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第四話 取調

俺の名前は石川池早九いしかわちはやく

埼玉県警刑事部の刑事だ。


通称、自称、せっかち刑事。


とにかく、早く帰りたい。


なのに、今日も事件が俺を呼ぶ。


「先輩こっちです。被疑者、完黙です。」


「完黙だと……」


よりによって、一番早く帰れないやつだ。


俺は久しぶりに残業を覚悟した。


俺は、仕事をサボってまで早く帰るわけじゃない。


完黙落としの異名をとった俺が、今日の被疑者も落としてみせる。


刑事部のみなが、取調室に向かう俺を見ている。


頼みます


そんな声が聞こえてきそうだ。


仕方ない、今日の揚げたてコロッケは我慢しよう。


俺の脳内には、揚げたてコロッケの『サクッ』という音が再生された。


「ヨシ!やるか!」


俺は勢いよく取調室のドアを開ける。


「私がやりました。」


「よし!帰るぞ!」


俺はさっさと帰宅する。


肉屋のコロッケが俺を待っている。


5:27


時間よし!


あそこの親父さんはいつも余るほどに揚げるから売り切れもないはずだ!


俺は角を走って曲がった。


『本日、臨時休業』


「くそぉぉぉ、親父さんぅぅぅ、元気でいてくれよぉぉぉ……」


明日は、もっと早く帰りたい。

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