敗北・・・
発表まであと2週間
やることはやった。
まだ、中村は一人残っていた。
それを見たひろみは、
「まだ、いたんですか・・」
「ああ・・・」
「やることやったんですから・・」
「そうだな・・・」
「あとのは、祈るだけですよ・・・」
しかし
発表の結果は、残酷だった。
やはり2位だった・・・・
結局、2位だったか・・・
中村は思った。
「みんな、よくやった。今回も2位ですけど・・・」
「今から打ち上げ行きます。じゃぁあとで・・・解散・・」
一人残った中村・・・
それを見ていた・・・ひろみ
しばらく
その背中は泣いていると感じた。
やがて・・・
ひろみは、その切なさに思わず
「なかむら・さ・・ん」と声をかけた
「う・・ん 」
「お疲れ様でした。・・」
「あ・あ・・田中か・・・」
そして
中村はぼーっとひろみを見た。
「どうしたんですか・・・」
「いや・・・」
「今日の2次会、二人でソウルに行きませんか・・」
「どうしたんだい・・・」
「いやですか・・・」
「いや・・・むしろ・・ありがとう・・」
中村から少し笑みがこぼれた。
打ち上げ会
一同コップに飲み物を入れた後、
「みなさん・・・今日まで、本当にありがとうございました・・・」
中村が立ち上がり・・・
「それでは、かんぱーい。」
飲み会が始まった。
「それにしても、一番変わったのは、中村さんだな・・・」
「そうそう・・オタクからイケメンへ・・・」
「おいおい・・・そんなに変わったか・・?」
「なにいってんの・・結構、人気出てたのよ・・・」
宮部がいう。
「そうか・・・」
「ただ・・・田中さんとのうわさが出たから・・・」
「でも、お二人さん、結構お似合いでしたよ。」
「もう・・なにいってんの・・・」
少しうれしそうにひろみが言うと
「あ~まんざらでもないんじゃないの~」
みんながからかった。
「もう・・」
少しひろみは、怒って見せた・・・
打ち上げも終わり・・
「じゃぁお疲れ様でした。」
みんなが解散した。
そして、
ひろみと中村・・・
この二人が残ったというか・・・
まわりが残したのだった・・・
「じゃぁ、ソウルにでも行きますか。」
ひろみが言う。
「ああ・・・」
二人は、タクシーに乗り込んだ。
「どうして、ソウルへ行こうと・・・」
「前は、私が・・助けてもらったし・・・」
「えっ・・」
「それに、わたしもくやしいし・・・」
「そうか・・・」
ソウルについた二人は飲んだり、歌ったりして、たのしんだ・・・
とぼとぼ歩く二人・・・
「たなかさん・・・」
「はい・・」
「今日は、本当にありがとう・・・」
「はい・・もう少し一緒に歩いていいですか」
「ああ・・・」




