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帝國大戦〜枢軸殲滅!!最終決戦を勝利せよ〜  作者: 007
第1章 開戦

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第2部 アカ狩り

1941年11月1日午前10時

大日本帝國帝都大坂内務省4階警備局局長室



「ようこそお越し下さいました。どうぞ、お掛け下さい。」

「有り難うございます。失礼します。」


枡田綾警備局局長に言われ、本下美緒日本警備保障株式会社社長がお礼を言い、桜田恵里菜警備第1部部長と共にソファーに座った。


「重ね重ね、今回は有り難うございます。」


そう言うと枡田局長は立ち上がり頭を下げた。それをされた2人は慌てて立ち上がった。


「頭を上げて下さい。」


桜田部長が催促した。それを受け、枡田局長は笑いながら頭を上げた。


「局長はただの局長ではないんですから、それにその姿を全国の警察官が見たら卒倒しますよ。」

「それもそうですね。」


本下社長の言葉に枡田局長は更に笑った。本下社長の言う通り、枡田局長はただの局長では無い。

内務省警備局はそんじょそこらの役職よりも権限がある。内務省警備局は全国の警察を管轄下に置く『警備部』、捜査権のみを持ち共産・社会主義者や反政府・反国家活動を調査する『特別高等警察部』、各都道府県を超えて行われた犯罪を捜査する『広域捜査部』等を有する。その為警備局は内務省の1部署でありながら省庁に匹敵する予算と権限があるのである。権限の大きさ故に内務省外局の『警察庁』として独立させる案が度々出るが、内務省の存在意義を揺るがすと内務官僚の反対によりそれは頓挫している。その危機感は大きかった。国防総省が設立されるまでは大日本帝國最大の省として君臨し、『省庁の中の省庁』であったが国防総省設立とそれに伴う内務省からの分離独立により内務省の権威は低下していた。内務省から教育局と農林局・水産局・土木局が教育省・農林水産省・国土交通省として独立。それでも内務省には衛生局(病院医療や衛生防疫等を担当)・社会局(年金や社会保険等を担当)・地方局(地方行政等を担当)等が警備局以外にあるが、やはり総予算では警備局が有していた。


「それで局長、今回お呼びになられた理由でありますが。」

「そうですね。それでは本題に入ります。」


本下社長に質問され枡田局長は一転して真面目な表情を見せた。


「本下社長、単刀直入に言います。御社に大幅な警備業務拡大の要請を行いたいと思います。」

「!?」


枡田局長の言葉に本下社長と桜田部長は驚いた。さて本下社長の会社について説明すると、『日本警備保障株式会社』は鈴木商店傘下の『民間軍事警備企業(MGKK)』である。世界初の民間軍事警備企業であり、1927年に設立された。設立経緯は1923年に治安維持法が制定され特別高等警察が設立された事に由来する。治安維持法はソ連建国による共産・社会主義者増加に対応する為に帝國議会で可決されたが、寧ろこの治安維持法制定により共産・社会主義者が増大する一因となった。ソ連は第二次世界大戦終結後、連合国各国の帝国資本主義を徹底的に糾弾。治安維持法制定の同じ年よりソ連は国際共産主義運動事務局(コミンテルン)を使い、連合国諸国の労働組合運動や社会主義政党の活動に影響を与えていた。しかしその活動も内務省警備局が厳しい取り締まりを開始。だがそれら組織もコミンテルンからの支援を受け、重武装を施しており拳銃だけの警察力では対抗出来なくなってきた。そこで内務省警備局は1926年に国防総省陸軍庁に要請し、陸軍部隊を用いて組織の壊滅を行ったのである。しかしそれは世論の大きな反発を招いた。報道機関は『女帝陛下の赤子を、帝軍の手で弾圧した』と糾弾したのである。この判断には内務省首脳部も『国家を割る恐れがある』としていたが、当時の警備局局長が強硬した結果であった。この事態に帝國議会は内務省警備局の改革を行った。通常の警察装備は1888式輪胴(リボルバー)式拳銃と日本刀と変更は無かったが、新たな部隊が新設された。まずは一般人や非武装集団のデモに対する『機動隊』を新設。この機動隊には隊員各自に金属製盾に籠手や臑当て・軽量抗弾着・鉄帽・防毒面(ガスマスク)が支給され、警棒と盾・催涙弾により暴徒を鎮圧させる事になった。更に陸軍に要請する切っ掛けとなった武装集団に対する部隊として『特殊火器戦術部隊(TKSB)』が新設された。1888式輪胴式拳銃だけで無く1式半自動小銃・40式短機関銃・1935式軽機関銃・1920式重機関銃や1式甲狙撃銃を装備し、更に陸軍の装甲車を装備する事となった。このTKSBにより『銃撃戦も辞せず』の構えを表明し、徹底的に鎮圧する方針を打ち出した。警察の重武装化がこれにより成された。これらを受け、一般国民の間に普段からの警戒の重要性が認識され、警備会社の需要が急激に伸びたのである。

