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第79話 明日の天気の話

 前線基地と呼ばれている場所は10人近くの武装した人に食べ物や武器なんかが入った袋、火を絶やさないようにしているのか大量に積まれた薪なんかがあった。

「すまない、何か私と彼らに何か食べられるものを持って来てくれ」

「はっ」

「簡単なものでいいぞ」

「………でここは何」

「前線基地だ、他の言い方をすれば即席の物資集積場だな。戦闘中敗戦濃厚で物資を破棄してもここに来れば全員撤退できる量を用意してある」

「ならここで食べるのは迷惑かかるんじゃねぇか」

「敗戦濃厚なら全員が生きてここまでたどり着けるはずがないから少し位は大丈夫だ、それに今回の予定では時間をかけられるから問題ない」

「簡単ですが食事の用意ができました」

 パンとスープが手渡される。すべてを手渡した後もその兵士はそこにいた。

「あのマイヤー様一緒に食事しても」

「構わないぞ」

「はっ」

 その兵士はマイヤーのとなりに座る。まずはスープから飲む。スープは温かく雨によって冷えきった体に染み渡る。

「上手い、けどなんか物足りないと言うか」

「すまないな、作戦行動中は何が起こるか分からないから、消費を抑えているんだ」

「いえマイヤー様が謝る必要は」

「いや、なんかごめん」

 だが上手いものは上手いのだ、すぐに食べきる。食べきったはあとは自分達リズを除いてはのんびりと、リズは食料を分けてもらいに話に行き、マイヤーは一緒に食事をした兵士に現在の状況を聞いているようだ。

「雨いつやむかな」

「明日にはやむわよ」

「そうか、大分降りそうだぞこの感じは」

「………降ると思う」

「明日も雨の中か、なぁメリベルこの先雨宿りできるところは」

「………朝から出てギリギリの所にあったと思う」

「ギリギリか仕方ないか」

 だがエレナが袖を引きそちらを向くと首を横に振っている。

「エレナどうかした」

「無理って言いたいんだろ」

 エレナはうなずいている。

「地面がぬかるむからな、時間がかかるんだろ」

「………それも含めてギリギリ」

「なら行けるじゃない」

「そうだな」

 エレナは不安そうだ。

「明日の天気次第だなどしゃ降りの中外出たくないし」

「外出たくないってタナカ」

「えっイリアは出たいの」

「それはその、出たくないわね。けどメリベルは」

「………私もこれ以上ひどかったら出たくない」

「俺も出たくないな、急いではいないんだろう」

「タナカさんある程度の食べ物を分けてもらえましたよ」

「ありがとうリズ、時間もあるしな」

「それで積み込むのを」

「分かってるよ」

 自分とアルフが立ち上がり食料を積み込みに行く。

「それでなんの話をされてたのですが」

「明日の天気の話」

「明日ですか、明日も降りますよ。後多分ですがかなり長く雨が降ると思います」

「本当に」

「ええ」

「どうしよっか」

「なら諦めていくしかなくねぇか」

「だよね、はぁ」

 食料を積み込む、と言っても3袋なのですぐ終わる。終わった頃ちょうどを見計らっていたのかマイヤーが話しかけてくる。

「この雨長く続くらしい、だから雨に紛れて撤退したい。だから今すぐ出るぞ」

「今すぐ、いや」

「安心しろ馬車と馬はこちらで用意した、それを使う」

「じゃあ俺たちの馬車はどうするんだよ」

「そちらは我々が一旦預かり、その後責任をもって返却させてもらう、それでいいよな」

 かなり必死だ、だがこちらも。

「荷物なら安心しろ、これでもチート持ちでな」

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