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第76話 ふざけんな

 頭の痛みで目が覚める、お酒を飲みいつの間にか寝てしまっていたらしい。

「いてて、いつの間にか寝てたのか」

 回りをみると全員酔いつぶれているのか寝てしまっている。

「飲みすぎたのか」

 頭がぐわんぐわんしていて気持ちが悪い。

「はいた方が楽かな」

 そのときエレナが目を覚ます。

「エレナおはよう、いてて」

 しゃべる度に頭が痛い。不安そうに駆け寄ってくるので何か言ってあげたかったのだが、痛みの方が勝り、何も言えない。その為にエレナが不安がり辺りを見渡すが他はみんな寝ている。そして何かを決意して部屋を飛び出した。

「何か飲み物を」

 そう呟くと何処からかスライムが出てきてペットボトルの様なものに入った飲み物を渡してきた。

「タナカ様二日酔いに効く飲み物です、ですが飲みすぎには気を付けてください」

「そんな飲まないんだけどな」

 ふたを開ける。

『タナカ、何かしたの』

 大声で頭が揺さぶられる。

「声を抑えて、頭が」

『ごめん何言いたいかわからない』

 意識して日本語に言い直す。

『二日酔いで頭が、だから少し小声で話してくれる』

『何だタナカもなんだ』

『自分もって』

『実は兄も二日酔いでして』

『そうなんだ、でなんでここに』

『この子に連れてこられて』

 エレナが少し誉めてほしそうにしている。

「ありがとうエレナ」

 そして頭を撫でてあげる。

『それで私は何をすればいいの』

『いやなんと言うかもう大丈夫』

 そう言いながらスライムから手渡された、ペットボトルを開け飲む。

「ゴホッ、なんだこれ」

 いきなり苦味が襲い咳き込む。

『タナカ何それ』

 ユキは怪訝な顔をして、エレナは少し心配そうだ。

『いやスライムからもらった二日酔いに効く薬』

『へぇ早く飲めば』

『いやなんと言うか、苦いし後味悪いし』

 口の中いっぱいになんと表現していいかわからない不味さが残っている。

『そんなにひどいの』

『ひどい、けど飲むしかないよな』

 エレナは興味深そうにしている。

「飲んでみる」

 そう言って渡してみるが、首を強く横に振り少し離れた。

「覚悟決めて飲むか」

 呼吸を整える、気持ちを落ち着ける、そしてペットボトルを口に近づけ、目をつぶり、一気に流し込む。口の中に苦味やら不味さが襲ってくる、だが気にせず飲み続ける。いつの間にか液体が流れてくる感覚がなくなり、目を開くと空のペットボトルが見えた。

「う、うっぷ、飲んだ、飲んだ」

 叫ぶ、頭の痛みはない。だが口の中の不味さが襲ってはいるのだが叫び忘れることにする。

『タナカうるさいよ』

『ごめん』

 エレナも少し怒っている。その声でアルフ達が目を覚ましだす。

「おう、タナカうるさい、いてて」

「タナカさんもう少し静かにお願いします」

「タナカ静かにしてくれない」

「………タナカ静かにして」

 みんな二日酔いのようだ。

「スライムさっきの薬4本頼む」

 そう言うとスライムは自分がもらったペットボトルと同じものを渡してくる。

「ほら二日酔いの薬だ」

 1番ひどそうなアルフに開けた状態で渡す。

「タナカ助かる」

 そうしてそれを飲む。

「っ、なんだよこれ」

「二日酔いの薬」

「飲めねえよこんなの」

「飲めよ効くぞ」

 今は全く痛くないから効果のほどは十分だ。

「これ飲むなら痛み我慢するわ、それに最悪ポーションあるし」

 二日酔いはポーションで治しているらしい。

「ふざけんな、せっかくもらったんだから飲めよ」

「いや、もうポーションで治す」

 そう言って懐から何か小瓶を取りだし飲む。

「ふぅ落ち着いた」

「ふざけんな」

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