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白と悪魔と  作者: りあん
第一部 世界の改変
20/271

ep18.暗殺と殺戮と

 ――森の中で対峙するデスト・ルキとジン・ホワイトの4人…


「生き返ったかどうかは知らないけど…もう一度殺すまで」


 ルキがそう言うと、ホワイトの方にナイフを向ける。


「…ホワイト…ここは避けられない戦いになりそう…だ…」

「っ…そう…だよね…でも…どうしよう…」


 ジンがホワイトを守るように手を広げる。


「ホワイト、俺の回復に徹する事は…できるか?」

「…できるけど…もしかして…」

「ホワイトに近付けないよう、俺が二人を相手する…!!」


 ジンがそう言うと、デストの方に走り出す。


「…!無茶だよ…ジン君が死んじゃう…!」

「ホワイト、お前を信じてる…!」


 ルキが飛び込むジンの方を見て疑問を抱く。


「…無策で飛び込んでる?…いや、そうって訳ではないか…デスト!」

「グギャアア!」


 デストがジンの方へ走り出す。


「ロボットには…火も効いてくれよ…?」


 ジンがデストに向けて銃から火炎放射を出す。


「グギャア!」


 しかしデストは炎を腕で振り払う。


「ガアアアア!」

「っ!?」


 デストがジンの顔面に殴りかかる。


「っ…!」


 デストに殴られ、ジンは大きく吹っ飛ぶ。


「がっ……」

「…!ジン君…!!」


 ジンは受け身を取れず、その場に倒れる。


「…ジン君…ジン君…!」


 ホワイトがすぐジンの傍へ走る。


「…大丈夫…がはっ…」


 ジンは鼻血を出していた。

 ジンの口からは血が垂れていた。


「ジン君…鼻血が…」

「…なあに…ホワイトなら、これを治すのも朝飯前だろ?」

「そう…だけど…」


 ホワイトが魔力を使ってジンの身体を回復させる。

 少し傷が残ってしまったが、ジンの身体が回復していく。


「まだ…だいぶ痛い…が、大丈夫だ」

「っ…無茶しすぎ…だよ…」


 ジンが立ち上がる。


「…ホワイトと俺の魔力が切れる前に、あいつを機能停止させる。俺はミカみたいに電気の武器とかはないから…炎だ。俺の炎を使ってあいつを動かしている動力炉を破壊する」

「っ…でもこのままじゃいつかは押し負けちゃう…隙をついて逃げた方が…」


 ホワイトがジンの身体を心配する。

 このままでは力負けするのはジンも理解していた。


「ルキが逃げるのを許さないはずだ…ルキは恐らく…デストに基本的な攻撃を全て任せ、それを避けようとする俺等の隙を見て刺す作戦で来るはずだ…だから、俺等が逃げようとしても、あいつのナイフの餌食だ…」

