集う勇士達
第1章《出会い》最終編《時空を超えた再会編》開幕
オルシアを出発してから4日後に龍儀達はセインクロスに着いた。
【セインクロス】大陸で一番大きい国、セイントガードの首都で国の中で最も大きい街でもある。その街には、各国からたくさんの人達が行き来しているので輸出入も多く、ここで手に入らない物はないと言われるレベルである。そして、その中心にはセイントガードの象徴であるセイン城とセインフィーネの本部がある。
龍儀達はセインクロスに着いたらすぐにセイン城に向かった。セインクロスは魔族が侵攻する可能性があるとして警戒態勢をとり、街の人達は既に避難し、街の中には屈強そうな兵士や冒険者達がいた。龍儀達が向かっていると周りの人達が龍儀達をジーっと見ていた。
「やっぱり、龍儀君の顔と格好はかなり目立つよね。」
「そうだな。」
「いや、みんなが見ているのはあなたよ。」
ローレライが龍儀を見ていたらキラリネが横から話をしてきた。
「あなたは危険な海賊のリーダーとして知られているんだからみんなあなたを警戒しているのよ。」
「あ~、なるほど。」
「なんか、軽いですね。」
龍儀達がセイン城に着いたらそこにディーネ達、アクアライトのみんながいた。ディーネが龍儀に気付くと駆け寄ってきた。
「龍儀!久し・・・ぶり。」
ディーネは龍儀の後ろにいるローレライを見た途端、顔を引き吊らせた。ローレライは笑顔で軽く手を振っている。
「な、ななななんであんたがいるのよ!」
ディーネの声に反応したラッガー達も龍儀のところに来たらローレライがいるので警戒した。
「おい、なんであん時の海賊がここにいるんだよ!」
「そういえば、言ってなかったね。」
ラッガー達が警戒していると、トルクラと一緒にモルガンがやってきた。
「彼女、ローレライ・セイレーナは栄龍儀の監視の元である程度の自由が約束された。」
「はぁ!?」
「大丈夫って。今は味方だから。よろしくね。」
驚いているディーネ達にローレライは軽く挨拶した。それでもディーネ達はローレライを警戒していた。
「無理でしょ。だってこいつ、龍儀を殺しかけたのよ!そんな奴が龍儀の仲間って!」
「ディーネ。気持ちは分かるわ。私達も同じだったから。」
「そうだぞ。リューギが決めたことだからもういいんだぞ。」
「龍儀はそれで大丈夫なの?」
「あぁ、あの時は互いに殺そうとしてたんだから仕方ない。それに俺の故郷には昨日の敵は今日の友という言葉があってな。過ぎたことはあまり気にしない方針なんでね。」
「龍儀がいいなら仕方ないわね。」
「サンキュー。」
「でも私はあんたのことまだ許してないから。」
龍儀達が話していると今度はドーベルやジョンソン達が近づいて来た。後ろにはレイシェルやイナリ達もいた。
「よぉ!久しぶりだな、龍儀!」
「ドーベルか。久しぶりだ。」
「やはり龍儀殿も呼ばれておったか。」
「久しぶりです、龍儀さん!」
「みんな元気そうだな。」
イナリをよく見ると剣ではなく刀を腰に差していた。
「龍儀さん、僕は龍儀さんみたいになりたいから武器は刀にしました!」
「そうか。」
龍儀がイナリと話しているのを見ていたドーベルがローレライに気づいた。首を傾げながらジーっとローレライを見るドーベル。すると、思い出したようにポンッと手を叩いた。
「お前、龍儀に負けた海賊じゃん。」
「なんか屈辱な言い方!」
ローレライが叫んでいるとレイシェルもジーっとローレライを睨んでいた。
「犯罪者ですよね。」
「元だ、元!」
「現在、絶賛刑罰を受けているところだ。」
龍儀がローレライの頭を撫でながらレイシェル達に説明していた。ローレライは抵抗せずニコニコしている。
「本当に信用できるの?」
「任せろ。」
リーフの質問に龍儀が答えるとローレライと向き合った。
すると、
「ローレライ、お座り。」
「はい。」
お座りするローレライ。
