閑話 手紙のやり取り
今回はとても短いです!
お手紙のやりとりをお送りします✉️
『庭に綺麗な椿が咲いていたのでお見せしたかったのですが、今いる実家と王都は遠いので、手紙と一緒にお送りしても枯れてしまうと言われました……。代わりに椿の絵を添えておきますね! いつかソユン様とこの光景を一緒に――……』
そこまで書いて、メイメイは手を止めた。
そして、再度書き直す。
『……ソユン様とお会いしたいです。お祝いもしたいのです。いつなら――……』
また書き直す。
『……ソユン様のお家では、今どんな花が咲いているんでしょうか』
唇を軽く噛み、文面を読み返す。
上から下へ、何度か往復をして、ようやく封をした。
◇ ◇ ◇
ソユンが宮廷の一室で起き抜けにぼんやりしていると、自邸の使用人がやって来た。
ここ数日は、宮廷で寝泊まりしているのだ。
その間に届いていたらしい文の数々を手渡される。
振り分けられた手紙を確認しながら、ソユンはふと手を止め、仄かに笑みを綻ばせた。
黄色と紅のふかふかした模様が描いてある。
(文面からすると、これは椿かな。可愛い……)
最近うっすら気だるく過ごしていたソユンだったので、思わずその絵をぼうっと眺めてしまった。
――なんというか、癒される。
一度伸びをすると、軽やかに筆を執った。
『返事が遅くなってごめんね、今はまだ水仙が咲いているよ。東部にある別邸だと、そろそろ蝋梅がきれいに花開く時期かな。よかったら今度見に来る?』
書き終えてから少し首を傾げると、墨が乾いた頃に別の筆を手に取った。
さらさら、と滑らかに穂先を滑らせる。
◇ ◇ ◇
メイメイは宿舎の管理人から受け取った手紙を手に、小走りで自室に戻った。
ソユンからの手紙である。
息を整えながら封を切ると、すぐに清楚な水仙の絵が目に飛び込んだ。
本物を目の前で見ているかのような見事さで、メイメイは思わず指を添わせて堪能した。
そうしてそのまま文面に視線を移すと、不意に目が潤む。
ぼやける視界も気にせず一心にそれを見つめ、それからすぐに机へ向かった。
『ぜひ、ぜひ伺いたいです。いつならお会いできるでしょうか? ……早くソユン様と一緒にお花を見たいです』
すん、と鼻をすすって、手早く封をする。
それからまた急いで手紙を掴み、自室を後にした。




