだ。
『は、速い!!』
観戦者、審判、生き返った二人、春分、皆が、虚をつかれた!
「せい!!」
ドンッ!!
その、恐ろしく重いアッパーは春分の腹に入り、春分は宙を舞った!
「やったわ!!」
油断大敵。春分は宙でくるりと反転し、直ぐ様体制を立て直し、【下僕】に命令を出す。
「早くせんか!!!!」
すると、穀雨の雨と、木枯らしの風で、全てを黄泉に送る雨を発生させた。春分はこの攻撃には全く効かない。つまり、これを喰らうのは大寒の娘だけ。
みるみる、大寒の娘は着物がボロボロになっていく。
『おおっと!!』「いいぞいいぞ!!」「ヒューヒュー!!」
男共から歓声が沸く。大寒の娘は両手で胸を隠し、うずくまってしまった。徐々に生命力も奪われているのだ。
「小娘よ。哀れみを覚えるぞ。はっはっは!!」
春分は笑った。そして、遂に大寒の娘は倒れた。
審判が生死を確認しにいく。まだ息がある。そして、何か呟いている。審判は「参った」と言っているのか確認しようと耳を近付ける。
「こ、」
「降参か?」
「こ、これだけは、まだ、使いたく無かったわ……」
なんと、まだちゃんと意識があり、秘策を持っているらしい。
「ぜ、絶対零度魔法大寒バージョン!!」
そう大寒の娘が発すると、なんと会場(審判、実況、観客席含む)全てが凍りついた!!
「よくもやってくれたわね……。服、どうしようかしら?そうだわ。木枯らしのを借りよ」
着替える大寒の娘。しかし、この魔法力は冬至以上。それもそのはず。寒さでは、大寒>冬至なのだ。
「よし。春分……。あなたには、その力、似合わないわ。じゃあね」
と、大寒の娘がサヨナラを告げ、「せいっ!!」と、正拳突きすると、春分は粉々になり、パチンと指を鳴らすと、全てが解凍された。
『おや?おかしいなぁ?あれ?裸なのは……。木枯らしだぁ!!』
わーっ!! わーっ!!
と、会場の男性は春分が消えた事には気付かず、裸を堪能。木枯らしは真っ赤になり気絶。審判は我に返り、春分がいない事を大寒の娘に問う。そして、暫く協議があった後……。
「勝者、大寒!!」
『えー皆様にお知らせします。この度の対戦は裸になり、倒れた大寒の娘が負けると思われましたが、次の瞬間、裸になっていたのは春分により蘇生された木枯らしで、その春分は居なく、木枯らしの着物を着た大寒の娘が立っていました。この件に関し協議したところ、大寒の娘が魔法を使い皆様までも凍らせ、大寒の娘の独壇場となり、春分を破壊したとの事で、大寒の娘が勝利しました。まさか私まで凍らせられるとは……。いやはや末恐ろしい限りです』
「何だって!?」
小寒270を始め、誰もが信じられなかったが、難癖つけようがなく、あっけらかんと大寒の娘の勝利が確定した。
270は思った。最早大寒は冬至を越えたのではないか?……と。




