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詩全集4

Solace

作者: 那須茄子
掲載日:2026/04/14

触れたら壊れてしまいそうな

君が心配だから隣で寄り添う

その間胸の奥で小さく鳴る痛みを

まだ誰にも言えずに

そっと両手で包んでいた


強くなりたいと願うほど

弱さばかりが浮き彫りになって

君の前では尚更

情けない自分ばかり見えてしまう


それでも君が笑うたび

世界は紙のように薄くなって

僕には刺々しい輪郭がなくなって優しく見えた

指先でめくれば裏側に小さな海が見える

僕はそこで言葉を洗い流すつもりでいた

でも言葉は砂になって落ちる


言葉はいつも遅れて

大事な瞬間に間に合わなくて

伝えたい想いほど

生まれた熱に溶けて悔しくて


本当は言えないくせに

無駄に強がってしまう

そんな自分が嫌いで

どうしようもない時間だけが進んでいく


君の掌に残る温度を

この手で重ね合わせ

確かめるたび

夜の端が少しだけ震えるのを感じる

言葉はまだ眠っていて

窓の外の星がひとつずつ息を吐く

そんなイメージで

僕はそこに小さな灯を置くように立って

あれこれ考えて居るんだ

僕はそれをほどく勇気を探している

言葉の代わりに今は温度を預けるね


朝が来る前に伝えたいことがあるとすれば

それは大きな宣言でもなくて

ただ「ここにいるよ」と

君へもたれかかる


夜明けの色が窓を染め始める頃

僕と君の影は少しだけ長く伸びて

言葉にできなかった想いが朝の光に溶け出す

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