「じゃあ…ルキを倒した方が…」

「ルキを倒そうとしても、まずあのデカブツ…デストが邪魔すぎる。…あいつを倒さないと俺等に勝ち目はない…」

「そんな…」

「…大丈夫だ、お前に殺しはさせない。俺があいつらを倒す。ホワイトは…俺を信じて回復に徹してくれ…!」

「っ…」


 ホワイトがジンの真剣な赤い瞳を見る。


「…分かった…そこまで言うなら…ジン君を信じる…!」


 ホワイトが拳を握る。


「コソコソ話は済んだかしら?…どうせ作戦を考えようが、無駄でしょうけど」


 ルキがニヤリと笑う。

 ルキがナイフを持ち替える。


「…あぁ、済んだよ。待ってくれるなんて、ネオカオスの野郎も案外優しいじゃねえか…」

「それだけ余裕があるって事よ。やっちゃいなさい、デスト」

「グオオオオオ!」


 デストがジンに向かって再び走り出す。


「馬鹿な…俺がいつでも突っ込むと思ったら大間違いだ…!」


 ジンが火炎放射ではなく銃弾をデストに撃つ。

 だが銃弾はデストの装甲を貫けなかった。


「…こいつは…ダメか…!」


 ジンはそう言うと、持っていた銃を投げ捨てた。


「…ホワイト…少しの間、俺に力を貸してくれ」

「…!」

「精一杯、俺に回復魔法を分け与えてくれ…!」

「…分かった…!」


 ホワイトはそう言うと、ジンに回復の魔法をかける。


「…ありがとう。よし…!」


 ジンは炎の魔力を右腕に込める。

 そして、右手でデストに殴って攻撃する。


「…グガガガガ!」


 デストはそれを両手で受け止めるが、大きく後退りする。


「…!デスト…!」

「…ガガガ……コイツ…急ニ強クナッタ…?フットバサレソウ…」

「っ…!こうなったら…」


 ルキがナイフをジンに投げる。


「そうはさせない…!」


 ホワイトはジンに回復の魔法の上からドーム状の防御の魔法をかける。

 防御の魔法はジンを守るシールドの様な役目をし、ナイフを弾く。

 防御の魔法はホワイトの回復魔法を応用して編み出した魔力だった。


「っ!…一度殺されてる身の癖に…こざかしい!」

「そっちこそ…今度は負けない…!死なない…死なせない…!」

「ガアッ…!」


 今度はジンがデストを吹っ飛ばす。

 デストは受け身が取れず、吹っ飛ばされた後に倒れる。


「デスト…!」

「やっぱり…ホワイトの魔力には多少だが力を増幅させる効果がある…」

「…私の魔力に…そんな力が…?」

「…あぁ。…元気な少年って免疫力もあれば力も強いだろ?それと一緒だ」

「えっと…なるほど…?」


 ホワイトが少しだけ疑問をもちながらも納得する。


「っ…調子に乗らない事ね…!」


 ルキがそう言うと、デストが起き上がる。


「…ガガガガ…グ…」

「…!ジン君…アレ…見て…!」

「…ん?」


 デストの左胸のあたりには、小さい扉の様なものがあった。


「…アレ…もしかしたら…」


 小さい扉の中にもしかしたら動力炉があるかもしれない、ホワイトはそう思っていた。


「…なるほどな…ならあそこを叩けば…!」

「でも、どうやって…」

「なら…」


 ジンは右腕に炎の魔力を再び込めた。


「こいつで無理矢理…」

「させない…」


 ルキが念力を使ってデストの周りを多くのナイフで囲った。


「…これでデストはナイフのシールドを持った。攻めも守りも強力なバケモノになったわ…!」

「っ…!あのナイフ…邪魔だ…!」

「…グルルル!」


 デストは再びジンの方へ走り出した。


「…真っ向勝負は危険…!」

「っ…!」


 ジンがデストの突進を横に回避する。


「…近付け…ない…!」

「最初からこうすればよかったわ…私としたことが、頭が回らなくなってるわ」

「…!ジン君…!」


 ホワイトがジンを呼び、そしてホワイトは後ろの方へ走り出す。


「…ホワイト…?」

「ついて…きて…!」

「…!」


 ジンはすかさずホワイトの方へ走ってついていく。


「…何を考えてる…?」


 ルキは走り出すホワイトとジンを走って追いかける。


「ジン君…ナイフのシールドを纏ってるデストは…今は倒せないけど…その影響で今ルキがナイフを失ってるから丸腰…こっちなら倒せる…!」


 ホワイトが言う通り、ルキは今ナイフを持っておらず、丸腰になっていた。


「…なるほど…!」

「ルキを倒せば…あの念力も…!今自由に動けて距離を取っている間に魔力を…!」

「…よし、最大火力で行くか…!」


 ジンは走りつつも、魔力を右腕に込めていた。


「…魔力をためてる…デスト…追いかけるわよ…!」

「グルルル!」


 デストはホワイトとジンを猛スピードで追いかけ始める。

 ルキも走ってついていく。


「…早い…だが………こんだけ距離があれば…貯め切れる」

