大混乱
ひろみが家に帰った頃、携帯がなった。
同僚の由美からだった・・・
「ひろみ、おめでとう・・・・結局・・・元の鞘に戻ったのね・・・・」
この言葉に、ひろみは戸惑った。
おめでとう?
元の鞘?
「あ・・あの・・・」
ひろみが浮かない返事をすると
「どうしたの?ひろみ・・・あっ・・・照れちゃって・・・」
そういう由美に
「何が、おめでとうなの?・・」
「またまた・・・」
「ねぇ、由美まで、私をからかってるの?」
「からかってないわよ~、ひろみ。結婚するんでしょ?」
「はぁ~、私が?誰と?」
思わず大声になる・・・
「なに言ってんのよ・・昨日、メールで・・・大塚さんと結婚します。って」
ひろみは、なにがなんだかわからなくなった。
「ひろみ・・どうしたの・・・・ひろみ・・・」
携帯の向うでは由美の声が流れた
ひろみは電話中であることを思い出し
「由美・・・昨日ね、完全に別れたの大塚とは・・・」
「ちょっと、どういう意味!!ひろみ」
「だから、別れたんだってば、本当よ・・・」
今度は由美が戸惑った。
「じゃぁ、あのメールはなに?ひろみから送信してるわよ・・・」
「・・・とりあえず、明日、会社に出てからにするわ・・・」
携帯を切った。
一体何が起こったの・・・
混乱するひろみ・・・
翌朝のさらに混乱することが起きた・・・
会社に着いたひろみを迎えたのは、浮かない顔をする由美とにこやかな同僚だった。
「田中君・・・結婚するんだって・・・・」
ひろみじゃ課長から言われると・・・
「あの・・・」
「そうテレなさんな・・・・」
「私、結婚なんかしません・・」
「はぁ~」
少し繭をゆがめ、課長はひろみを睨んだ
「だいだい、わたし・・一昨日、大塚さんと完全に分かれたんです。」
「でも、このメールは一体なんだ。」
課長は、メールをひろみに見せた
件名:結婚します
送信先:課長
CC:ひろみの友人達・同じ部内の同僚
送信者:田中ひろみ
送信日時:9月12日 18:45
皆様に、本日、大塚さんからプロポーズを受けましたので、報告いたします。
これを見た、ひろみは、愕然とした。
誰がこんなことを・・・
「君、わかったか・・・これがいたずらだと、ただじゃすまないぞ・・」
怒る課長
「課長。これは何かの間違いです・・・私は、定時に退社して・・・・そう・・タイムカードが。この時間より早いはずです・・・」
「本当に君じゃないんだな・・・」
本当に課長は怒ってしまった。
「はい! 私じゃありません・・・」
ひろみが押し問答をしている頃・・・・
うわさは、中村の耳に入った・・・
結局、元の鞘か・・・
中村は、悲しみ半分、悔しさ半分だった。
ひろみは、課長を無理やり納得させ・・・・
自分の席に戻った。
「ひろみ・・・一体、どうなってるの。そういえば髪まで切って」
由美が声をかけてきた。
「私が知りたいわよ・・・」
「そういえば・・・」
同僚の一人が話し出した。
「一昨日、大塚さんが来て、田中さんの許可をもらったからって。PCを触っていたよ・・・」
それを聞いたひろみは、逆上したが、由美に今はだめよ・・と諭された。
そして
その同僚と一緒に課長へ説明をした。
「わかった・・・君の言うことが正しいなら・・・大問題だ・・・」
課長が言葉を続けた。
「君へのセクハラ行為だし、これは、会社の査問委員会にでもかけるべき案件になる
とりあえず、田中君は、しばらく、自宅で待機してくれ・・・」
「はい」
ひろみは席へ戻って、帰り支度をしていると
別の同僚の机の上をみて驚いた。
そこには、スポーツ新聞の芸能面が・・・・
「神原えみ 大胆 キス!!」という見出しと共に・・大きなキスシーンの写真が
相手の顔は、隠れているけど
どう見ても中村さん
ひろみは。力が抜けて、ガタッと椅子の上に落ちるように座った
「大丈夫?」と由美が声をかける・・・
「ええ・・・まぁ・・」
気のない返事をしたひろみ
「今週は、いろいろ迷惑をかけて、すみません。今日は退社いたします・・・」
ひろみは、家に帰った・・・・
ちょうど、その頃・・・
中村は、自分とえみとがスポーツ新聞に載っていることを知った。




