深まる謎
デッドリベンジャーが倒れた時
「な、殺られたぞ!」
「まだ改良の余地有りってところですね。」
ある場所にドロドグロとライオットがいた。ドロドグロはiPadでデッドリベンジャーが倒れたところを見て狼狽えていた。
しかし、ライオットは冷静にデッドリベンジャーを見ていた。
「では、私達も退くとしましょう。」
「な、折角ここまで来たのに何も得ずに帰ると言うのか!?」
「いえいえ、得る物はありますよ。」
そう言ってライオットはiPadを使ってドロドグロにある物を見せた。
「なんだ、これは?」
「デッドリベンジャーの設計図みたいなモノです。」
「なんだと!」
「0から1を作るのと1から100を作るのとでは全然違う。このデータさえあれば、デッドリベンジャーの量産は可能です。もっとも、本来のデッドリベンジャーになるかどうかは分かりかねますが。」
「よくやった、ライオット!これさえあれば!」
「では、撤退しましょう。一応、撹乱用の魔獣は放っておきましたけどいつまでもつか。」
「あぁ、そうしよう。」
二人はそのまま姿を消した。
右頭部が吹っ飛び、倒れて動かなくなったデッドリベンジャーを見たハーミィは驚きを隠せずにいた。
「な、まさかデッドリベンジャーがやられるなんて。」
ハーミィを見た龍儀は拳銃をハーミィに向けた。
「ま、待って!まさか、レディに撃たないよね!」
「俺にとってのレディの定義は御淑やかで清楚な女性だ。兵器を作る女のどこがレディなんだ?」
「や、やめて・・・」
涙目になっているハーミィに向けて龍儀は拳銃を撃った。
弾はハーミィの横を通り、後ろの壁に命中した。
「まぁ、俺も女の子を撃ち殺す覚悟がないからこれで許してやる。俺はな。」
そう言って龍儀は泡を吹いて気絶しているハーミィを連れてライカ達と一緒に施設を出た。
途中、気絶している傭兵達も確保しながら出ると、砂浜に謎の生物の死骸があった。
「何これ!?」
「これ、私が倒した奴じゃん!」
そう。その死骸はローレライが倒した魔獣と同じだった。龍儀はその死骸をよく見た。
「どうしたの、龍儀?」
「こいつら、射殺されている。」
「え!?」
「それも俺の持っている拳銃より強力な銃でな。」
死骸は全て見事に頭を撃ち抜かれていた。
「でもこの辺りにそんな武器はないよ。」
「えぇ、一応この施設の中を探したけど見つかったのは龍儀が持っているような奴ばっかりね。」
リチェリアやキラリネが死骸を不審に思っていた。それはこの場にいる者全員がそうだった。
その後すぐにキラリネ達は出航の準備をした。その間、龍儀は何かを探していた。すると、一本の木に埋まっている何かを見つけた。それは、拳銃の弾より大きな弾丸だった。
(まさか、な。)
龍儀は最初に来た方向、オルシアをじっと見続けた。
オルシア
「気づいたみたいだな。」
「そうか。さすがだな。」
島から約700m離れた場所に二人の男がいた。一人はシルフェウスで龍儀達を救ったマント姿の謎の人物。もう一人もマント姿でわからないが伏せた状態でSVDという狙撃銃を構えていた。
もう一人の男はスコープから龍儀を見ていた。そして、笑って狙撃銃を片付けてその場を去った。その後を追うようにもう一人も消えた。
「もうすぐで会える。」
オルシア
港に着いた龍儀達はモルガンのところに行った。
「どうだった、龍儀?」
「詳しい話はあいつから聞いた方がいいが、どうやら近いうちに魔王軍が攻めてくる可能性が高い。」
「なるほど、わかった。それと、彼女はどうだった?」
「ん?あぁ、ローレライか。役にたったよ。仲間思いな奴みたいだしな。」
「そうか。」
龍儀から聞いたモルガンは龍儀を少し待たせた後、戻ってきた。
「龍儀、大事な話がある。君の仲間とローレライを連れて来てくれ。」
「あぁ、わかった。」
龍儀はモルガンに言われた通りにみんなを連れて来た。
「どうしたの、モルガンさん?」
「実はみんなに提案がある。ローレライを君達のパーティに加えてくれないか?」
「え?」
「えぇー!?」
モルガンの提案にローレライやライカ達はびっくりした。
「な、ななな何で!?」
「何で、こいつを龍儀と一緒のパーティに入れるのよ!」
リチェリア達がモルガンに詰め寄ったがモルガンは冷静に答えた。
