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【本編終了】『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
アフターストーリー第1部 第2章:1学期編

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第2章 第二話:ケイの自己紹介と巻き込まれる浩紀

クラス分けを見た浩紀たち3人(浩紀、杏奈、沙織)は3年B組の教室へと来ていた。

ちなみに3年生の教室は1階に配置されている。

教室に入ると、すでに生徒たちが半数ほど来ており、その生徒たちの視線が入ってきた3人に集まった。

周りの声を聞いてみると、「浩紀君と同じクラスとか嬉しい」、「杏奈ちゃんやっぱ可愛すぎる」、「沙織のあのスタイルはもう神だよな」など肯定的な意見が多く聞こえてきた。

三人は自分たちの席を探す。席順は番号順となっており、窓際からスタートし、廊下側へ続いていく。

杏奈と浩紀はともにこのクラスの5番目であり、一番窓際の列の前から5番目が杏奈の席であり、その右隣が浩紀であった。その浩紀の隣の席は番号が振り分けられておらず、空席となっていた。


(おそらくこの席はケイのための席なんだろうな)


浩紀は桐谷家にホームステイしているケイの席だろうと予測を立てた。

ちなみに沙織はその空白の席の1つ前であった。


「私、ヒロと同じクラスになれた上に、席もお隣同士にもなれてすっごく幸せな気分だよ」


「俺もアンの隣になれて嬉しいよ。でも気を付けないと授業中にアンの事ばかり見てしまいそうだよ」


浩紀はそう言っておどけて見せた。


「もう、ヒロの……バカ。そんなこと言ったら私だって同じなんだからね」


杏奈は顔を少し赤らめながら呆れたふりをするのであった。

しかし、その杏奈の顔はどこか嬉しそうであった。

浩紀たちが席に座り、ほどなくホームルーム開始のチャイムが鳴り始めた頃に、太田が息を切らせながら教室へ滑り込んできた。


「セーフ!」


太田が嬉しそうに言うと、教室の前から別の声が聞こえた。


「アウトだ!馬鹿者。チャイムが鳴る前に席について置け。今日は大目に見るが明日からはダメだからな」


「はーい。気を付けまーす」


そう言って太田は浩紀を見つけると手を振り、自分の席に座るのであった。


ーーー


先生が教壇に立ち、朝のホームルームが始まった。


「今日からこのクラスの担任になる『黒鵜(くろう) 仁(じん)』だ。いいか、『くろうじん』であってけっして『くろうにん』とか呼ばないように!」


担任のブラックジョークに苦笑いを浮かべる生徒たちであった。


「それではホームルームを始める前に、新しいお友達を紹介します。さあ、入ってきて!」


担任の呼びかけで教室の前の扉が開かれ、金髪碧眼の美女が教室へと入ってきた。

そう、ケイティである。

突然現れた金髪美女に男子は色めき立つ。


「おい、男子。気持ちはわからんでもないがとりあえず落ち着け。それじゃあ、皆に挨拶をして」


「はじめまして。アメリカのサンフランシスコから来ました『ケイティ・フェルドマン』です。仲良くしてください。後よかったら私のことは『ケイ』と呼んでください」


ケイティが事前に家で浩紀と練習してきた挨拶を無難にこなした。

ケイティが挨拶をすると生徒たちが勝手に質問を始めた。

「ケイさんは恋人はいるんですか?」「ケイさんの好みの男性は?」など様々な質問が一声の飛び交い始める。


「お前らとりあえず落ち着け!休憩時間まで質問は我慢するように。それじゃ、フェルドマンさんはあそこの空いている席に座って。」


「わかりました。浩紀の隣ね!」


ケイティは嬉しそうに浩紀の隣の席へと移動した。

その光景を見た生徒たちは「なんで会長の名前を知ってるんだ?」と疑問を口にするのであった。

担任が浩紀に声をかける。


「桐谷、彼女が学校になれるまで色々面倒を見てやってくれ」


「わかりました」


男子はケイティのお世話係を任命された浩紀をうらやましそうに見るのであった。


ーーー


その後ホームルームが無事終了すると、体育館へ移動し始業式が始まった。

校長先生のありがたいお話を聞いたのち、再び教室へ戻ってきた生徒たち。

担任から今年一年の簡単な日程を聞いて初日は終わりとなった。

その途端、男女問わず沢山の人が浩紀の横にいたケイティの元へと集まってきた。

ケイティを質問攻めにしようとする面々を浩紀が抑える。


「お前ら、そんな一斉に質問したって答えられないだろ。まずは一人ずつ代表して聞いていったらどうだ?」


「それなら俺から!ケイは恋人はいるの?」


「恋人はいないね。私日本で素敵な恋したいね」


その答えに男子が「おおおー」と感動の声を上げていた。

今度は別の男子が質問をする。          

「どんな男性がタイプなの?」

「『シティー クリーナー』の風間連みたいな人ね!頭も運動神経も良くて、優しい上に面倒見も良い人ね!そういえば浩紀は勉強も運動もできて優しくて面倒見もいいね。そう考えると浩紀は雰囲気似てるね」


(ケイが浩紀を好きになったりしないわよね?)


その言葉に杏奈は一瞬ピクっとし、浩紀専用嫉妬レーダーがわずかに反応する。

さらに男子生徒たちは「なんでいつも浩紀ばっかり……」と、一斉に浩紀を羨望と怒りの入り混じった目で睨んだ。

続いて今度は女子が質問をする。


「ケイはさっきも浩紀君の名前呼んでたけど、二人は知り合いなの?」


「私、浩紀と一緒に住んでるね」


ごく当たり前のことのように答えるケイティ。

その答えを聞いた女子は「キャアー、同棲してるってこと!」と色めき立つ。対して男子は「なぜだー!杏奈ちゃんだけでは物足りず、金髪碧眼の美少女との同棲生活まで……」と言いながら、心の中で血の涙を流していた。

勝手にヒートアップする面々を見て、浩紀は慌てて否定する。


「同棲とか言うな!親の仕事の関係でケイがうちにホームステイしているだけだから!」


それを聞いた別の女子がさらに追い打ちをかけるようなことを言う。


「でも、浩紀君の家って確か両親ともに家にいないんだよね?もうそれって同棲と一緒じゃんか!そんなの、浩紀君みたいな美男子と、ケイみたいな美少女が一つ屋根の下で暮らしたら、間違いが起きないわけないよ!」


と言って騒ぎ立てた。

これには静観していた杏奈が激しく反応する。


「そんなのダメよ。ヒロは私のヒロなんだから!ケイにも、他の誰にも上げないんだからね!」


顔を真っ赤にしながら、浩紀を背中側からギュッと抱きしめて、周囲を『ガルル―!』と威嚇する杏奈。

そんな杏奈を見たクラスメイト達が顔を見合わせてから、口をそろえて言った。


「「「新学期そうそう、御馳走さまです」」」


この反応に浩紀と杏奈が顔を真っ赤にしたことは言うまでもない。

ケイティはそんな浩紀たちを見て、心底楽しそうに笑うのであった。


第2章第2話をお読みいただき、ありがとうございます。


今回はケイの初登校にスポットを当ててみました。

他の生徒たちが言ってましたけど、ケイと浩紀ってある意味同棲に近いことしてますよね(-_-;)

実際には博康がいるので違うんですけどね。

今後ケイとの間で間違いが起こってしまうのか……。

先の話をお待ちください。


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