↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の物語2  作者: 栗
16/16

とあるダンジョンでの一コマ

勇者が攻略するダンジョンだけが物語じゃない。

そんなダンジョンでの一コマ。

「マスター マスターはどこですー」


とあるダンジョンの奥深く。

マスタールームに一人の亜人が主を探しに入ってきた。


いつも寝ていたベッド、ダンジョンの様子を見るための監視水晶の前、寛ぎのソファーの裏、えっちな本を隠してる押し入れ。どこにも居ない。


「マスターお客さんが来てるのですー」


偽装魔法で岩壁に見せている扉の向こうにも見当たらない。


マスタールームに居ないのならダンジョンコアルームかと覗いて見たがそこにも姿は無かった。


「仕方のないマスターです。全く。お客様のお相手はマスターのお仕事です。それをサボるなんてダメなのです。」


マスタールームから大広間に繋がる少し長めの廊下を歩きながら、ここ暫く姿を見せないマスターに文句を言う亜人の姿は、いたく可愛らしかった。


◇


「申し訳ありません。今日もマスターは居ないみたいです。」


「マジかぁ、やっとここまで来たのに、ダンジョンマスター居ないって、ついてねー」


「ごめんなさいです。」


「あっ、君が悪い訳じゃないよ。てか、こんなカワイイ君が悪い訳がない!」


「ほんとです?」


「ホントだよ!こんな可愛らしい子を置いて、マスターは何処に行ったんだ!」


「ダンジョンは稼働しているので、何処かにはいると思うのです。」


「ダンジョンの機能で探したり出来ないの?」


「ダンジョンはマスターしか操作できないです。マスターが居なかったらマトモな食事も出来ないです。」


「普段何食べてるの?」


「わたしは食べなくても大丈夫なので、食べてないのです。」


「人じゃなかったかぁ」


「おもてなしも出来ずに申し訳ありませんです。」


「ダンジョンでのもてなしって、大抵バトルとか罠とかだから、食事が出ない程度は問題無いよ。でも何か飲めるものは欲しいな。」


「裏手に湧き水があるです。」


「飲めるの?」


「多分飲めるです。なんか少し光ってるけど、問題無いと思うのです。」


「それ飲んだら怪我とか病気とか治っちゃったりするやつ?」


「さぁ、わからないです。お客さんが来たのは初めてですし、わたしは怪我も病気もしないです。」


「もしかして生き物ですらないのかな?」


「一応生物の範疇です。違いはダンジョンから出ると崩れて灰になってしまうくらいです!」


「おっと、話が理解できなくなってきたぞ。」


「申し訳無いです。」


「それなら一度地上に戻ろうかな。」


「何か足りない物でも?」


「食べるものがね。ここで待つにしても少し足りないかなって。」


「食材ならあるですよ。」


「えっ?あるの?」


「はい。ドラゴン肉が冷温室にあって、お野菜も少しは残っているはずです。」


「マトモな食事できるじゃん。」


「かまどに火が入らないので、調理ができないんです。」


「あぁ、なるほど。」


「ドラゴンの肉は生で食べたら死んでしまうです。野菜も地上の野菜とは違うので、下処理が必要なんです。」


「下処理?」


「はい。襲って来ますから止めを刺さないと調理どころじゃないです。」


「、、、ふーん」


「それでもよろしければ提供しますです。」


「ドラゴンの肉は襲ってこないよね?」


「そこは大丈夫です。切り分けてありますので、心配ない、、、です?」


「うわぁ、確信はないんだ。」


「そういう訳でないのです、、、でも、火がないと死んでしまうですよ?」


「火も鉄板も鍋もあるから、そこは大丈夫。」


「じゃぁ、レッツドラゴンクッキングです!」


「野菜も多分討伐出来るだろうから、鍋にでもしますか。」


「楽しみなのです!」


「そうと決まれば話は早い、、、はずだった。」


まず野菜。

こんなダンジョンの最深部で採れる野菜。普通な訳がない。


「なんだこいつ、逃げやがって!、うわっ!罠仕掛ける野菜なんて聞いたことないんだけど!、いててて!血を吸われたんだけどぉぉぉ!!」


ドラゴン肉。高位のドラゴンらしく、切り身になってなお、その再生能力は失われない。


「1人分切り取ったら2人分位再生したけど、これ大丈夫?。ドラゴン復活したりしない?」


最後は水。少し光っていると亜人は言っていたが、快晴の草原よりも明るく輝いていた。


「あー。これは汲んじゃいけない気がする。何かやっかいな事が起きる気配がビンビンするんだけど、汲むしかないよなぁ。なんか水の大精霊とか出てきそうだよ。」


「せいかい。」


いきなり水が盛り上がり辺りをさらに眩しく照らした。


大きな水音が辺りに響き、盛り上がった水は徐々に人の形となっていった。


「わたしは水の大せいれい。」


「ほらね。やっぱり厄介な事になるよ。これ。」


「何しに来た。」


「あっ、いや少し水を分けて頂きたいなぁって、、、」


「だめ。」


「ですよねぇ、きっと貴方の寝床か何かなんでしょ?」


「体。」


「えっ?」


「私の体。」


「この水が?」


「そう。」


「まじかぁ」


「なににつかう?」


「ちょっと鍋を作ろうかと思ったんだけど、水が無いならバーベキューかなぁ」


「水ひつよう?」


「有ると嬉しいかな。」


「少しならわけてあげる。」


