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女神(アイドル)たち舞い歌いて、邪を祓う  作者: 暇崎ルア
第3章 踏み鳴らす足、地を清め

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高天原と因幡 通話

「……はい、因幡です」

「やあやあ、因幡くん。高天原だよ~」

「お疲れ様です」

「は~い、おつかれ……って、本当に疲れてる声してるじゃん? 大丈夫?」

「そうですね、今日は色々とあったので」

「ほほーう、なるほどね」

「……話すのも面倒なほど疲れているのですが、あなたにもお伝えしておいた方がいいでしょうね」

「あっ、そうなの? じゃあ、教えてよ」


「——なるほど、静もだったか」

「あなたの方は知っていたんじゃないですか? 静の実家が陰陽師であるということは」

「いやー、全然知らなかったよ。あの子は下の名前だけ芸名だけど、『土御門』っていうのは本名だもんね」

「……ああ、そうでしたね」

「あの子が第六感持ちだってことは知ってたけどね~、じゃなきゃうちの面子に選んでないしさ。それに加えて、静が因幡くんより優れた術者だってことが証明されちゃったわけか」

「そういうことです」

「うちは逸材ぞろいだねえ。鼻が高いよ」

「あなたが得意げにならないでください」

「はいは~い……因幡くん、それでさあ」

「はい?」

「これって偶然なのかなあ? だとしたら俺、すごく怖いんだけど」

「何がですか? もったいぶらないでください」

「つい最近だよ、知り合いの刑事さんから似たような話聞いちゃったんだよ」

「……はあ」

「一か月ぐらい前の夕方だったかなあ、S区のダンススタジオ前で交通事故があったの知ってる?」

「——ああ、ありましたね。ニュースで見ましたし、茜と静が現場を偶然見たと言っていました」

「マジで? 教えてほしかったな、それ」

「すみません、関係があるとは思わず……」

「まあしょうがないか、茜たちからはあとで話聞かないとな——とにかく、信号無視した若い男の子が車に跳ね飛ばされちゃったってやつだったのね。重症から何とか一命は取り留めて、病院の人とか警察官とも話せるようになったんだけど様子がおかしいんだって」

「挙動が不審ということですか」

「うん。何もいない空間に怯えたり、『こっち来るな』とか話しかけたりしてたらしいんだな——それでも意識ははっきりしてるし、薬物検査も陰性だったからそういうのやってたわけじゃないっていうのはわかったんだけど。仕事とか色々聞いていったら出てきたんだってさ、例のバイトが。会社名は『ニュートラルトゥモロー』だったって」

「なるほど、また社名を変えてきましたか」

「で、その知り合いはバイトやってた職場に関しても聞いてみたんだって。その彼が働いてたのがS区のビルで部屋一室借りてやってたらしいんだけど、『変な神棚みたいなのがある部屋だった』っていう回答だったらしいよ」

「それも恐らく逆さの神棚でしょうね」

「そうだろうねー、俺も実際に見たわけじゃないけどさ」

「そのお知り合いの刑事さんは、ビルへの捜査はされたんですか?」

「もちろんしたみたい。でも、そのときにはもぬけの殻だったらしいよ」

「それから会社名の所在地があるところにも行ってみたんだって。実在するテナントビル内だったらしいんだけど、そんな事務所なんか存在しなかったってさ」

「なるほど、名前だけのペーパーカンパニーを何社も作っているわけですね」

「そういうこったね、まったく性質が悪いわ」

「自分たちではなく他の人間にやらせるところも悪意を感じます」

「わかる——特にさ、若者食いつぶすところが許せないよね。ホンマそういうの、俺嫌いやわ」

「同感です。調査はまだ続ける必要がありそうですね」

「そうだねー、引き続きよろしく!」

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