「ローレライ、お手。」
「はい。」
お手をするローレライ。
「ローレライ、おかわり。」
「はい。」
おかわりするローレライ。
「ローレライ、ぐるぐる。」
「はい。」
ぐるぐる回転するローレライ。
「ローレライ、ちんちん。」
「ごめんなさい。それは無理です。」
土下座するローレライ。
「・・・」
その光景を見た全員は言葉を失った。
「龍儀、お前って意外と鬼畜だな。」
「ちょっと、あの時のプライドはどこ行ったの?」
「なんか、ローレライに同情しそうなんですけど。」
「まさか、ここまでプライドを捨てるとは。」
「一応、最低限のプライドだけは残っているみたいだけど。」
みんなが各々の感想を言っていると龍儀はお座りするローレライの頭を撫でながらこっちを向いた。
「これで信用できるか?」
「信用じゃなくて同情ならできるわ。」
「龍儀、やってること奴隷と同じだぞ。」
場が気まずくなっていると壇上にレオナルドが昇ってきた。周りにはバーナードやミネルヴァ、マックスの他に各国のセインフィーネの支部リーダーらしき人達が立っていた。
「みんな、この日のために集まってくれてありがとう!今、この街に魔族が侵攻すると言う情報が入ってきた。君達にはその防衛を任せたい!もちろん、魔族が来ないことが一番いい!しかし、もしも侵攻してきた場合は私達と共に魔族からこの街を守り、平和を守ろうではないか!」
しばらくしてレオナルドの演説が終わると龍儀達のところにランスロットがやってきた。
「久しぶりだね。龍儀君。」
「お久しぶりです、ランスロットさん。」
龍儀はそう言ってランスロットからもらったペンダントを取り出して彼に見せた。
「これのおかげで俺は今もこうして生きています。ありがとうございます。」
「それは良かった。今回は私達セインフィーネも全力でこの戦いに参加する。もっとも魔族が来なくて無駄足になるのが一番いいんだがね。」
「全くもってその通りです。」
二人が話していると龍儀の後ろからオルガロッド達勇者パーティがやってきた。
「久しぶりです、龍儀さん。」
「オルガロッドか。久しぶりだな。」
「やっぱり龍儀さん達も来てくれたんですね。」
「まぁな。」
「また龍儀さん達と一緒に戦えるのは嬉しいです。」
「ありがとう。」
握手を交わしながら二人は話していた。シーナ達もライカ達と再会できたのが嬉しいようで楽しく会話していた。
「龍儀、お前知り合い多いなぁ。」
「いつの間にかこうなってた。」
龍儀は今まで出会った人達を見て何か懐かしむ目をしてドーベルと話していた。
その日、魔族が侵攻してくることはなく次の日を迎えた。
魔界、魔王城内部
ある一室に魔王六星神のメンバー達がいた。しかし、ウロフォロスとエロエラの間の席はまた空いている。
ドロドグロが最初に口を開いた。
「さて、準備は整った。いよいよ、セインクロスに侵攻する。」
「成功するかねぇ。」
「ダーネット、お前と違いワシは規模も戦力も桁違いだ。だろう、ライオット。」
「えぇ。」
ドロドグロに答えるようにライオットが現れた。
「やっと来たか。用事とやらは済んだのか?」
「えぇ。第1段階は終わっています。」
「第1段階だと?ライオット、何を企んでいる?」
「それはいずれ。」
鬼の男の問いにライオットはそう答えるとウロフォロスとエロエラの間の席に座った。
「ライ君、久しぶり~。」
エロエラの声に手を振って答えるとライオットは話始めた。
「この前、造り出した魔物やデッドリベンジャーの生産に成功。実験も上々。あとは実戦のみ。それをドロドグロさんが今回の戦争で試運転することになっています。」
「そういうことじゃ。」
「まぁいい。」
ドロドグロが部屋を出た後、ライオットも黙って部屋を出た。その後、鬼の男以外も部屋を出て部屋には鬼の男だけが残った。
「・・・人間は信用出来ん。」
一人残った男はボソッと呟いた。




