表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skill ascension   作者: Moii


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/2

出会い



足音。


ゆっくりと。


一定のリズムで。


何かが廃墟の中から近づいてくる。


アエリスは振り返った。


そして固まった。


影の中から、小さな姿が現れる。


彼は瞬きをした。


「……え?」


それは怪物ではなかった。


いや、正確にはそうとは言えない。


その生き物は、せいぜい50センチほどの大きさだった。


灰銀色の毛並みが、灰色の世界の光をわずかに反射している。大きな耳が左右に垂れ、ふわふわした尻尾がゆっくりと揺れていた。


青い瞳が、アエリスをじっと見つめている。


そこに敵意はない。ただ純粋な好奇心だけがあった。


小さな生き物は首をかしげる。


「ぴぃ?」



[解析中…]

[種族:ルミエル]

[危険度:なし]

[特徴:ネロス原生種。友好的。好奇心が強い。]



アエリスは黙ったまま、その生き物を見た。


そしてシステムを見る。


もう一度、生き物を見る。


「……さっきの音、こいつか?」


ルミエルはほっぺをふくらませた。


「ぴぃー!」


そして石の上に飛び乗り、


次の石へ跳び、


足を滑らせて、


そのままアエリスの足元まで転がってきた。


沈黙。


アエリスは一瞬固まったあと——


笑った。


久しぶりの、心からの笑いだった。


ルミエルは不思議そうに見上げる。


「ぴぃ?」


アエリスはしゃがむ。


「……危険じゃなさそうだな」


ルミエルはそっと小さな手をアエリスの手に置いた。



その瞬間。


体にわずかな熱が走る。


そして空中にウィンドウが現れた。



[条件達成]

ネロス原生生物との初の友好接触


[スキル取得]

▶ エンパシー(共感) Lv.1


効果:生物の感情や意図を簡易的に感知できる



アエリスは目を見開いた。


「……スキルだと?」


ルミエルは首をかしげる。


そしてその瞬間——


アエリスは“理解した”。


言葉ではない。


感覚として。


この存在に敵意はない。ただの好奇心だと。



もう一つのウィンドウが現れる。



[特殊条件達成]

初めてのリンク形成


[スキル取得]

▶ 直感コミュニケーション Lv.1




世界が静かになる。


そして——


声が響いた。


頭の中に直接。


「お兄ちゃん、へんな人だね」


アエリスは固まった。


「……喋った?」


ルミエルはゆっくり首を振る。


「ちがうよ。君が分かるようになっただけ」




静寂。


しかし今までと違い、この世界は少しだけ“温度”を持ち始めていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