就任披露パーティー 1
菊川タカセの部下は清水
本社CEOはユージン・マケイン
本社COOはジョージ・ダン
数時間前
「ダクト日本支社 菊川 タカセ 新社長就任 レセプションパーティー」
200人ぐらいが収容できるホールに巨大なモニターが鎮座している。
ロゴと共に新社長の簡単なプロフィールと顔写真が映し出されていた。
定刻になり、有名なフリーアナウンサーの適切な司会進行の元、本社のCEOからのビデオメッセージが流された。
「Hi! タカセ 社長就任おめでとう!
いや、ボクから言うと感謝の気持ちの方が
大きいかも! 君がダクト日本支社の
新たな道標になることを祈ってるよ!」
まだ、あどけなさの残る容姿にラフな洋服、背景には緑いっぱいの大自然、今行われているレセプション会場とは真逆の様子に本社と日本支社の力関係が浮いて見えた。
「あ〜あ、なんか見せつけられてますね」
機転のきく部下が乾杯のグラスを渡しながら耳元でささやいた。口元は弧を描いているが繊細な銀のフレームの眼は笑っていない。
「ありがとう、仕方ないさそれを受け入れたから今の立場がある」
眼も口も笑顔で独り言のように返事を返すと、
失礼しました。と一言かえして部下はその場を立ち去った。
ビデオメッセージの終了と共に本社のCOOの
乾杯の音頭となる。
「新たなる道標と共に!」
『共に!』
この言葉を皮切りにパーティーが始まった。
「社長、挨拶回りを御願いします」
先程の部下が斜め後ろから声をかけてきた。
パーティー参加リストから顧客、個人投資家、有名なインフルエンサーなど我が社に恩恵をもたらす順番から挨拶をしていく。
一通りの挨拶が終った後少しの休憩に入った。
娘たちが声をかけてきた。
「お父さん、お疲れ様です。今日のスーツかっこいいです!」
大学1年生になる上の娘がキラキラした目で今日のコーディネートのチェックをしてくる。
どうやら合格できたようだ。
「お父さ〜ん、あの有名な俳優さんが来てる!」
高校2年生の下の娘は、我が社のイメージモデルとして契約している俳優に目が釘付けだった。
「写真撮ってもらえるかな!」
お願いのような、おねだりのような、決定事項のような雰囲気に少し苦笑いしてると
「SNSに載せてはいけないからね」
と娘二人の後から妻が釘をさした。
「えー!でも仕方ないか。ねーねーお父さん写真お願いしてもいいかな?」
「良いよ、行っておいで。清水さんお願いできるかな?」
はい、とさきほどの部下は返事をし下の娘を案内しようとした。
「おねえちゃんも!一緒に!」
嬉しそうに姉の腕をひっぱりながら連れて行こうとした。
「はいはい、それではお父さん行ってきます」
上の娘は苦笑いしながら妹の巻き沿いに参加した。
家族との会話で少しリラックスした後、次は挨拶を受ける側になる。
ついにアイツと会わなければならない。
1日2回投稿の予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。




