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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
88/124

87 トレジャーボックス

「おとうさま!ろっくくんにすごいものもらったの!これなの!みててね……」


“か~え~る~の~う~た~が~”


あ、お袋とフー以外の大人が全員いつものアレ的表情になって固まった。

モローさんは口にしてたお茶を盛大に噴出してる。

……お笑い属性の持ち主なのか?

しかし、本当にこの世界の大人はあの手の表情が好きだな~。


「ねっ!ねっ!おとうさま!このかえるさんわたしがうたってるの!すごいでしょ!すごいでしょ!」

「ろ、ロック君!?」


モローさん、声が裏返ってます。

アレ的な表情と相まって甘いマスクのイケメンが超台無しです。

全国の「子持ちでも構わないから抱いて~!」って言うモローさんファンの為にも、もうちょっと落ち着いてください。

このままでは【残念なイケメンランキング】堂々のNo1に輝いてしまいます。

ちなみに現在は不動のNo1、ライト家の長兄フール君13歳。

残念の方向性がモローさんとは全く違って、人間として残念なイケメンだがなっ!

だが、モローさんとフールが同じランキング内に居るのは不愉快だから、今後は【残念なイケメンランキング】と【残念なイケメンランキング(笑)】は別ジャンルにする方向で検討すべきか。

まぁ、そうしたらモローさんが栄えある初代No1に輝いてしまうわけだが。


「ほ、本当にこんなスゴイ魔道具もらっちゃって良いのかい!?」

「大丈夫です。せっかく5人で王様に披露した歌ですし、こういったものが有れば記念になるかと思いまして」

「こんなすごい魔道具を記念って……。ディーン殿?本当に良いんですか?」

「うむ。ロックが良いと言ってるなら問題あるまい。だがロック、次からは何かやるときは事前に私に相談しろ。心臓に悪い。ミアスもだ」

「あ、すいませんでした。以後気を付けます」

「は~い」


俺ごときからすれば、親父殿の心臓はハンマーでぶったたいても潰せそうに無い気がするんだけどね。

不用意なサプライズはするなってことですね。


「モロー殿、申し訳ないが……」

「内密にってことですよね?シェイナの友達に不利益が及ぶような事はしませんよ。それに、変にしゃべったらライト家を敵に回しかねないですし」

「忝い」


大人なりの打算とかもあるんだろうけど、それを踏まえてもモローさんは良い人だな。


「ロック君、君がシェイナに王家へ献上したヌイグルミと言うものをシェイナにプレゼントしてくれると聞いてね。こちらもお返しの品を急遽用意させてもらったよ。これをどうぞ」


そういうと、シェード家のお付の人がポーチと大きな箱を持ってきてくれた。

箱の大きさが、親父殿よりちょっと小さいくらいだから相当なサイズだ。


「転送書信を知ってるかな?」

「はい。先日、父上が領地宛に緊急の書信を送ってました」

「うん。これは、転送書信をもうちょっと簡易にした魔道具で【トレジャーボックス】って言うんだ」


ほほう?何だか便利アイテム(スメル)のする名前の魔道具ですな。


「こっちのポーチの物を入れると、この箱の中に物が転送される。一方通行だけど、買い物に行ったときとかに荷物を持って歩かなくていいからかなり便利だよ」


なるほど。

ポーチは、ポーチと言いつつも入れたものがそのまま中に残るわけじゃないから、口だけで袋の部分が無い変な構造だ。

今の俺の年齢なら肩がけにすれば持って歩けるし、大人になったらそれこそウェストポーチの様に腰に巻くとちょうどよさそうだ。

箱の方は俺の身長より高さのある観音開きの棚みたいな形状だ。容量を超えたら壊れるって言うけど、


「注意点はディーン殿が知ってると思うけど、この紙に解りやすく書いてあるから」


そう言ってA4くらいの紙を渡してくれた。

①ポーチの口より大きなものは送れない

②生き物は送れない

③割れ物を送るとたまに壊れる

④入れ始めたら途中で戻せない

⑤箱の戸が開いてると送れない

⑥箱の容量を超えると壊れる

……なるほど、イラスト付きで字が読めなくても解るように書いてある。

が、これは版画か?家で本見たりしてた時にはあんまり気にしてなかったけど、ジパングのEDO時代みたいに版木で同じ文章を刷り増しする程度には印刷技術とかも有るのかな。


「……こんなすごい魔道具をもらっていいんですか?」

「いや、これはそれなりに金額が張るが、君のくれたヌイグルミほどの価値は無いだろう。どうも君はヌイグルミの価値を過小評価してるんじゃないかい?あれは、王への献上物たり得るものなんだよ?こちらもくれたものは有りがたくいただくが、今後は気軽に配るような事はしない方がいいだろう」

「モロー殿。ロックもその辺はある程度理解している。シェイナ嬢はロックにとって初めての友達。特別扱いしたかったのだろう」

「ロック君、そうなのかい?なら、シェイナとずっと友達でいてくれると、僕も親として嬉しいな」

「もちろんですよ」

「ははは、有難う。トレジャーボックスは持って歩くにはポーチ一つで済むから、持っていて困ることは無いし、君なら有効に活用できると思ってるよ」

「有難うございます」

「うむ。ではそろそろ昼食にしよう」


確かに、突貫作業でヌイグルミを直したりしたからお腹すいたわ。

主人公に色々とアイテムや魔法が集まりますが、普通の貴族より早い年齢で集まってるだけで、一定以上の財力のある貴族なら問題なくそろえられる程度の範囲です。

トレジャーボックスと命名したのは、もちろん過去の転生者です。

送り先のボックスはH180cm W90cm D90cmのボックスです。

持ち運ぶ方法は魔石を外した状態のボックスをインベントリに入れて運び、現地で魔石を組み込むのが一般的です。

ボックス自体は誰でも開けられるので、ボックスごと盗まれた場合、気が付かず物を送りまくると、大変なことになるので、設置の最は建屋に固定するのが基本です。


次の投稿は8月15日(金)10:00を予定しています。

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