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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
150/157

150 スピン……

開幕戦決勝がスタートしました。良い感じに走れているかな、でも、タイヤ交換でどういう風な展開に変わるかが問題です。まあ、開幕戦なので表彰台には乗りたいかな、最悪6位までには入りたいですね!

 スーパーフォーミュラ開幕戦、今オープニングラップを中森(なかもり)が取りました。タイムは1分37秒596ですが、杏香(きょうか)も僅差ながら1分37秒628で2番手をキープしています。


「杏香、慌てずに行こう。タイヤ交換でどうなるかも解らないから」


 私は、もう少し様子を見るためにも杏香にそう言いました。


『了解! でも、チャンスがあればオーバーテイクするからね』


「解ったわ、そこは任せるから好きにして良いよ」


 私がそう言った時……


結菜(ゆいな)、ストレートではもっとスピードを出しなさい」


 結菜は岩崎(いわさき)チーフから指示が出ていますけど……


『了解……』


 なんだかやる気のない返事だな……


「岩崎さん、あまり無理しなくても……」


 私はそう言いましたけど……


「うん、しかし、タイヤ交換時に、ある程度詰めとかないと、チャンスを逃してしまうから」


 まあ、そう言われてしまえば、私は何も言えないけどね……


 まだ5LAPか…… 取り敢えず現状維持かな……


 その時、杏香がメインストレートを通過して行きました。


 今現在2番手で、タイムも中森とあまり変わらないようで、僅差です。


 11周目に入りました。そろそろタイヤ交換ですけど…… 相変わらず中森がトップで、杏香が2番手です。


美郷(みさと)さんボックス!」


「えっ、ボックス! 私?」


 鈴木(すずき)オーナーが血相変えてパドックへ来ました。


「どうかしたんですか?」


「良いから小山内(おさない)にボックスの指示を!」


 私は、訳が解らず指示を出します。


「杏香、ボックス!」


『了解! 凄いね、スプーンカーブのところでクラッシュしてたよ』


「えっ、クラッシュ?」


 杏香がそう言った時、フルコースイエローが出ました。


「えっ、どういう事?」


 私はよく理解出来ませんでした。


 でも、杏香はタイミングが良かったと思います。中森はメインストレートに入ると同時でしたから…… 杏香は最終コーナーを回ったところでしたのでピットインする事が出来ました。でも鈴木オーナーからの連絡が無ければ、次の周回に中森と一緒にピットインする事になっていたと思います。


 そう思っている間に杏香がピットインです。


 ピットでは、メカニックが大急ぎでタイヤ交換をします。


「OK GO!」


 タイヤ交換はおよそ7秒で終わり、杏香はすぐにピットアウトしました。結局杏香は12周目にタイヤ交換なので予定より1周早かったのかな。


 杏香がピットアウトした後、続々と他のドライバーもタイヤ交換に入ります。フルコースイエローなので今がチャンスなのです。勿論結菜も、杏香の後13周目にタイヤ交換です。


 しかし、以前としてフルコースイエローが続いているので、トップを走っていた中森は、今までのマージンが無くなってしまいました。


 その後、中森もタイヤ交換をしてピットアウトしましたが、その前に杏香がメインストレートを通過して行きましたので、事実上杏香がトップです。


 ただ、まだタイヤ交換をしてないマシーンがいるので、実際には杏香が3位、中森が4位です。


 ちなみにトップはマクレー、2番手に松島(まつしま)ですけど……


 今、フルコースイエローが解除されました。レース再開です。


「ねえ、クラッシュしたマシーン凄かったですね!」


 そう言うのは結菜のタイムキーパー菜穂子(なほこ)さんです。


「あれってそのままあそこにあるのかな」


 小林(こばやし)さんまでがそんな事を……


「レースが終われば、クレーンで片付けるわよ」


 私は、クラッシュしたSF23が無惨な姿で止まっているのが心苦しかったです。


 ただ、あれが、うちのチームのマシーンでなかった事は幸いです。


 現在の順位をおさらいすると、16LAPを終了した時点で、トップはマクレー、2番手に松島、3番手に杏香、4番手に中森、5番手にメンゼル 、6番手にヨハンソン、7番手に結菜、8番手にライブリー…… ですが、トップのマクレーと松島はまだ、タイヤ交換をしていないので、事実上トップは杏香という事になります。


「このレースは良い展開になって来ましたね!」


 菜穂子さんがそう言いますけど、本当にそうなのかな…… なんだか胸騒ぎがしてならないんですけど……


 18周目隣のピットで松島がタイヤ交換をしています。


「はあ、やっと入ったか」


 これであとはライブリーが入れば杏香がトップですけど……


 今、松島がピットレーンを出て行きましたけど、なんだかスピードが速くなかったかな……


 その後、レースは進み22周目にライブリーがタイヤ交換です。これで、杏香がトップですけど、中森はまだ仕掛けて来ません。諦めたのかな……


「あっ、後ろから煙を出しているマシーンがいますよ」


 えっ、煙? 私がモニターでチェックすると、小島(こじま)のマシーンからオイルが吹き出して止まってしまいました。まったく何やってんだか……


 その時、オイルフラッグとイエローフラッグが振られています。小島がばら撒いたオイルのようです。


「スピン! カーナンバー68」


 えっ、68番って……


『菜穂子さん、ごめんエンジンストールで止まっちゃった……』


 そこには、180度ターンして止まっている結菜のマシーンがモニターに映っています。


「了解」


 結菜は、ばら撒かれたオイルを踏んでスピンしてストールしてしまったようです。


「美郷さん……」


「仕方ないわね」


 もう、小島がオイルを撒き散らすから……


「あっ、杏香!」


 (げん)さんがそう叫んでいますけど……


「小山内、大丈夫か……」


 杏香のマシーンまでスピンして大きくコースアウトしてタイヤウォールに追突してしまいました。


 その後、本日2回目のフルコースイエローとセーフティカーが導入されました。


 もう少し早くフルコースイエローに出来なかったのか……


『美郷さん、ごめん…… スピンしちゃった……』


 相当派手にやってくれたようだけど、杏香は無事のようです。



まさかのリタイア…… 2台とも止まってしまうとは…… 杏香の方はスピンした後、タイヤウォールに追突しています。怪我は無いようだけど……

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