「さっき上と話したところ、彼女は牢屋に入れるより龍儀の仲間として監視する方がいいと言われてね。もちろん、これからローレライが龍儀のところで活躍する度に仲間の刑を軽くする約束付きだ。どうだ、ローレライ、龍儀?」
モルガンは事の経緯を話し、二人に問いかけた。
「私はお願いしたい。仲間の命が懸かっているし、龍儀君のところなら私としても嬉しい。」
「ちょっと待って。龍儀、私は反対よ!」
ローレライは賛成したが龍儀が答える前にルリカが反対した。言葉に出してはないがリチェリアやライカ、グレンもルリカと一緒で反対みたいだった。
「・・・確かにみんなの意見も分かる。しかし、これから激化するかもしれない状況で彼女の強さは欲しいのも事実だ。だから、俺は迎え入れるつもりだ。」
龍儀の答えに不服そうな顔をするリチェリア達。ローレライもばつが悪そうに目を背けた。
「わかった。上にはそう報告する。それと、もしものためにローレライの処刑の権利は龍儀に渡すものとする。」
「え?」
「もし、ローレライが何か仕出かしたらすぐに処刑して構わん。」
「えぇ~!?」
「仕方ないわね。その条件なら賛成するわ。」
「私も。」
「ちょっと!」
「わかった。」
「龍儀君!?」
こうして、ローレライは龍儀達の仲間になった。
それが決まるとキラリネが龍儀達のところに来た。
「ねぇ。今、大丈夫かしら?」
「どうした、キラリネ。」
「魔族の狙いがわかったわ。」
「何!?」
「龍儀君が捕まえた女の子があっさりはいたのよ。魔族は戦力が整い次第、セイントガードの首都、セインクロスに攻め込むつもりよ。」
キラリネがハーミィから得た情報を龍儀達に話した。
「信憑性は?」
「かなり高いわ。あの島は魔族が魔獣や兵器を作るために造られた研究所で高度な転移魔法が組み込まれていたわ。あの女の子は能力を買われて働いていたから全部はわからないみたいだけどあの魔獣兵器が完成したらこの街で実験する手筈だったと言っていたわ。」
「なるほど。」
「そして、それを支援したのはライオットと名乗る男よ。」
「何!?」
「あぁ、あの気持ち悪い仮面を付けていた奴か。」
ライオットの名前が出たことで龍儀達は驚きを隠せなかった。ローレライも戦っていたうえ、記憶に残るような仮面を付けていたのでよく覚えていた。
「知っているのか、龍儀?」
「あぁ、メナールやアラビスタウンの奴隷オークションにいた奴だ。あいつ、魔族だったのか?」
「それはないわ。あの時、戦ったけど明らかに人間よ。でも、人間が魔族と一緒にいるのもおかしいわね。」
「えぇ、そうね。それと、そのライオットが傭兵達を雇ったり、龍儀が持っている武器を提供していたみたいね。」
「武器、これか?」
そう言って龍儀は拳銃を見せた。
「えぇ、それよ。それと、あの施設の設備もライオットが提供していたみたいよ。」
「ってことはライオットって奴は龍儀と同じところから来た人間だよね?」
「普通に考えたらそうなるな。」
龍儀はローレライの質問にそう答えたが何か引っかかるようでじっと拳銃を見ていた。
それを気になったライカが龍儀に語りかけた。
「どうしたの、リューギ?」
「もしかしたら、そいつは俺が知っている奴かもしれない。」
「え?」
「それより今は魔族がセインクロスに侵攻するのを食い止めることが先決だ。」
「そうだ。もちろん、各国から援軍をセインクロスに向かわせる。龍儀達も向かってくれないか。」
「わかった。」
龍儀達はモルガンの要請でセインクロスに向かうことになった。
「足なら任せて。早い馬車を用意するわ。」
「わかった。」
その日は一日中、魔族の侵攻に対する援軍の要請や準備などで忙しくなった。
そして、翌日
龍儀達はキラリネ達と一緒に街に最低限の防衛戦力を残してセインクロスに向かった。
「龍儀君は魔族と戦うの初めて?」
「いや、前に魔王六星神と名乗る魔族と戦ったことがある。」
「それは心強いわね。」
「まぁな。」
龍儀達はセインクロスに向かっている。その後を例の二人がついていった。
「やっと会えるな。」
「あぁ、再会は劇的に行こう。」
「もうすぐだな、親父。」
此れにて悪魔の孤島編完結です。
次からは第1章《出会い》最終編となる時空を超えた再会編です。
お楽しみに。




