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散文の後/東風  作者: 新辺守久/小珠久武
第一章 15歳 春休み<帰らずの森グランゼ>-工事中-
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第015話 晩御飯3

 食事が始まる前に両手を合わせ「頂きます」の掛け声はこちらでも同じだった。


まかないの料理ばかりですが沢山食べてくださいね」

「そんな事ない、凄く美味しそうだよね、輔」

「うん。本当、ありがとうございます。シルヴィアさんに皆さん」

「困った時はお互い様だからね、気にしなくていいよ」


 と言ってくれたのは三つ編みお下げのツヅラさん。俺達より少しお姉さんぐらいに見える。


 年の頃は17,8ぐらいか、身長は150そこそこで青黒い髪は前髪を真ん中で分ける様にし、後ろは三つ編み1本でまとめられ左肩から前へ垂らしている。若干日本人っぽい顔立ちもしているけれど完全に日本人じゃない、ハーフとかクォータと云った感じ。


「何も知らない世界に迷い込んだんだ。不安になるかもしれないけれど、あたしが出来る範囲で面倒を見るから安心して。特にそちらのお嬢さん」


 キラリと白い歯を見せてまぶしい笑顔を見せるのはカエデさん。先程から姉さんに視線を向けたまま目を輝かせて、いる。165センチぐらいのボーイッシュな感じで身長に薄い体型。……俺より背が高いけれど悔しくなんかないやいっ!言動が気障きざっぽいく男性より女性の方に興味がありますって風だ。髪型はブラウン系で動き易さを重視したのかショートカットに切り揃えられている。


「むしろ女手しかないから男手おとこでの力を借りるかもしれないけれどね」


 タスク君、とこちらを見て話すのはアオイさん。身長は160センチぐらいで黒髪でこちらも仕事の邪魔にならない様に、なのかバレッタを使って髪の毛を後ろでお団子状に纏めている。体型のバランスは崩れていないのだがインパクトのるお胸をしたお姉さん。多分20前半。三人の中でおっとり長女のポジションか。中々のままボディは男性諸君をとりこにして止まないのであろう事は想像にかたくないのだけれど、俺が如何こう出来る訳ではないので特に興味は無い。


 ……のだけれど、やはり気になってしまい自然と視線がそこに向いてしまうのは、やはり健康な男の子としてのサガだろうか。


「輔のむっつりスケベ」


 お前、何、ましていい子ちゃんっぽくよそおった振りしてんの。チラチラ胸に視線が行ってんのバレバレなんだよ的なジト目で、横から姉さんのフレンドリーファイアを頂きました。


 ……あぁ、フレンドリーじゃない。食卓周りはみんな女性ばかりだから男の俺に味方はなく、むしろ女の敵に当たるのか。何と云うアウェー感。疎外感。


 俺達のやり取りでなんとなく意味を察したのであろうお姉さん方も「まぁ、男の子なんだからしょうがないわねぇ」な感じで「ふふふ」「あはは」「……ふっ」「うふふ」と柔和に微笑んでくる。


 ちょっと待て、なんか鼻で笑われた感のある声が混じってたけれど。……とは云え、楽しげな笑い声は世界が違っていても通じる共通の言語なんだと認識してしまう。


 みんな優しそうで気さくな人達ばかりの様だし、こっちでの生活もなんとかなりそうな気がする。


 ふと、お姉さん方がテーブル端に在るトレーから何かしらの液体の入った瓶を取る姿が目に入る。そして味を調ととのえる為なのか、それを食材に掛ける姿。


 最初はドレッシングの類だと思っていたけれど、その調味料のトレーには見た事のある色形いろかたちをした液体が入った幾つかの瓶が鎮座したいた。


「あれ、醤油、が有る。それによく見るとウスターソースに……お酢、っぽい? ラー油? っぽいのまで……」


 調味料が置かれているトレーには瓶入りとは云え、日本でも見慣れた数々の液体。


 視線に気付いたのかアオイさんが瓶を持ったまま訊ねてくる。


「あら、タスクさん。なにかドレッシング使います?」

「いえ、ドレッシングじゃなくて、ですねぇ、醤油とかソースっぽいのが有ってびっくりしました」

「ウチの村の特産品ですよ。場所が場所だけに輸送コストがかさんでしまい稀少品として領都の方では結構いい値段する様です」

「あー、然様さようですか。じゃあ、お勧めのドレッシングお願いします」


 あごに指を当て少し悩んだ後「これ、ですね」とアオイさんは黄色っぽいクリームの様な物が入った瓶を渡してくる。


 受け取りひと掛けし食べてみると、まごう事無きマヨネーズの味だった。キミもいたのか。


 異世界モノによくある和食への郷愁きょうしゅうで探し求めるアイテム。或いは先人の残したそう云った食材の痕跡を探すとか、似た品種を見つけ出し栽培するとか。


 迷い人さんなのか、それとも他の誰かー……、そこはかとなく婆さんと爺さんの影が見えるのだけれど、そんな心躍りそうなイベントフラグは発生する前にここで回収された模様。


 多分、この村には過去から現在日本までのある程度の食文化が在ると、漠然とだけれどそんな確信をする。


 何時の間にか、姉さんもツヅラさんから別のドレッシングを受け取っていてサラダに掛けてサクサクモリモリ食べている。


「あ、もしかしてお館様と同じでお箸の方が良ったのかしら?」


 ドレッシングの援軍を得て更にモリモリと口に食事を運んでいる姉さんに視線を移し、も今しがた思い出したかの様にシルヴィアさんがそう訊ねてくる。って、箸も有ったんかいっ。


「ボクはフォークナイフ大丈夫だよ!」

「……俺は、次から箸でお願いします」

読んで頂き有難うございます。

投稿に慣れていないので試行錯誤しています。

自己満足しながら楽しんで書いているので他の人が面白く読めるかは判りません。

なので多々読み辛い部分も有ると思いますが、そこは平にご容赦を。

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