決意
《鬼龍の春編》開幕
龍儀がいつものように学校屋上に行くと桜がいた。龍儀がいつも通り近づいていくと桜が話かけてきた。
「昨日はありがとう。」
「いや、お礼を言うほどじゃない。」
「そう。ねぇ、あなたなら分かるんじゃない?私が誰の娘か?」
「その言い方だと俺が誰の息子かわかってるみたいだが?」
「お互い、仲良くなるには壁が多すぎるかもね。」
「壁ぐらいいくらあっても破壊して進むだけだ。」
龍儀は話ながらも桜に近づいている。そして、桜の前に立つと龍儀は桜の目を見つめた。桜も龍儀を見つめ続け、時間が過ぎていく。
しばらくして桜が口を開いた。
「しばらくは一人で考えさせて。自分で答えを見つけるから。」
そう言って桜は屋上から出て行った。龍儀はその後ろ姿をただじっと見ていることしかしなかった。
すると、蛇谷が龍儀を心配したのか近づいてきた。
「まぁ、よくあることだ。」
蛇谷が龍儀の肩を叩いて励ましている。龍儀は黙ったまま屋上から去って行った。
「そろそろ龍儀も腹を括った方がいいかもな。」
蛇谷もボソッと呟いた後、屋上から出て行った。
それからしばらくは龍儀は桜に話かけることはなかった。
ある日、龍儀が蛇谷と月影と一緒に帰りつくと龍雅達が神妙な雰囲気を出して座っていた。
「龍儀か。丁度いい。こっちに座れ。」
龍儀は言われた通りに座ると龍雅は話始めた。
「近いうちに警視庁の四課がこの街に来る。目的は十中八九、鬼城だろう。しかし、もしものために俺達も警戒態勢に入る。」
龍雅は組員達に注意喚起した後、龍儀と二人っきりになった。
「なぁ、龍儀。最近、彼女とはどうだ?」
「最近は話してない。」
「なんだ。フラレたのか?」
「いや、極道の息子と付き合っていいのか考えるだとよ。」
「そうか。」
龍雅はそのままタバコを吹かして部屋を出て行った。残った龍儀は仰向けに寝転んでしばらく考えていた。
同時刻、天倉市繁華街エリア
その一角にラブホテルがある。そのホテルの名前は《鬼ヶ島》。見た目は普通のホテルに大きく鬼ヶ島と書かれた看板があるホテルだが中は風呂場やダブルベッドが置かれている部屋から最上階にはSM器具がびっしり並べられている部屋まであった。
そして、ある監視室に鬼城がいた。鬼城は部下と一緒に監視カメラで来た客達の行為をポテトチップスを食べながら見ていた。
「兄貴、他人のS○X見て楽しいですか?」
「意外と面白いぞ。」
部下は少し引いていたが鬼城は気にせず観賞していた。すると、電話がなった。鬼城はすかさずスマホをとって出た。
「もしもし。」
「鬼城。」
「稲沢さん。」
「そっちに相島組の残りカスが向かった。さっさと掃除しろ。」
「了解。」
鬼城はそう言って電話をきった。
「兄貴、どうしましたか?」
「あぁ、うちに楯突いたくせにおめおめ逃げてきた奴らをゴミ箱にシュートしろってさ。」
そう言って鬼城は監視室から出た。そして、そのまま電話をかけた。
「小野寺、仕事だ。」
「なんですか?」
「ゴミ掃除のボランティアだ。ゴミの情報は後で送る。」
「分かりました。」
鬼城は電話をきった後、鬼ヶ島を出て繁華街に消えて行った。




