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俺が『見』てるセカイ、君の生きるミライ  作者: 六錠鷹志
第二章 昇らない陽 と 静かな海
24/33

18R 顔面めがけて

「おっおい、タケル。なんで俺が投げるって分かった? ってか、どうやって、、、」


 視力が少し回復したところで、バルトがそんなことを言った。


「タケルん、すごいね~。反射神経がすごいのかな~」

「あっ、えっとーー」


 何かわからず、俺は『見』るままにしていた目を開くとーー


パリン!


 --瞬時に、俺は自分がさっきまで座っていた椅子を抱え後ろを向くと、窓を割って入ってきたナニカ(・・・)がザクッと木の繊維を広げながら刺さる。


 窓が割れ、時間差で音がなったのだろう。

 パリンという小さな、されど、俺たちを警戒させるに十分な音と共に侵入者が現れた。

 数は1人(いち)。黒ずくめのローブを着、フードで顔を覆っている。


「ッ!」

(なっなに、こっち睨まないでよ、黒ローブ。俺、なんにもしてない)


 椅子に刺さった、ソレ(・・)は、オレンジの光を失い元の姿を。俺はソレ(・・)が矢の形状をしていると認識する頃には、バルトとレイカは動き出していた。


「・・・、・・・」

「・・、・」


 バルトの指示かーー早口すぎて聞き取れないーー、レイカは何かの魔法を唱える。すると、レイカを中心にして水色の波動が広がる。


 バルトはレイカのその魔法を認めると、机の上のお金(コイン)が飛び散ることを気にすることなく、机を侵入者めがけ投げる。


「ッ……」


 侵入者は懐から取り出した金槌(トンカチ)にオレンジの光を送り、自身のすぐ手前でそれを木っ端にする。

 ーー瞬時、侵入者の(からだ)はいくつもの机や椅子を吹き飛ばしながら、壁までぶっ飛ばされる。


「ぐはッッ!」


(そうか、隙をつくるために)


 バルトの狙いは飛んできた机を回避することで生まれる隙をつくることだった。

 かなり離れたところまで飛ばされた侵入者は、すぐに起き上がれないようだ。床には侵入者が吐いた唾液と額や腕から流れる血が混ざった汚れ(シミ)が滲みだす。


 俺は未だ、矢の刺さった椅子も持ったまま動けずーー


(なんで、宿に泊まっている奴は誰も来ないんだ)


 --と呆然と思考していて。

 対して、バルトとレイカは侵入者にさらなる追い打ちをかけようと、動き出す。

 バルトは素早く動けない(・・・・)侵入者に向かってかけだし、レイカはキッチンから持ってきたであろう包丁を持ち、バルトの後に続く。


 侵入者は依然動かないまま。


(動けないのか。かなりぶっ飛んだもんな………)

「あっ」


 思わずシリアスな場にふさわしくない、素っ頓狂な声がでた。

 --侵入者(ヤツ)の頬が笑ったように………見えた。

 と同時に、俺はもとに(・・・)戻していた(・・・・・)目を(・・)閉じ、再び『見』る。




 俺が『見』たのは、数秒後の世界、これから起こるハズ(・・)の可能性。

 あるはずだった未来を変えられる力。

 いわゆる未来視を俺は持っている。

 ーー俺はこの力を幼いころから持っている。持っているといっても、いつ頃からあるかは、はっきり言うとわからない。無意識に使っていたのが、いつの間にか意識するようになり、ある(・・)という確信につながった。

 この能力にはいくつか制約があったり、面倒なことがあったりするがーーここでは割愛するーーそこは根気でカバーしているのだった。




 俺は『見』た未来から、行動を起こす。


(間に合うかどうか………)


 バルトとレイカは侵入者に向かって行く。

 対し、侵入者は未だに動こう(・・・)としない(・・・・)

 俺は急いで矢の刺さった椅子を軸に立ち上がり、駆け出すとーー


「<くそったれがぁぁぁ>」


 --走るのをそのままに、椅子を思いっきり投げる、侵入者に向けてではなく、バルトとレイカの顔面(・・)めがけて(・・・・)


字数の関係で今回、短くなっております。

タケルの能力については物語の中でだんだんと詳細がが明らかになっていきます。

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