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第86話 アダマンダイトだな

「ここだ」

「やっとか」

「貴様らはここから出ることはできん、分かったな」

「………わかってる」

「食事はちゃんと全員分だしてやる、じゃあせいぜい惨めにならないように頑張れよ」

 そう言いと案内してきた男は扉を閉じた。まあ案内と言っても袋を被せられ馬車に揺られている方が多かった為案内らしい案内ではなかったのだが。そして案内された所は鍛冶場だ、炉があるためかなり暑い。

「さてとどうしようか」

「………タナカごめん、勝手に決闘なんて決めちゃって」

「いやもう決まったことだから仕方ないよ。それに四六時中命を狙われるのは嫌だし」

「………だけど」

「まあだからマイヤーも部下叱るのやめてくれないか、意外とうるさい」

「すまない、だが」

「命を狙われてたのは怖かったけどもう気にしてないし」

「分かった、だそうだマリア、お前の処分は後程決める分かったな」

「分かりました」

「さてと、これから武器とか作るんだけど」

「………タナカは何か希望は」

「ないな、あるとしたら軽い方がいいけど」

「………分かった」

「タナカ勝算はあるのか」

「ない」

「だろうな、それでどうするんだ」

「さあ」

「おいおい」

「いやだってここまで流されるように来たんだぞ、一体どうしろって言うんだよ」

「まあそれは、そうだが」

「そう言えばメリベル、剣を打てないって言われてたけどどうしてか聞いても」

「………それは、強度が」

「致命的じゃないのか」

「………重くすればいいけど」

「なら俺が打とうか」

「………だめ、これは正式な決闘だから」

「だそうだ」

「仕方ないか」

「そう言えば捕まってること、アルフ達は知らないよな」

「いや、何人か兵を伏せてたから情報は伝わってるはずだ」

「ならよかった」

「………軽くするなら小さくするしかないけど」

「ほぼナイフみたいになるのか」

「………そうなる」

「なあ、剣を見せてくれないか」

「………はい」

 メリベルがマイヤーに腰の剣を渡す。

「うおっと、見た目より重いな」

 そう呟いただけで、その剣を眺める。

「重心が体から離れ過ぎるんだな」

「………そうなんだ」

「それに使ってる金属が鉄じゃなくてアダマンダイトだな」

「………うんそう、固いから」

「だけど重くなると」

「………うん」

「なあマイヤーアダマンダイトって」

『ファンタジーによく登場する金属だな性質的には固くて重い』

「なるほど」

「つまり軽く強度を上げるには、重心を近くして金属を変えればいい」

「………なるほど」

「マリア少し外を警戒しててくれ」

「分かりました」

 そう言ってマリアに外から人が来ないかを確認させるとマイヤーは懐から何かのインゴットを取り出す。

「アダマンダイトで芯を作りこいつで刃を作れば相当軽くできるはずだ」

「………分かったやってみる」

「頼んだメリベル」

「………うん」

 そう言うとメリベルが作業を始める。邪魔しちゃ悪いと少し離れてこそこそと過ごす。

「それで武器の方は目処がたったとして、どうやって勝つ気なんだ」

「リヒターだっけ、彼が弱いって言うことは」

「鑑定したがなさそうだ」

「だよね、最悪力業で逃げるとか」

「出来なくはないが」

「やれるんだ、まあやらないけど。まあ最悪殺されてもいいかなっては思ってる」

「おい」

「抗おうとは思うけどね」

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