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25 パソコン



「培養槽の近くに落ちてたよー。」


「『落ちてたよー』じゃねぇよ……」


スミス少尉が呟く。


な・ん・でそんなものが落ちてんだよ……


俺はそう思いながら立ち上がる。


「誰のなんですかね……」


ルズがポツリと呟いたあとにスミス少尉が言う。


「血痕のやつか……それとも別人か……」


もし、血痕の人物のものだったらその人は生きているのだろうか。


そう考えているとアズル中尉が血痕を辿って歩き出す。


俺たちもそれについて行く。


突然、エラが驚いた声で言う。


「あ!パソコン!」


パソコン!?


よく見ると薄暗い空間の中に白い机と灰色のパソコンがある。


「パソコンか…何かあるかもな……」


スミス少尉が呟いたときにはエラがパソコンを起動させていた。


俺は隣にいるチェリーに


「なぁチェリー。」


「…何?」


「エラさんってあんな行動力あったけ……?」


「さぁ……」


エラがこちらを振り向いて言う。


「パスワードないと中見れないよ〜」


それを聞いたアズル中尉が


「レピ。」


「…わかりました。」


レピはバックパックから小さめのノートパソコンを取り出して、ケーブルで灰色のパソコンと繋いで操作し

始める。


「何してるんですか?」


俺は首を傾げてアズル中尉に聞くと、


「ハッキング。」


「ハ、ハッキング!?」


それって犯罪じゃ……


「…できました。」


早っ!


「何かあったか?」


スミス少尉が画面を覗き込みながら言う。


「……あんまり中身がないですね…隠しフォルダがあるかも……」


レピはそう呟きながら、次はUSBメモリを取り出してパソコンに差す。


数秒後。


「…出てきました。」


スピードおかしいだろ……


「内容は?」


アズル中尉が聞く。


「えっと……」


『怪物による戦力増強実験について。

戦争や災害、怪物333の襲撃に備え、怪物を育成することで戦力増強を図る。

クレオメ島での実験が成功した場合は他の地域でも実行する。』


思ったよりも短い文章だった。でも…


「どういうことですか……?」


俺はポツリと呟く。


スミス少尉が


「要するに誰かが怪物を利用しようとしてたってことだな。」


「……!」


エラさんが画面を見つめながら言う。


「怪物の育成って大変だね〜」


怪物の育成……?


「怪物の育成なんてできるんですか?」


怪物を育てるってことだよな?

そんなこと…


「あぁ。できる。」


「え!?」


アズル中尉の答えに俺は驚いた声を出す。


「怪物にも友好的な種がいる。だから育てれるし、凶暴な種でも卵から育てれば友好的になる話もある。」


「そうなんですか……」


「だが……全てがそうとは限らない。」


アズル中尉が割れた培養槽を見つめながら呟くように言う。


「他にはないか?」


「なさそうですね…」


量が少ないな……


「そうか。」


と、アズル中尉は呟くとスミス少尉が


「血痕はまだ続いてるし追いかけるか?」


「そうだな……」


ここで何が起きていたのだろうか。


しばらく歩いていると俺はあるものを見つけて立ち止まる。


「予想が当たってたわ。」


チェリーが呟く。


培養槽の中に一匹、怪物が漂っていた。




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