これに帝國政府が着目し通常警備だけで無く、重武装を行い警察や軍に変わって敵を制圧出来る実力を持たせるべきだと考えた。そして1927年に帝國議会で『民間軍事警備企業承認法案』が可決。内務省警備局と国防総省国家安全保障局の協同審査により承認された企業が、民間軍事警備企業として設立出来るとの厳しい内容から民間軍事警備企業を設立したのは鈴木商店だけであった。しかし1度民間軍事警備企業の承認を得れば年4回の査察を受ける条件があるが、琉球油田警備や国鉄の主要駅・発電所の警備を請け負う事になった。当然ながらこれらは国家からの仕事である為、確実性のある仕事であった。しかも一般会社や華族等の護衛も請け負い、その業務は大きかった。更に国防総省からも各国に駐留する帝軍の兵站・整備の一部をも委託されていた。

そして今回その業務から更に拡大すると言われたのである。2人が驚かない訳が無かった。


「現状は警備が主任務ですが、私達警察や軍警備隊との協同作戦を行って欲しいと思います。」

「なるほど。」


本下社長は枡田局長の言葉に頷いた。軍警備隊とは陸軍憲兵隊・海軍警邏隊・空軍保安隊・騎兵隊治安部の総称である。


「まだまだ共産・社会主義者は勢力を保っています。一時は下火になりましたが、第三次世界大戦開戦を受けて活動を再開した組織もあります。帝國全土を広く取り締まるには是非とも御社のお力を利用しない手はありません。」

「確かにそうですね。全域を隈無く取り締まるには時間と人員は幾らあっても余ることはないですからね。」


桜田部長が溜め息を吐きながら答えた。


「そう言う事です。後日正式に帝國政府から要請があると思います。その間に戦略を練って下さい。」

「了解しました。本社に戻り次第、会議を開きます。」

「宜しくお願い致します。」


枡田局長はそう言うと立ち上がり本下社長に手を差し出した。本下社長も立ち上がりその手を握った。固い握手を交わすと、2人は笑顔を見せた。








同時刻

首相官邸2階総理執務室


「さて、現状は大いに厳しい。」


東久邇宮総理はそう言うと、目の前に立つ部下達を見詰めた。中澤国防大臣以下、仲谷軍令部総長・金井参謀総長・仁藤幕僚部総長・藤咲騎兵隊総長は珍しく機嫌の悪い東久邇宮総理に困惑していた。まあその理由も分からなくは無い。


