第31話 かんぱーい
「来てくれたか」
領主の部屋まで案内されると、そこにはマイヤーが1人でいた。
「すまないな、町の掃除に手を貸してもらって」
「いえ別に、自分達も困ってましたので」
「そう言ってもらえると助かる、でだ報酬だが君たちにあげた武器をそのまま渡して、使ったものを買い直してもらった上で1人頭500Gでどうだ」
「それで構いませんよ」
「………渡しもそれでいい」
「俺も構わないぜ」
「それで構わないわ」
「それで構いません」
「ならよかった」
そこにマリアさんとリカルドが戻ってくる。
「任務完了しました」
「処理の方は」
「そちらも大丈夫です、ですが」
「そうかならいい、でタナカ達はこれからどうするんだ」
「えっと、明日か明後日にでもメリベルたちの故郷に連れていこうかと」
「そうか、となるとどの辺りになるんだ」
「………隣の国」
「なるほど、リカルド」
「なんですか」
「ちょっと来い」
何かを耳打ちする。
「分かりました、手配してきます」
「頼んだ、マリア彼らの依頼者の容態は」
「元気ではありますが気持ちが落ち着くまでもう少しかかりそうです」
「そうか、なら顔を会わせてからの方がいいだろうな落ち着いたら会えるように手配しておけ」
「はっ」
「それだけだ、後冒険者には言う必要がないかもしれないがあの辺りには遺跡がある、そこに寄ってもいいだろう。後は下がっていいぞ、報酬はここから出るときにでも渡せるだろう」
そう言われ領主の部屋を後にする。
「しっかし1人500Gか、大金だな酒でも飲むか」
「その前に金もらったら宿に戻ろう」
「そうねエレナもいるし」
「………疲れた」
「何か食べ物でも買ってから戻るか」
お金を受けとり、町中で手軽に食べられるものや飲み物を買う。大分遅くなってしまった為にエレナはたふん寝ているであろう宿に戻ってきた。
「疲れた」
「………そうね」
宿の部屋は2部屋とってありエレナが居るのはリズ達の部屋の方だから、イリアはリズ達の部屋に、その他は自分とアルフが寝る部屋に入る。入るなり買ってきた物を広げ、飲み物をコップに注ぐ。そこにイリアが戻ってくる。
「寝てたわ」
「お疲れ様」
「よっしゃ飲もうぜ」
「アルフ静かにな」
「わかってるよ」
「ならいいけどさ」
「よし、じゃあかんぱーい」
買ってきた物を飲み食いする、それらは疲れていたのか何でも美味しく感じどんどんと減っていく。そして空腹が満たされていくと、今度は眠気が。
「眠い、もう寝る」
そのままベッドにも入らず着替えもせず、倒れるように眠った。




