036 戦闘
次元の扉が解放され、その先にへと続く次元が接続され、5人は転送される。
──ここが……。
目の前に広がる電脳的な世界。
まるでバチバチと雷が点灯するような光。
壮大でどこまでも続く、電子の世界へと誘われその地形に魅了される。
ステラはふと、上を見上げた。
空には天井。そう、この空間は次元の中に構築された仮想の世界である事を再確認する。
「ここが──次元の扉」
「うぉー!! マップデザインめっちゃこってるー!! 早速、探索しよ!! 探索!!」
まいらがステラの手を強引に引っ張り、このステージを真っ直ぐ、ただ真っ直ぐ先導する。
「はわ、……ステラさん」
「あらあら、全く。あの二人ったら勝手な行動が目立つわねー〜。私達5人でパーティなのに」
普段、冷静沈着で物静かなアオが表情を曇らせ、2人のことを指してそう言った。
「あぅー、だんちょー!! 置いてかないでー!!」
「やれやれ、あの二人、いくら仲がいいからって。目を離したら直ぐこれだ」
──ガサゴソ。
──ガサササ。
──カサ、カサカササ。
『──グキィギギイギィィッ!!!』
身体の形はまんまるの球体状で、そこから鋭利な日本の牙を生やした足は蜘蛛の様に釣り挙がっており、全身の印象はテントウムシを連想させるモンスターが群れを生し、天井を這いずり回る。
「きゃあぁぁあああ……!! 虫ッ!! むしーっ!! 怖いですー!!」
ステラは自分の頭に被っている、魔法の帽子をギュッと、握りしめその群れを前に弱々しく萎縮する。
ステラのその悲鳴で虫達は、ステラの存在に気づき臨戦態勢に入った。
──シュッ。
『 ENEMY ENCOUNT……』
5人の頭上にそのような、ポップアップが現れる。
──敵ユニット出現。目の前にバトルエフェクトが出現し、戦闘が開始される。
無数の虫達と接敵する距離に足を踏み入れ、バトルが開始される。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「えいっ!! 火炎波撃」
目標一体を攻撃対象に取り、リゼ息を大きく吸い込み、それを身体の中で火球に変化させ火炎の火の玉と化したブレス攻撃を複数連打する。
ドラグヒューマンである彼女の身体がそれを実現させる。
「えい!! えい、えいっ──!!」
『グギュアァアッ!!』
ボゥ、ボウ。ボッ!!
──シュウウゥ。
リゼの小さな口から放たれたと思えぬ、燃え盛る火球攻撃により電子テントウグモは跡形もなく消滅する。
「ふふん。どーよ! リゼちゃんもやる時はやるんだよー!! えっへん」
「リゼ、まだまだ来る──油断しないで」
「ええ、皆、常に警戒を」
「ち、流石にこの量──……いくら何でも、数が多いわね」
「まいらさん、ここは私に任せてください!!」
ステラが跳躍する。
バトルモード女神を発動。
テントウグモのモンスター全ての注意が跳躍したステラに移り変わる。
しかし、これが彼女の狙い通りである。
「攻撃対象が全てステラの方に──……」
「まさか!! 敵ユニットのヘイトを全て1人で引き受けるなんて、無茶よ!! ステラちゃん」
敵の敵対憎悪を増幅させ、それを一手に引き受ける。
──ビュン、ビュン!!
敵ユニットの口から無数に発射されるミサイルの様な弾丸と化した蜘蛛の糸の追尾を簡単にヒラリヒラリとその身を華麗に動かし、それをすべて回避するステラ。
左、そして右へとその身体を俊敏に動かし、被弾寸前のギリギリの所でかわす。その回避術は天才的であった。
動体視力、ストレングス、そしてステラの天才的なセンスがその動きを可能にした。
爆風の煙幕の中からステラが顔を出す。
そこからステラは風を蹴飛ばすような威力で敵ユニットの方へ全速力で前進する。
「えいっ!」
敵全体を捉えた瞬間、ステラは頭に思い描いていた攻撃を実行に移す。
「解き放つ──。輝け!!『照らし出す光の道』」
ステラがスキルを発動すると、周りには神々しい、光の道が現出し、それに導かれる様に光の羽根をはためかせ、ステラはその光り輝く道の力を浴びて、強大な一撃を虫の軍勢へ向け解き放つ。
──フィン。
「……ステラ。一撃で、」
「うわぁっー!!」
思わず、そのステラの美しい一撃に、息を飲むパーティメンバーであった──。
次の更新、3日後ぐらいには……




