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第78話 ようこそ前線基地へ

 ユキとササキ、イリアのおばあちゃんと遺跡で別れ、7人で馬車に乗り出発した。

「揺れるな」

「そりゃあ拾い物ですし」

「そうか」

 馬車に揺られながらのんびりと話ながら進む。それに荷物は布ばかりでいつもより座りやすくなっている為に余計にのんびりしているような気がする。

「はぁ」

 本当にのんびりしている、まだ洞窟の中で暗く、まぶたがだんだんと重くなっていく。

「………タナカ眠いの」

「んっ、いや大丈夫大丈夫」

「眠いのなら寝てしまってよろしいのでは」

「いや本当に大丈夫だから」

 そう言って顔を叩き目を覚まさせる。

「みんなそろそろ出るわよ」

 だんだんと明るくなる、外にたどり着いたようだ。

「外だ」

 外は、曇っていた。

「雨降りそうね」

「………そうだね」

 かなり嫌な天気のようだ、そのためか馬車が止まる。

「………みんな降りて」

 馬車から降りる。

「タナカさんこれを」

「何これ」

「雨具の革のコートですが」

「なるほど」

 なんやかんやで冒険中雨が降られたことがなかったので、初めての体験だ。

「ありがとう」

「………タナカ着たら手伝って」

「分かった」

 そのリズから手渡された革のコートを着る。長さがぴったりだ。

「タナカさん用なので丁度いいと思いますがどうですか」

「うんぴったりだよ」

「それはよかった」

 馬車の上で作業しているメリベルに近寄る。メリベルは馬車の上に革を敷いているようだ。

「………隙間がないように敷くから」

「分かった」

 革のはしを持って敷くのを手伝う。すぐに終わったのだが、終わったタイミングで雨がポツポツと降りだしてきた。

「よしじゃあ行くか」

「雨の中を」

「………タナカの言いたいことはわかるけど距離があるからかなりギリギリ」

「だよね」

 弱い雨の中を進む、進んでいくなかで雨が少しずつ強くなっていく。

「雨強い」

 革のコートを着ているとは言え、だんだんと寒くなっていく。

「メリベルこの辺りで雨宿りできるところとかは」

「………ない」

「そっか」

 辺りもだんだんと暗くなっていく。

「これ以上は」

「そうね、けど雨を避けられる所なんて」

「ここを曲がれ」

 マイヤーが会話に割り込む。

「そこに雨を避けられる場所とある程度の食料がある」

「分かった、曲がってくれ」

 エレナは頷き曲がる。曲がった後はそのまままっすぐ進む。馬車は無言だ。雨はどんどんと強くなっていく。

「見えたわ」

 洞窟が見える。その前には人影が。

「誰だ」

 その人影が声をあげる。

「私だ」

「マイヤー様」

「すまない、中にいれてくれ」

「いえどうぞお入りください」

 馬車ごと中に入っていく。雨からは避けられたのだが別の問題が発生する。

「なあ何で銃を向けられてるんだ」

「すまない全員武器を下ろしてくれ、必要がなくなった」

 その言葉と共に武器が下ろされ、やっと安心できる。

「ようこそ前線基地へ」

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