「魔力を溜めてどうするの?その魔力でナイフシールド状態のデストをやれるのかしら?」

「…あぁ…やれるさ…」


 ジンの魔力が溜め終わる。

 そして…


「……()()ならな…!!」

「…なっ…!」


 ジンはすかさずルキの方へ方向転換し、至近距離で炎の魔力を最大限ぶつけようとする。


「消し炭になれ…!ルキ………!」

「いっけぇぇぇ…!!」

「っ………」


 だが、ジンの腹にルキのナイフが刺さる。


「がはっ…」

「…!?」

「…勿論、予備でナイフは持っておくわよねぇ…?流石に丸腰だなんて言わないわよ」


 ルキは服の下にナイフをひとつ隠し持っていた。

 そのナイフでジンをすかさず刺したのだった。ジンの最大火力の魔力は不発に終わる。


「…がっ…」

「…このまま内臓まで…刺さりなさい…!」


 ルキがジンの腹にナイフを深く刺し込もうとする。


「っ…!やめて…!」


 ホワイトがすかさず麻酔銃を取り出し、ルキの方目掛けて撃つ。


「っ…!」


 ルキはジンに刺したナイフをすかさず抜き取り、弾をガードする。

 ルキはすぐさま後ろに下がってホワイトとジンから距離を取る。


「がはっ…」


 ジンはナイフを抜き取られた衝撃で血を吐いてしまう。

 ジンの血が地面に垂れる。


「ジン君…!」

「……はぁ…はぁ…大丈夫…だ…深くは刺さってない…」

「大丈夫なんかじゃない…すぐ回復を…!」


 ホワイトがすぐさまジンの腹部に回復魔法をかける。


「…ホワイト…すまない…」

「血…いっぱい出てる…早く止血しないと…」

「それよりも…奴を倒すのが先だ…」

「…でも…!」


 ホワイトがそう言ってられる暇もなく、はホワイトの後ろに立っていた。


「…!」

「デスト、ホワイトを殺しなさい」

「…ギョイ!」


 デストがホワイトに目掛けて殴りかかろうとする。


「…!」


 だが、ジンがそれを庇うかのように、ホワイトの目の前に立ち、両手でガードする。


「…ジン…君…!?」

「……がっ…ホワイト…今のうちに…」


 ジンがそう言うと、デストの攻撃にジンが吹き飛ばされる。

 あまりの力の差に…ジンのガードは破られる。


「…ぐっ…!」


 ジンが再び倒れてしまう。


「がはっ………」

「…!ジン…君…」

「…仲間をかばうなんて…元殺し屋とは思えない行動ね」


 ルキがジンの行動に少し唖然としていた。


「…でも、今のでだいぶダメージを負ったはず。ジンはもう動けないはずよ。デスト、そこの女を今度こそ殺しなさい」


 ルキがホワイトの方に指を指す。


「ギョイ」


 デストは再びホワイトに殴りかかろうとした。


「っ…!」


 ホワイトは反応が遅れ、デストの攻撃を避けきれない状態になっていた。

 だが…


「…!?」

「…は…なんで動けるのよ…」


 ジンが傷だらけになりながらも、デストの攻撃を受け止めていた。

 ジンの血が地面に垂れながらも…ジンは両手で受け止めていた。


「…ホワイトの…回復魔力のおかげだ…それに…ホワイトを守る為なら…どんな力だって、出せる…」


 ジンはそう言うと、デストの攻撃を右手だけで受け止め始めた。

 そして…ジンは左手の方でデストの胸にある扉に触る。


「…!オマエ…ナニヲ…!」

「…ここ、お前の動力炉…心臓あるだろ」

「…!」


 デストがジンの言葉を聞いて動揺する。


「…一気に燃やしたら、どうなる?」

「ヤメロ…!」

悪魔炎(デーモンフレイム)!」

「ヤメロォォォォォ!!」


 ジンは左手から強力な炎を出し…

 デストを一気に焼き尽くす。


「っ…!!何よ…この力…!」

「…ジン君…!」

「グギャアアアアアアアアアア!!!」





 炎は少ししてから弱くなり…

 そこには黒い煙が舞っていた。


「………」

「…デスト…嘘…でしょ…」


 ルキがデストの方へ向かう。

 だがそこには焦げた金属の欠片が飛び散っていた。


「…ジン…君…」

「………動力炉のみならず、全部燃やしてやった…」


 ジンの身体が少しふらつく。

 血が登っていたのと、顔面を殴られた衝撃と、腕がボロボロで…身体全体が限界を迎えそうになっていた。


「っ!ジン君…!」


 ホワイトがすぐさま倒れそうになるジンに肩を貸す。


「っ…大…丈夫…?」

「あぁ、大丈夫だ。…だが、今のでもう魔力切れだ…あいつを倒すには…これを使うしかなかった…」


 ホワイトがジンの魔力を見てかつての光景を思い浮かべる。


「…今の…もしかして…あの時街を燃やしてた時に使ってた…」

「…あぁ…正解だ…。この火力があれば…あの時の事件も納得行くだろう…?あの時よりも出力は上げてたが…」

「納得行く…けど…こんな魔力…どこに…」


 ホワイトがそう言うと、ルキがホワイトとジンの後ろからナイフを構える。


