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最終話 殉職
俺の名前は石川池早九
埼玉県警刑事部の刑事だ。
通称、自称、せっかち刑事。
とにかく、早く帰りたい。
なのに、今日も事件が俺を呼ぶ。
「先輩、こっちです。こっちですよ。そっちいっちゃだめですって!」
「くそぉぉぉ……死にたくねぇぇぇ……死にたくねえよぉぉぉ……」
俺は腹に鉛玉を喰らった。
俺が以前に逮捕した家族の逆恨みだった。
最初は、腹にズシっと響く感触だった。
次に腹が熱くてたまらない。
喉から鉄臭い液体が込み上がってくる。
今は、どんどん寒くなってきた。
「先輩、こっちですよ!」
「帰宅……してぇなぁ……」
「そうっすよ、帰宅しましょうよ!奥さん待ってるんでしょ!美人で、優しくて、気の合う奥さんなんでしょ!帰宅するんですよ!」
「……よし……帰るか……」
5:00
「手術、成功しました。」
「よし!帰るぞ!」
俺はさっさと帰宅した。
妻は、無言でビンタした。
そして泣きながらキスをする。
『くそぉぉぉ、生きてるって良いことだぜぇぇぇ……』
明日は、もっと早く帰りたい。




