表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/11

♥ 拝啓、僕はナイン皇子殿下です。


 は≪ モイクリンド大陸 ≫の中にある≪ サント()シーグ() ≫の中央にそびえ立つ立派なサントシーグ城の中庭だ。


 僕はアルラシール・モル・デュワス・サントシーグ。


 通称は “ アルス ” で愛称は “ アル ” の男子で、サントシーグ国皇の実子で九男だ。


 実父である国皇には正室の皇妃が1人と側室の側妃が4人もる。


 皇妃は自国の貴族令嬢から選ばれたそうだが、4人の側妃は他国から嫁がされてた王女ばかりなんだとか。


 僕の実母であるオリゴートゥル側妃の故郷は、北の隣国≪ ハベシュリ王国 ≫になる。


 お母様(オリゴートゥル)から聞いた話だと、北の隣国(ハベシュリ王国)の冬は極寒地獄で、春でも肌寒く、夏は涼しく、秋は小寒い故郷らしい。


 全くもって考えられない環境だ。


 ≪ サントシーグ皇国 ≫の気候とは、どえらい違いで信じられない事だけど、お母様(オリゴートゥル)からすると、≪ サントシーグ皇国 ≫の気候は天国並みなんだとか。


 サントシーグ国皇の側妃として嫁がされると聞いた時は相当悩んだらしいけれど、≪ サントシーグ皇国 ≫へ入国したら気持ちがコロッと(180度)変わったらしい。


 なんとも現金なお母様(オリゴートゥル)だ。


 そんなお母様(オリゴートゥル)父上(サントシーグ国皇)とのあいだに3人の子供を授かった。


 兄と姉と僕だ。


 兄と姉は双子で、僕とは6歳も離れている。


 僕が今年の6月(むつき)に12歳を迎えるから、兄姉は成人した18歳だ。


 ≪ モイクリンド大陸 ≫のりんみんは種族に関係無く、子供は15歳を迎えた翌月から成人となる事が〈 大陸の法則 〉で決まっている。


 ≪ サントシーグ皇国 ≫では、成人してから1年の準備期間を終えて、16歳を迎えると同時に結婚が許され、神殿の傘下である教会にて婚礼儀を執りおこなう事が出来る。


 妻を迎えて自分だけ家族を持つ事が可能になるんだ。


 長子の兄は由緒正しいぞの貴族令嬢と結婚しているし、長女の姉は他国の王子の元へ嫁いでいる。


 姉に関しては完全に国益を考えた政略結婚だ。


 次男の僕にも婚約者候補の貴族令嬢達と顔を会わせる機会が設けられる頃だろうか…。


 憂鬱だな…。


 激しく憂鬱だ。


 仮病でも使ってボイコットとか出来ないのだろうか?


 僕は九男だから皇位継承権第9位の立場だけど、だか昔から皇位継承権に対して興味が無い。


 ほかの異母兄弟達なんて、皇位継承権を狙ってギラギラしまくっているのに、僕は無関心で冷めきってしまっている事もあり、周りから浮いた存在になっていた。


 そんなわけで、僕は成人の儀式を済ませたあと、続けて皇位継承権放棄の儀式を執りおこないたい意向を父上(サントシーグ国皇)お母様(オリゴートゥル)に伝えてある。


 権力を求めて私腹を肥やしたい大人達の卑劣で醜いドロドロな権力闘争に巻き込まれて、の誰かも知らないやからから命を狙われて暗殺されるなんて真っぴら御免こうむりたい。


 だから、僕は11歳の足りないオツムをフル回転させて皇位継承権から解放される道を模索したわけだ。


 反対されて厳しく叱咤されるかと覚悟をしていたけれど、意外にもお母様(オリゴートゥル)からはと御許しを得られた。


 4人目を授かっているからだろうか?


 兎も角だ、ヒステリックにまくし立てられながら、長い説教込み込みで反対されなくてほんとうかった。


 心の底から安堵している。


 問題なのは父上(サントシーグ国皇)の方だ。


 これから成人する迄の3年間で皇位継承権を放棄する為に父上(サントシーグ国皇)を説得させないといけないからだ。


 ほかにも皇子がるんだから、僕1人が皇位継承権を放棄したからって問題はないと思うんだけどな…。


 父上(サントシーグ国皇)の考えが全くもって分かない。


 面子の問題なのかな??


 ちなみに兄は皇位継承権5位だったけど、16歳を迎えてぐに教会で婚礼儀を済ませるとそう(そう)に皇位継承権の闘争から離脱して行った。


 なんでも相手の伯爵には跡取りがらず、婿養子に入ったんだ。


 もと(もと)、跡取りはたらしいけど、事故に遭ってから病弱体質になって、3年前に他界したんだとか。


 運がいよ、兄さんは!


 伯爵へ婿養子に入った事で、皇位継承権放棄の儀式をおこなわずとも皇位継承権放棄を受理してもらえて “ ばいなら ” 出来たわけだからね!


 僕もいっその事、婿養子でも狙ってみようかな〜〜〜〜、なんちゃって??






 もう数日で12歳の誕生日を迎える日になるって時に、僕の身体からだに異変が起きた。


 僕は1週間ほど寝込む事になり、高熱と悪夢にうなされながら、生死のさかいをさ迷いながら臨死体験なるものをしたらしい。


 どうやら僕は、日本國…と呼ばれる異国人として生きていたようだ。


 小さな≪ 島国(日本國) ≫の中にあるけんさくぐんおおちょうなかっていう地域に暮らしている家があった。


 僕は一般家庭の中でも割かし裕福な暮らしをしていた子供らしかった。


 テレビ…と呼ばれる横に長方形な薄型の画面に映る動く映像を夢中になって見ていた。


 動く映像を見ていた最中に突如、大きな揺れが起きて──、だん(だん)激しい揺れに変わって──、部屋の中にある物が落ちたり倒れたりしてつぎ(つぎ)に容赦なく壊れていく。


 僕は激しい揺れの中、身動きが取れなくて──、割れて飛んでた窓ガラスで怪我をして、落ちてたオシャレなシャンデリアの下敷きになった。


 仰向けになった僕の上で落ちたシャンデリアが激しい揺れで動くたびに、僕の顔や身体からだを容赦なく傷付けた。


 揺れが続く中で、僕の意識は途絶えてしまったんだ。






 ハッ── (( ゜ロ ゜;; ──と意識が戻った僕は……ベッドの中にた。


 僕は……助かったのか??


 僕は……シャンデリアの下から救急隊員から救助されたのか??


 自衛隊員に助けられたのか??


 レスキュー隊員に助けられたのか??


 震度は分からないけれど、地震は収まったのか??

◎ 訂正しました。

  サラトシーグ ─→ サントシーグ

  10歳 ─→ 11歳

  11歳 ─→ 12歳

  4年 ─→ 3年

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