「…デストを…よくも…!!」


 ルキが恐ろしい形相で二人を睨む。


「っ…!」

「…また…あなたの大切な物から…殺してやる…」


 ルキがホワイト目掛けてナイフを投げつけた。


「…!ホワイト…!危ない…!」


 ジンはホワイトにとんでくるナイフを背中でかばう。


「がっ……」

「…!?」


 ジンの刺された背中から血が出る。


「チッ…!もう一発…!」


 ルキが再びナイフを投げつける。

 だが、二本目のナイフもジンが右腕を使って受ける。


「っ…くっ…」

「…ジン君…!」


 ジンの右腕から血が出る。


「どうして…私なんかをかばうの…!?」

「っ…くそっ…!」

「…二つともかばったか…だけど…片方やれれば…それでいい…」


 ルキはそう言うと、ナイフを構えるのを辞める。


「これくらいじゃ…俺は死なねえ…ルキ…腕が落ちたんじゃないか…?」

「…腕が落ちるのは、あなたの方よ。物理的な意味でね…」

「…どういう…意味…っ……!?」


 ジンが急に吐血し始める。


「がっ…なん…だ…これ…」

「…!?ジン君…!?血が…」

「ゲホッ……苦…しい…ゲホッ…」


 ジンの吐血が続く。

 地面にジンの血が垂れ続ける。


「…猛毒、すぐに効いたっぽいわね」

「なっ…猛毒…だと…」


 ルキが目を細めてナイフを向ける。

 ルキの魔力には、ナイフといった武器に身体に異常をもたらす力を付与できる物があった。

 その魔力を使ってジンに猛毒を与えたという訳だった。


「…これで多くの人間を麻痺や猛毒で殺してきたけど…今使って正解だったわ…!」

「っ…クソッ…」

「猛毒を解除する方法は…ないわ。そのまま死になさい。…デストは失ったけど、あなた達も同じように大事なコマを失うことになるわ。ふふふっ………」


 ルキはそう言うと、その場を立ち去ろうとする。


「…待て…ルキ…てめ…だけは…がはっ…」


 ジンがルキを追いかけようとするが、吐血が止まらず遂に倒れてしまう。


「ジン君…!ジン君…!!」


 ホワイトがジンの傍にすぐかけよる。


「…馬鹿…お前まで毒…うつっちまうだろ…」


 ジンが刺さったナイフを二本とも抜く。


「っ…痛みの感覚が…ねぇ…がはっ…」

「嘘…嘘…こんな…死んじゃ…ダメ…!!」


 ホワイトがジンに回復魔法をかけるが…


「…がはっ………」

「っ…そんな…回復が…追い付かない…」


 ジンの身体は回復しても血が出続けていた。


「…ははっ…森で始まって…森で死ぬのも…悪くねえな…」

「っ…馬鹿な事…言わないで…お願い…死なないで…!」

「……ホワイト…俺…お前の事…好きだったんだ…」

「…え……」


 突然の告白にホワイトが唖然とする。

 そして、ホワイトが涙を流す。


「そんな…なんで今…」

「…お前が持っていたブローチの中身…見ちまった…」

「ブローチ………」


 ホワイトは首にかけて服の中に入れていたブローチを出そうとする。

 が、そこには今ブローチは無かった。


「…あれ……ブローチ…ない…」

「…勝手に開けて…ごめんな…」


 ジンの目の前が霞んでいく…


「っ…待って…」

「…俺も…お前の事…一番大切だ…お前は…俺に…大切な物を教えてくれた…」

「…なんで…遺言みたい…じゃん…」

「………ごめん…な……あっちには…すぐには来るなよ…」


 ジンはそう言うと、目を閉じてしまい、うつ伏せに倒れてしまう。


「…待って…」


 ホワイトがジンを揺するが、ジンは起きない。


「待ってよ…!!」


 ホワイトは涙を流す。


「…そんな…ダメ…」


 ホワイトが回復魔法をかけるが、効果がなくなっていた。

 ――暗殺のルキの使うナイフに塗られた猛毒によって…ジンは命を…失ってしまった。


後書き~世界観とキャラの設定~


悪魔炎(デーモンフレイム)

…ジンの使う炎の魔力でジンが勝手に命名した炎。

直訳すると悪魔の炎であるが、その名の通り悪魔的な強力な炎を放ち、一瞬にして相手を焦がす。

デストとの戦いにおいてデストの動力炉ごと機能を完全に停止させた。


『ルキのナイフと魔力』

…ルキのナイフには、ルキが付与した魔力によって身体に異常をもたらす力を付与できる。その魔力を使ってジンに猛毒を与えた。

猛毒以外にも麻痺毒や、麻酔効果などさまざまな悪影響を及ぼすように魔力を付与する事が可能。

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本編のスピンオフである
悪魔に堕ちて悪魔と結婚した太陽
も連載中!
是非こちらも御覧ください!
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