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0 命懸け任務



「おい!セルザ!」


「はい!」


呼ばれた俺は座っていたベンチから立ち上がる。


「掃除頼む。」


「げっ…」


「なんか言ったか?」


「あ。いや何も言ってないです!」


「?そうか。じゃあよろしくな。」


掃除道具を渡され仕方なく掃除を始める。


俺ことセルザ・エイデン は、この国、デイナ帝国の軍に入ったばかりの二等兵だ。


今のところ、この場所での生活は最悪。


訓練は厳しいし、給料は安い。そして雑用を押しつけられる始末だ。だが、


俺はこの苦難を乗り越えて出世し、給料を大量ゲットする!


そんな事を考えながら掃除を続けていると。


「おい。エイデン。」


「はい?」


またもや呼ばれた俺がふりむくと、うしろには普通ならほとんど喋ることがないであろう、一人の男が立っ

ていた。


「ど、どうかしましたか、スミス少尉……?」


「お前に用がある。ついてこい。」


うしろに立っていた男、ものすごい顔が険しいというか怖いスミス少尉は、端的に言うと歩き出した。俺は

そのうしろをついていきながら俺なんかしたか.....?と、考えていた。


そのとき、スミス少尉がとある扉の前で止まった。


ん…?この部屋は……ま、まさか…


スミス少尉が扉をノックして扉を開けた。


「入れ。」


スミス少尉がそう言った横で俺は青ざめていた。なぜなら。


ここが中尉の部屋だからだ。


7畳ぐらいの部屋の隅にあるデスクに座っている、黒髪で首にチョーカーをつけた男がこちらを振り返る。


目つきの悪い鳩羽色の眼が俺を見た。


俺は蛇に睨まれた蛙のように固まる。


この男はアズル中尉。ものすごく強い上に恐いというウワサがあり、他国の出身らしい。


まさか本当に怒られるのか……?まさかクビになったりは…しないよな?


アズル中尉が前置きもなしに淡々と話し始める


「1週間前、ク(・)レ(・)オ(・)メ(・)島(・)の基地の通信が途絶えた。」


「?」


全然違う話だったことに安心しつつも、なぜ突然クレオメ島?通信が途絶えた?と次々と疑問が浮かぶ。


確かクレオメ島は国の南の方にある島で、ここからだと船で2週間ぐらいかかるところにあったはずだ。


「その2日後、クレオメ島からのSOS信号が別の基地に届いた。」


SOS信号?何があったんだ?


「クレオメ島で何が起こったかはわからないが、あの周辺は怪(・)物(・)が出る。」


「怪物……!」


怪物。聞くだけで背筋が寒くなる。人が近づけば生きて帰れない存在で、特定の地域にしか生息しない。だ

が、怪物が現れる地域では貴重な鉱物資源や植物が採れやすいらしい。そのため、デイナ帝国は特定の地域に入っている領土のクレオメ島に基地をおいていて、怪物のための特別部隊もある。


「クレオメ島の基地が怪物に襲われたのか他国に攻撃を受けたのか。何が起こったのかわからないが3日後、少人数で救助に向かうことになった。」


へぇ〜そうなんだ〜。ではなく、アズル中尉はそれで俺に何の用なんだ.......?


アズル中尉は一口コーヒーを飲んでから言った。


「セルザ・エイデン。お前を救出部隊の隊員に任命する。」


「あっ、わかりました.....てっ、えええぇぇぇ!!?」


軍に入ったばかりの二等兵が怪物出没地域に行くという、とんでもないことに驚いて思わず叫ぶと、横にい

たスミス少尉から冷静な注意を受ける。


「うるさい。」


「す、すみません.....でも二等兵で弱い俺をなんで.....?」


俺は自分を卑下しながら聞く。


「もうすぐ大事な”イベント”がある。その準備で人が帝都に集められているから、あまりこちらに高い階級

の人員を割けない。それである程度強くて手のあいてるのがお前というわけだ。」


アズル中尉の説明を聞きながら考える。


やはりわけがわからない。俺が強いかはともかく、手の空いてるやつなんて探せばいるだろうしその中に


は、俺より強いやつがたくさんいるだろう。なのになぜわざわざ俺なのだろうか。それに行くのは怪物出没

地域........


疑問と不安が頭に浮かぶがともかく.......これは出世のチャンス!?


数秒の黙考の末俺は元気よく言った。


「わかりました!」


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