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Sランクパーティから追放された回復支援職、俺がいなくなった途端に全員死にかけてるんだが? ~追放ざまぁから始まる、戦わない最強支援職の物語~  作者: 山奥たける


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第70話 その先へ

 山を下る道は、静かだった。


 救助は終わり。


 煙も消え。


 残ったのは、整えられた地面と、いくつかの新しい杭だけだった。


 村は、ゆっくりと日常に戻ろうとしている。


 完全ではない。


 だが。


 前に進んでいる。


 ミナトが歩きながら言う。


「終わりましたね」


 その言葉には、少しだけ実感がこもっていた。


 長かった。


 疫病。


 混乱。


 議論。


 そして、今回の事故。


 全部が繋がっている。


「終わってない」


 俺は言う。


 ミナトが苦笑する。


「ですよね」


 分かっている。


 これは一区切りでしかない。


 道の途中だ。


 少し後ろで、リオネルとノアが何かを話している。


 記録の話だろう。


 セラフィナは神官たちと静かに祈りを捧げている。


 アルヴェインは兵士に指示を出していた。


 それぞれが、それぞれの役割を果たしている。


 誰か一人ではない。


 それが、この物語の答えだった。


 ミナトがふと立ち止まる。


「レオンさん」


「なんだ」


 振り返ると、少しだけ真剣な顔をしていた。


「俺」


 一拍。


「ちゃんとやれてましたか」


 あの時。


 坑道での判断。


 助けられなかった一人。


 そのことだと分かる。


 俺は少し考える。


 そして言った。


「現場で決めた」


 ミナトが息を止める。


「それでいい」


 短い答え。


 だが、それがすべてだった。


 完璧な答えはない。


 だが。


 止まらなかった。


 それが重要だ。


 ミナトはゆっくり頷く。


「……はい」


 もう迷いはない。


 完全ではないが。


 確かに前に進んでいる。


 村を抜けると、広い空が見えた。


 道は続いている。


 どこまでも。


 その先で、若い支援者たちが待っていた。


「報告です!」


「隣村で発熱者が出ました!」


 ミナトが振り返る。


 俺を見る。


 そして、少しだけ笑った。


「行きますか」


「ああ」


 答える。


 特別なことではない。


 それが日常だ。


 支援は続く。


 問題は終わらない。


 だから。


 動き続ける。


 リオネルが少し離れた場所からこちらを見る。


「まだ続けるのですか」


 静かな問い。


 俺は答える。


「終わらない」


 リオネルはわずかに笑った。


「非効率ですね」


「そうかもな」


 否定はしない。


 だが。


「回る」


 一言。


 それだけでいい。


 ミナトが先に走り出す。


「先行きます!」


 若い支援者たちも続く。


 誰も止めない。


 指示もない。


 それでも動く。


 それが構造だ。


 俺は少しだけ空を見上げる。


 青い。


 何もない。


 だが。


 確かに変わっている。


 この世界はもう。


 一人では救わない。


 制度だけでも救わない。


 奇跡だけでも救わない。


 人が動き。


 仕組みが流れ。


 すべてが繋がって――


 回っていく。


 そして。


 俺がいなくても。


 その構造は、止まらない。


 ミナトが遠くで振り返る。


「レオンさん!」


 手を振る。


 俺は軽く手を上げた。


 それでいい。


 もう、回っている。


 道は続く。


 どこまでも。


 そしてその先にも。


 きっとまた、誰かが困っている。


 だから。


 行く。


 それだけだ。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。


この作品は「追放された支援職が無双する話」から始まりましたが、

書いていくうちに、気づけば


「一人ではなく、仕組みで救う物語」


になっていました。


最初はただの追放から始まった物語が、

気づけば国家や神殿、そして世界の在り方にまで広がったのは、

読んでくださった皆さんのおかげです。


正直、この作品は少し変わっています。


派手な戦闘よりも、

誰がどう動くか、どう繋がるか、

そんな「構造」を描くことを大事にしました。


それでもここまで読んでいただけたなら、

きっとこの世界の「動き」が少しでも伝わったのかなと思います。


――そして。


物語は、まだ終わっていません。


この先、世界はさらに広がり、

「救いの形」はもっと複雑になっていきます。


もしよければ、

これからもこの物語を見届けていただけると嬉しいです。


感想・ブックマーク・評価、とても励みになります。


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。


――次の現場で、またお会いしましょう。


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