ガダルカナル沖海戦3
午後7時
ガダルカナル沖北東130キロ地点
大日本帝國海軍連合艦隊第2艦隊旗艦超弩級戦艦山城戦闘指揮室
「敵艦隊捕捉しました。」
電探員が報告した。それを聞いた大森司令官は大きく頷くと、口を開いた。
「艦長、攻撃開始。通信員、全艦に攻撃開始命令。」
「了解しました。」
大森司令官の命令を受け、艦長の村中高絵大佐が艦内電話で砲術長に攻撃命令を出した。これにより砲術長は艦橋で砲撃準備に入った。
「砲撃開始します。」
村中艦長が受話器を離すと呟いた。それを聞いた大森司令官は頷いた。その直後、山城が震えた。
ドゥグワァァァァン!!
「着弾30秒前です。」
村中艦長が再び呟いた。
「着弾です。」
村中艦長が言うと同時に水柱が立ち上った。
「挟叉しました。」
村中艦長が報告した。
「まだ初弾命中は難しいわね。」
「新型電探が国技本で開発中ですので、それなら命中も可能と思われます。」
大森司令官の言葉に中野参謀長が答えた。その間にも山城は再び砲撃を開始していた。
同時刻
第15任務部隊旗艦戦艦アイオワ艦橋
「挟叉されました!!」
「初弾から挟叉するとは……」
砲術長の言葉に、サリーナ司令官は冷静に呟いた。隣でイニス参謀長は海原を見つめていた。
「司令官、苦戦は免れません。」
「確かに。最悪は全滅を覚悟しないと。」
サリーナ司令官は終始冷静に答えた。
『第15・第16任務部隊は第2艦隊により敗北した。空母レキシントンとサラトガは呆気なく撃沈された。戦艦アイオワは果敢に砲撃戦を行ったが大破しその戦闘力を喪失。戦艦サウスダコタは一方的に叩かれ、弾薬庫誘爆の轟沈を遂げた。同型艦のインディアナは機関室大破により漂流。味方駆逐艦により処分された。重・軽巡洋艦や駆逐艦も狙い撃ちされ被害が続出した。大森司令官は敵艦隊に被害を与え、撃退すれば良いと考えており敵艦隊を全滅させる気は無かった。アメリカ海軍は突然の攻撃にも関わらず、善戦したが第2艦隊により主力艦を壊滅させられ撤退した。これによりアメリカ海兵隊はガダルカナルに取り残された。連合艦隊は第7艦隊から2個潜水戦隊をガダルカナル封鎖用に派遣。ラバウルやブーゲンビル島から八式重爆撃機が翌日から早速爆撃を開始。1つの島に対する爆撃としては過剰投入となる200機を大日本帝國空軍は投入。ガダルカナルに上陸した2個海兵師団は連日猛烈な爆撃を受ける事になる。撤退した第15・16任務部隊に代わって輸送部隊が編成され、ガダルカナルへの物資輸送が行われたが潜水戦隊がそれを殲滅。太平洋艦隊司令部はその1回の輸送作戦が失敗した事で、輸送作戦を中止。2回目は駆逐艦に物資を搭載して実行させたが、それも潜水戦隊により撃退された。これにより太平洋艦隊司令部は潜水艦を使い夜間に物資輸送を行う事を決定。だが潜水艦に搭載できる物資はごくわずかであり、ガダルカナルの海兵師団は日毎に低下する物資に泣かされた。極端な物資の低下は士気を著しく低下させ、そこへ1日4回はやってくる大日本帝國空軍の爆撃にもはや部隊は内部崩壊一歩手前であった。これがアメリカ合衆国で言う所のグレートハングリーアイランド(餓島)と呼ばれる第三次世界大戦の悲劇の1つであった。』
望月恵著
『太平洋戦争記録』より抜粋