「えっ?でもこの水は、大精霊様の体なんでしょ?」


「せいかいした。」


「正解って?」


「わたしの正体。」


「?」


「入ってきてすぐに、水の大せいれいって。」


「あぁ」


「だから少し上げる。」


「いいの?」


「それといっしょ。」


指を差した先にはドラゴン肉があった。


「成る程確かにこれもドラゴンの体の一部か。ならこの鍋に半分程頂いても?」


「かまわない」


「ありがとね。これで美味しいお鍋が作れるよ。」


そう言いながら泉に近づき、鍋で水をすくい上げるた為に泉に差し込むと


「あっ」


「えっ!」


「スケベ」


「えっ!!」


「わたし一応女性。」


「まぁ、見た目はそうだよね。」


「そこはない。スケベ」


「え!!!」


「もっと考えて」


「じゃぁこの辺りなら、、、」


「あぁん!」


「あわわわ」


「そこはもっとない。」


「ごっ、ごめん!」


「しかもテクニシャン」


「えぇぇ!」


「あのぉ、宜しいです?」


入り口から訝しげに覗き込む亜人が居た。その頬は何故か少し赤らんでいる。


「お二人でお楽しみの所申し訳無いです。でも余り大きな声でされると、こちらとしても、その、、、」


「か、勘違いしないでくれ!俺は純粋に水を汲みたいだけだ!」


「人の子に蹂躙されて、純潔を奪われた。」


「人聞き悪いなぁ!」


「まぁ、人それぞれなのでどんなプレイも許容できますけど、あまり激しいのは、こっちも困るです。」


「あぁ!もう!!」


「あと、少し聞いてもいいです?


、、、マスター、ですよね?

」


「そう。私がダンジョンマスター、水の大精霊。」


「前とがちがうです。」


「落ちた。」


「えっ?」


「落ちたです?」


「どぼんと。」


「何やってるの?この大精霊様は!」


「照れる。」


「なして!」


◇


そこから大精霊の説明が始まる。

元々は水の大魔法使いで、なんやかんやでこのダンジョンを制覇。マスターになった。

ダンジョン関係者しか行けない場所を探索していたら、この泉を発見。興味本位でこの泉の水を調べていたら、足を滑らせて落ちてしまった。

そのあと姿を見せなかったのは、ずぶ濡れになったのが恥ずかしい事と、意外と居心地が良くて泉の中に長居していたとの事だった。


意外とくだらない真相を聞いた男は、鍋の用意をしながら呆れたように言った。


「で、大精霊になってたのか。」


「そう。」


「ビックリです!」


「しかも性別も年齢も変わって?」


「そう。」


「まじかぁ」


「マジ」


「でも、マスターが見つかって良かったです。」


「何か用事?」


「この人、お客さんが来ました。」


「知ってる。」


「ですよねぇです。」


「ここ本当にダンジョンの最深部なの?」


「間違いない。」


「ほのぼのしすぎじゃないか?」


「問題無い。で、貴方は何しに来た?」


「水を汲みに。」


「じゃなくて」


「あぁ、このダンジョンに来た理由?」


「そう。」


「そりゃ勿論、このダンジョンを踏破して、ダンジョンマスターを倒し、新たなダンジョンマスターになる為だよ。」


「そう。」


「だめなのです!マスターはマスターだけなのです!」


「かまわない。」


「えっ!」

「えっ!!」


「貴方と私でマスター。」


「2人で?」


「そう。」


「それなら大丈夫なのです。」


「いいの?!」


「いい。」


「ホントに?」


「ホントに。」


「問題ないの?」


「しつこい。」


「辛辣だな!」


「でも、ダンジョンに2人のマスターなんて聞いた事ないです。」


「マスターはあくまでも私。」


「意味がわからないです。」


「マスターの権限をある程度委譲する。大抵の事ができる。」


「やりたい放題しちゃうよ?」


「かまわない。」


「あっ、あの、マスターはどうなっちゃうです?」


「寝てる。水の中でのんびり。」


「俺はマスター代理みたいなものか。」


「そう。マスターは私。貴方はダンジョン関係者。マスターとして活動出来る。それでいい?」


「何か制限は?」


「権限委譲だけ。」


「それならまぁ、良いかな。」


「きまり。私は寝る。」


「わっ、私はどうしたらいいのです?!」


「今まで通り。対象はこの人。」


その言葉が放たれた瞬間亜人は目を閉じる。

再び目を開いた時には――


「承知しました。お客様を今からマスター代理とします。呼び方は?」


「マスター」


「承知しました。お客様は今からマスター。マスターは今後ハイマスターとお呼びします。」


「大丈夫。」


「承知しました。」


「なんか雰囲気違い過ぎない?」


「この子は特殊。」


「マスターお肉がそろそろ煮えます。食べごろです。」


「おっと忘れてた。」


「私を食べるの?」


「ちが、、、わないのか?

まぁいいか。ほら食べるぞ。」


◇


この3人が世界の常識をひっくり返すような、驚くような事をすかどうかは

今のところわからない。


このキャラの続きが読みたい!

この設定で書いてほしい!

登場人物をこんな感じで書いてほしい!


等ありましたら、気軽にコメントください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。