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【完結】転生極道は異世界でも家族をつくりたい  作者: 鎌宮 和明
第2章《思い出》鬼龍の春編
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春の罠

龍雅から母親のことを聞いた龍儀は一人自室で耽っていた。龍儀は産まれて間もないうちに母親を病気で亡くしてあるためほとんど母親を覚えていない。

「覚えているのはあの言葉・・・」



「龍儀、すべきが信じられなくなっても自分とその未来だけは信じ抜くのです。例え、私が極道の妻になっても悔いはありません。信じる未来が見えるのですから。」


「自分を信じる・・・か。」


翌日から龍儀の近くには海老名がいた。彼女は登校から下校の間、時間があれば常に龍儀にすり寄ってきた。

それは昼休みの屋上でも同じだった。

「栄先輩!今日は張り切ってお弁当を作ってきました!」

海老名は弁当箱を二つ持ってきてそのうちの一つを龍儀に渡した。龍儀は黙ってそれを食べた。この時、蛇谷と月影にバレないようにその様子を撮っている者がいた。



ある日、桜が自宅に帰るとポストに何か入っていた。封筒だった。桜はその封筒をとり、自分の部屋で封筒を開けて中を見ると写真だった。その写真は龍儀が海老名と一緒にいる写真だった。

「何よ、これ。」

桜は写真を見ていた。よく見ると海老名は楽しそうにしていたが龍儀はそれほど楽しそうではなかった。

「何がしたいのよ?」

桜は写真は龍儀が自分に見せつけるために撮ったモノではないと思いつつもしこれが本当に龍儀の意思ならどうしようか考えてしまった。

「まさか・・・ね。」

桜はしばらく写真から目を離してベッドに寝転んだ。しかし、いつまで経っても寝付けれなかった。



今日もまた海老名は屋上で龍儀と一緒に弁当を食べている。蛇谷と月影がその様子を見ていると桜が現れた。

「何やってるの?」

「あれ?桜ちゃん、どうした?」

「この写真。」

桜はそう言って例の写真を蛇谷に見せた。

「何これ?」

「昨日ポストに入ってた。」

「マジか。全然気付かなかった。」

蛇谷が写真をまじまじと見た。その写真は確かに蛇谷達が見た日の龍儀だった。しかし、蛇谷達は龍儀が撮られていることに気付いていなかった。

「これって多分、お前と龍儀の仲を裂きたいと思っている奴の仕業だな。」

蛇谷達が写真を見てみると今度は女子高生が蛇谷達のところにきた。

「あれ?陽雅翔じゃん!」

「あ~、愛夢美ちゃん!」

彼女は秋庭愛夢美。龍儀や蛇谷と同じ2-Aクラスの女子高生。ちなみに、龍儀と違って蛇谷はクラスの女子高生全然と仲良くなっているため彼女のことももちろん知っていた。

「何々?なんかあったの?」

秋庭は蛇谷達と一緒に龍儀を見た。龍儀は黙って海老名と一緒に食べていた。

「なんや、龍儀じゃん!まさか、龍儀に春が来るとは。」

「先に言っておくが龍儀は桜と付き合っているぞ。」

「別にそういうのじゃないから。」

「えっ、マジで!?不倫、二股!?初めて見た!」

秋庭はキラキラした目で龍儀を見た。

「どこに興奮してるんだ?」

蛇谷は秋庭を見て呆れていた。その間も桜は龍儀と海老名をジーっと見ていた。すると、海老名が龍儀から離れてこっちに向かってきたので蛇谷達はあわてて隠れた。

「では、栄先輩、また今度です!」

海老名が去っていくのを確認した蛇谷達はこっちに歩いてくる龍儀の方に顔を向けた。

「なんだ?いつも多いな。」

「楽しかった?」

「別に。」

真っ先に桜が龍儀に話かけた。龍儀は当たり障りのない回答をした後、気まずそうに教室に戻って行った。

「まぁ~、とりあえず様子見でいこう。」

蛇谷は桜の肩を叩いていた。


海老名が自分の教室に戻っている途中、ある男子校生がいた。その男子校生はこの前まで桜にたかっていた金浦康司だった。

「どうだ、海老名?」

「駄目でした。」

「ちっ。まぁいい。このままあいつと関係を作れ。あの女が孤立するようにな。」

「は、はい。」

そう言って金浦はお金を海老名に渡した。受け取った海老名は何も言わずにそのまま教室に向かった。

「これであの女が孤立すればよし。もししなかったらあいつを貶めればいい。」

金浦は不敵に笑いながら教室に戻って行った。

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