就任披露パーティー 2
菊川タカセの部下は清水
本社CEOはユージン・マケイン
株式会社エヌマヤの社長は長尾マヤ
人懐っこい声がすでに聴こえてきて、だいたいの居場所は検討がついている。
本来なら一緒にこちら側で同じ未来を見ているはずだった。
娘たちのお守りを終えた清水が戻ってきて再び段取りを仕切り始める。
「次は、挨拶を受けてもらいます。まず始めは、関連企業、パートナーシップ企業…。あっ」
清水も気づいたようだ、動揺する彼を見ぬふりをしてごまかした。
「あの方もいらっしゃるんですね。」
ギリギリの招待だった為、確認漏れしたのだろう。
来るかどうかも分からないのに、本社も趣味が悪い。
自分は前日のオンラインミーティングで個人的に知らされていた。
『タカセにはいい仲間がいるね』
CEOは微笑みながら、肘を付きながら羨ましそうにつぶやいた。
画面の奥に見える楽園のような背景が彼の存在を非現実的にみせる。
『タカセにとっては、まだ必要な存在じゃないの?』
すでに、そのことには興味を失い次の案件を考え始めているCEOに
「道を違える者は必要ありません。適切に対応していきます。」
浅はかな考えで色々なものを失い今となっては本当に必要かどうかも分からない。
自分は、いったい何がしたいのだろうか…。
『そうゆうちゅーせいしん?みたいなやつボクは嫌いじゃないよ。非効率で利益でないやつだけど』
次の資料をタブレットで確認しながら、ふとカメラ目線になり
『ブシドーってやつだよね!』
「そうなのでしょうか…。」
曖昧な返事にCEOは、タカセが分からないならボクも分からないやと言い
『明日、楽しんできてね。素敵な道を期待してるよ』
と言い残してカメラを切った。
同時に、ダクト 日本支社が達成しなければいけないノルマが送られてきた。
昨日の出来事を思い出しながら挨拶を受けていくと、アイツの順番になった。
相変わらず明るく人懐っこい笑顔でにこちらに向かってくる
「これはこれは、社長就任おめでとうございます」
「ああ、ありがとうございます」
自分たちが会話を始めると周囲の雰囲気が少しピリッとし始めた。
何を話すのか、どのような対応をするのか興味深いようだ。
「私共、エヌマヤもダクト社のパートナーシップ企業として、新社長の道標をサポートさせていただきます。」
長尾は少しお辞儀をして、ニカッと笑った。
「ありがとう、長尾さんのサポートで私の代でも素晴らしい結果を残せそうです。」
二人はそれ以上何も言わず、握手をしお互いの肩を叩いた。
その瞬間、長尾はタカセの耳元で一言つぶやき、タカセの表情をほんの少しのあいだ固まらせた。
「長尾様、次の方が待っているのでスミマセンが…。」
清水がタイミングよく、声をかけてきたので長尾との挨拶を終えることができた。
「大丈夫ですか?」
気遣わしいげに清水が声をかけてきたのでアイコンタクトで大丈夫と返事をした。
機転のきく清水はこうゆうときのごまかしが難しい。
最後の挨拶を受けると、新社長の指針表明スピーチでこのパーティーが終了となる。
ここまでたどり着くのにどれだけ切り捨て、裏切り、裏切られたのだろうか…。
思い出せない事の方が多いかもしれない。
最後までお読みいただきありがとうございました。




