68調理スキルと天空の頂き
自分達よりも一回りレベルの高いガーディアンを連携によって撃破したステラとアーテルは『理想ノ聖域』を目指す。さっきとは打って変わって進めば進むほど天からの眩しい光が消えていった。
進めば進む程暗い闇の中に吸い込まれるようなそんな感覚がステラの思考の中渦巻いていた。まるで終わりが見えない迷路の様に深い深い森の中、二人はその頂きを目指し、奥へ奥へと進んでいた。
「少し休憩にしようか」
「はい!! あはは……。だいぶ戦闘しちゃいましたもんね……。結局」
「すまない、言われてはいたが敵を見るとついな。良い連携だったよステラ。」
「ほんとですか!? ありがとうございます!!」
アーテルからの承認の言葉にへへーっと顔が緩むステラ。道中幾多の連携により敵を撃破、レベルも徐々にこのエリアの適正に近い数値になっていた。そう、二人のプレイスキルにより運営が想定としている通常プレイヤーが到れるであろう一日の基本レベルの限界を二人は大きく超えていたのである。
──……シュン。
シュパパパ。
アイテムボェクスから複数の素材を取り出し、浮遊したデジタルな空中空間で素材合成の調理を開始し、とあるものを作るステラ。
──チン。
制作完了の表示が本当名のポップアップで表示され、制作が完了するとアーテルへこう語り掛ける。
「アーテルさん!! 良かったら、どうぞ。」
「えっ!? 良いのかい?」
「はい!! いまさっきの戦闘で調合可能なスキルまでレベルが上がったんです。ですからそれで!!」
「はいどうぞ! メガミポーションです!」
「……丁度HPも減ってきたところだし、助かるよ……美味しい。」
アーテルはそれをごくごくと飲み干し、お礼を言う。
「ごふぅ……。んっ、んんっ〜!!! やっぱりポーションってエナドリみたいな味しておいしー!! みなぎってきました!!! 」
「ほほう、ステラもエナドリ的なケミカル味好きなのか同じだね」
「はいっ!! 同じですね!!」
──キュン!!
「ふっ、フググ……。ぐふっ。」
「……? どうしたんですか? アーテルさん」
子犬のような目をくりくりさせ、アーテルの様子を伺うステラ。
「いや、なんでもない。よし……。それじゃあ行こうか。」
──2人は進んだ、険しい道を。数々の敵を倒し森を抜けるとその先には理想ノ神殿へと続く天空階段がぐるぐると蛇のように空へ渦巻いていた。
二人はホログラム状のガラスの様な美しい半透明の階段を登っていく、ひとたびバランスを崩せば落下してしまうようなそんな危うさがあった。
──ゲルルルルルゥ!!!!
ビュオン。
階段を上る途中、怪鳥の不気味な声が空へ鳴り響きこちらに敵意を向ける。
「アーテルさん!!」
「くっ、こいつ!!!」
グルァァァッ!!!
飛行攻撃による突進を幾度とも無く繰り返す怪鳥ガルアス、レベルは25。この聖域を守るモンスターであろう。目つきは鋭くその大きい巨体から放たれ威圧感はこれまで感じたことの無いものであった。
素早い飛行攻撃に対しアーテルはそれをひらりひらりと素早い反射神経でかわす、バランスを崩せば足場は崩壊し最初のポイントへと戻ってしまう。だが、ステラとアーテルは通常のプレイヤーとはスキルがまるで違った。
素早いステップで怪鳥を翻弄し、隙が生まれたところに一気に畳み掛ける。
【ヴォルカ】!!
……【隠密】──……【クラウザムライフ】!!
──……「「はぁあああ!!!!」」
スドン!!!ズガガ!!!
──……グルェエエエエエエ!!!!
三連撃の火球そこに畳み掛けるようなアーテルの短剣による連撃が加わり、仕上げの息の根を止める死神の一撃が怪鳥を襲う。
二人の凄まじい反撃により、怪鳥はHPを0にして墜落。その身をぼうぼうと燃やし炎上し消滅する。経験値、獲得アイテムは自動的に配分され二人のアイテムボックスへと吸収される。
「やりましたね! さすがアーテルさん!!」
「ふふ、なんの。私よりステラの方が凄いよ」
「へへー〜……ありがとうございます!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ホログラムで出来た階段を登りきり、二人はようやく『理想ノ神殿』へと到達する。
「ここが……。」
「はい!! 私が来たかった場所!!! ついに来れました!」
白の空間に包まれる聖堂。鳴り響く神聖な龍達の鳴き声。ゆっくり、ゆっくりと二人は進んでいく。徐々に近づいていくステラが求めた龍の聖堂。
──聖堂にコハクを乗せるステラ。
乗せた途端聖堂全てを包む光を放ち、眩く輝き初めコハクは鼓動を初め、神々しい龍が雄叫びをあげる。
──グルァアッ!!
「こっ、これが……。」
「ステラ君ってやつは一体……──。」
続きます。




