極道の息子と警察の娘
歌舞伎ライトパークから帰宅した龍儀は今日のことを早速、龍雅に報告した。
「その話なら筒井からきた。それと蛇谷がそこで関藤組の組長を目撃している。」
「関藤組って西のやくざだろ。」
「あぁ、西日本で猛威を奮っている3つの極道組織の内の一つが関藤組だ。その関藤組の組長がこっちに来たってことは奴らも関東に進出したいということだ。」
「どうするんだよ、親父。」
「もちろん、うちに宣戦布告した以上戦う。龍儀も気ぃ引き締めろ。」
「わかった。」
「そういえば、龍儀。」
「なんだ?」
「デートはどうだった?」
「ノーコメントで。」
龍儀は恥ずかしいのか何も言わなかった。
桜が帰宅すると一人の女性がいた。
「お母さん。」
そう、彼女は神室桜の母親で警視庁組織犯罪対策第四課の刑事、四課の獅子と呼ばれている神室百合だった。
「お帰り、桜。久しぶりに帰れたわ。」
百合はカレーライスを作っていて机には既に並べられていた。桜も椅子に座って百合と食事を始めた。
「今日はどうしたの?」
「有給休暇をとったの。あなたに会いたくてね。」
二人はカレーライスを食べ終えた後、食器を片付けて寛いでいた。すると、百合が桜に聞いてきた。
「桜、最近どう?」
「特に変わらない毎日よ。あ、でも気になる人は出来たかも。」
「へぇ、誰?」
「栄龍儀。」
その名前を聞いた瞬間、百合の顔が険しくなった。百合はそのまま桜のところにきた。
「ねぇ、その人ってどんな人?」
「そうね。優しい人だった。でも少し怖いかな。」
「どういうこと?」
「やくざみたいな人と知り合いみたい。」
「そう。桜、栄龍儀は栄龍組という暴力団の組長の息子よ。」
百合は桜の肩を掴んで諭すように話した。桜は黙って聞いていた。すると、百合は少し寂しそうに聞いてきた。
「ねぇ、桜。栄龍儀は好き?」
「・・・わからない。でも、父さんが亡くなってから男にはいい思い出がなかったから優しくしてくれたあの人に惹かれたのは確かね。」
「そう。私からは言えないわね。でも、何かあったらすぐにお母さんに言ってね。」
「わかったわ。」
百合は少し笑みをこぼして寝室に入って行った。桜は今日撮ったスマホのアルバムの写真を見た。そこにはこちらをチラッと見ている龍儀と自撮りしている桜が写っていた。
「ねぇ、私達は出会ったらいけなかったのかな?」
桜はじっと写真を見続けた。
同時刻
「龍儀、その女が好きなら臆するな。相手が警察の娘でも俺は構わねぇぜ。」
「親父、それより鬼城はどうするんだ?」
「もちろん、そっちも抜かりはない。龍儀、好きにしな。」
龍儀は部屋を出る時、龍雅の方を見て出て行った。龍儀が出た後、龍雅は一人でタバコを吸っていた。
「龍儀にはあぁ言ったがもしもの時は神室の娘には悪いが消えてもらうか。」
龍雅はタバコを吸ったまま神室百合の情報を見ていた。
此れにて出会い編完結です。
次からは鬼龍の春編です。
お楽しみに。




