第29話 歴史
戦争から帰って参りました。
復活が少し延びてしまいました。
申し訳ない。
「なあ、この"たいむすりっぷ"ってなんなんだ?」
タイムスリップ それは俺がこの時代へとやって来た原因である。この時代に来てからも何人かタイムスリップしてきた者たちと会ってきた。
タイムスリップした人同士は引き寄せられているのか?と思うほどの遭遇率だ。
「とりあえずどん兵衛、お前は速く用意を済ませて江戸城へ向かうんだ!なんてったってあの『大老』井伊直弼様直々のご依頼だ!早急に行け!」
俺は宿舎へ戻り、用意を済ませた。
「いいか?くれぐれも粗相の無いように!」
「わかってますよ。それでは行ってきます!」
「お土産待ってるぞー」
「旅行じゃねぇんだよ!」
「ここが江戸城・・・デカいな。」
現代の皇居に当たる場所、江戸城
一度も行ったことがないが、まさか健在していた時代に来れるとは、タイムスリップも案外良いものである。
「すみません。大老殿にお呼ばれされたのですが、開けてくれませんかね。」
「許可書を提示しろ!さもなければ一般の者は立ち入れんぞ!」
「困ったな・・・許可書なんて貰ってないぞ・・・」
そのとき、
「おい、その者を通してやれ。」
「あ、貴方は五月蝿様!た、ただいま!」
「いや~すみません、すみません。呼んでおいてご迷惑を掛けてしまい、お出迎えが出来なくすみません。」
「いいですよ。謝って貰わなくても、」
「いやいや、こちら側に非がございますので、報酬の方色つけさせといてもらいます。」
「そこまでですかね。そんなことより!井伊直弼様の方に案内して欲しいんですが・・」
「あ、申し訳ございません!それでは、私の方に着いていってください。くれぐれもはぐれないように。江戸城は広いですから。」
「初めて来た場所でうろちょろしませんよ。」
俺は五月蝿さんに連れられて江戸城の中へと入る。
流石江戸城である。今まで見た建物の中で一番の豪華さを持っている。
所々へ金があり、まばゆく、優美であった。
そこそこ歩き俺は大老の部屋へと案内された。
「こちらの奥に井伊直弼様がおられます。それではあとは全てそちらで話されると思いますので、私はこのへんで」
「ありがとうございました。」
緊張の瞬間であった。この先にあの超有名かつ、同じくタイムスリップして来た人がいる。
俺は襖をノックした。
コン、コン、コン
「どうぞ。」
俺は襖を開ける。
そこには着物を羽織り、座って書類らしき物を見る中年のおっさんがいた。
「ようこそ!ささ、こちらへ。」
俺は井伊直弼の机を挟んで前に座った。
「よくいらしてくれました。私この時代では一応、『井伊直弼』を名乗らせてもらっています。
元の時代では国務大臣をしていました。」
「それは凄い経歴ですね。」
「貴方は何を・・?」
「私は学生でした。」
「成る程、いいですね、青春ですね、輝いてますね。」
「あの~、世間話もいいんですけど本題の方について話していただけると・・・」
「ああ!その件ですね。それでは今回の依頼のほうなんですけども、実は今日本が開国するかしないかで幕府内で大変揉めているんですよ。」
「なるほど、それで何故僕に?」
「実はもう学校で習った歴史なんて覚えていませんからね。この場合どうすればよいか教えて貰いたくお呼びしました。」
「なんで僕がタイムスリップしてきたって解ったんですか?」
「家臣から町の呉服屋に変わったそろばんを使う人がいるという噂を聞きましてね、そのそろばんの特徴を聞いてみれば電卓じゃないですか!と、いう過程がございまして、貴方がタイムスリップしてきた人だとなりました。」
「はあ~成る程、僕も結構噂になってたんですね。」
「まあ、世間話もここらへんにしまして、それではお聞きします。日本は開国するべきなのでしょうか・・・?それともしないべきなのでしょうか・・・?」
「日本は・・・・・・・・・・・・開国・・・・・・・・・・・・するべきです!」
こんなに休んだのに見てくれていて
ありがとう。
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