「カナダがアメリカに併合され、クレタ島にも上陸された……」

「誠に遺憾ながら。」


東久邇宮総理の言葉に中澤国防大臣はそう答えるしか無かった。開戦から約1ヶ月。枢軸国側の侵攻は衰える処か、益々侵攻の度合いを強めていた。現在第三次世界大戦は大きく分けて3方面で戦いが行われている。第1は太平洋戦線である。アメリカ合衆国の台湾奇襲で勃発した太平洋戦線だが、現状睨み合いに突入している。ガダルカナル島を餓島にする作戦は進み、潜水戦隊の海上封鎖と空軍の爆撃が効果を表しているが、現在はそこで停滞している。この間大日本帝國は戦時増産体制に移行し、大増産を行っており、新型兵器の開発も同時進行していた。その間に太平洋で侵攻を停止していたアメリカ合衆国はカナダへの侵攻を開始。南と西から同時侵攻を受けたカナダは敗退を続けた。アメリカ合衆国はアラスカ州をロシアから購入した時からカナダ併合を画策しており、事実上院議員にはカナダ併合を明言する者もいた程である。その念願とも言えるカナダ併合をアメリカ合衆国は目指し、カナダへの侵攻を開始したのである。カナダは残念ながらアメリカ合衆国の侵攻に対抗出来る軍事力は無かった。かつてデトロイトへの武力制裁に参加したカナダは、その報復に燃えるアメリカ合衆国の侵攻を防げなかった。カナダ首都オタワがあまりにもアメリカ合衆国に近いのも悲劇の1つであった。

アメリカ合衆国陸軍航空隊の爆撃によりオタワは瓦礫の山となり、政府首脳部も死亡。これによりカナダ軍の士気は大幅に低下。アメリカ合衆国は傀儡政権を樹立しカナダ併合を認めさせ、『カナダ州』として併合したのである。それが10月24日の事である。これに激怒したのが大英帝国であった。大英帝国連邦の一員を併合したアメリカ合衆国を叩き潰すと宣言したのである。だがその大英帝国も苦境に立たされていた。

それが第2の欧州戦線である。大英帝国はドイツ第三帝国の空襲が全土で始まっており、それを迎撃するので精一杯であった。海軍もUボートに封じ込まれており、局面を打開するに至っていない。既にオランダ・ベルギーが陥落し、大英帝国で亡命政権を樹立していたが両国では枢軸国側の傀儡政権が誕生し、欧州は益々苦境に立たされた。欧州大陸に於ける連合国第二神聖ローマ帝国とポルトガル帝国も善戦していたが、第二神聖ローマ帝国は既に北部を占領され、政府・王室・教皇庁はナポリに移動。ポルトガル帝国はリスボン周辺50キロを残すのみとなり、『リスボン円陣』と呼ばれ全土陥落も時間の問題となった。スペインがジブラルタルを占領し地中海を封鎖した為、第二神聖ローマ帝国支援を行っていた大日本帝國海軍地中海艦隊だがドイツ第三帝国のクレタ島上陸の報を受け、クレタ島に撤退している。クレタ島にはドイツ第三帝国陸軍は3個空挺師団と2個師団を、ギリシャ陸軍も5個師団を投入した上陸作戦であった。更にドイツ第三帝国はオスマン帝国へ侵攻。2個軍団の侵攻にオスマン帝国は押されており、帝都アンカラの陥落も間近であった。そして第3のロシア戦線であるが、ソ連陸軍の猛攻撃に連合軍は圧倒されていた。ソ連は更に中央亜細亜にも侵攻を開始。イラク・イラン・シリアが枢軸国側に靡く気配を見せていた。

このように東久邇宮総理を不機嫌にさせる要因は多々あった。


「何か朗報は無いの?大本営報道部は毎日生放送で電映機(テレビ)に出てるけど、一言目が『誠に遺憾ながら』としか言って無いわよ?国民の間には明日にでもアメリカが上陸作戦を開始して来るとか、爆撃されるだのとの噂が独り歩きしているのよ。女帝陛下も朗報を待たれているわ。何か手は無いの?」


東久邇宮総理はそう言うと、机を思いっきり叩いた。その怒りに部下達は首を竦めたが、1人仲谷軍令部総長が口を開いた。


「呉軍港で可笑しな冗談が広がっています。」

「どんな?」

「空母から空軍の爆撃機が飛び立たせられないか?との事です。」

「馬鹿馬鹿しい。」


仲谷軍令部総長の言葉に仁藤幕僚部総長は気分が悪そうに呟いた。しかし東久邇宮総理は笑顔を見せた。


「面白いわね。」





2008年9月17日にスイスモントールで採択されたモントール文書で英語の正式名称がPMSCs(Private Militari and Security Companies)の表記が使用されましたので、民間軍事警備企業としました。

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