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道標  作者: 鈴木澪人
過去編

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14/40

それから

(現)ダクト日本支社 社長 伏見レイコ

   菊川タカセの上司は伏見レイコ

(旧)ダクト日本支社 社員   

   宇治宮佐 長尾マヤ 海瀬シュンヤ 九条ツクモ 池田ゴウキ

 タカセは、思い出したようにプライベート用の端末を確認しだした。

ない、彼らの連絡先がのっていない。

そういえば、何日か前に妻がスマホを水没させてしまって使えなくなったからバックアップを戻した()()()スマホに変更したと言われていたのを思い出した。


 タカセは不安になりマヤを探した。彼の社内用の連絡先やメールはまだ存在しているからだ。

自分の席に戻る前に社長室(前 宇治宮 現 伏見)の前を通ると部屋から出てきたマヤに会った。

そのまま自分の席にマヤを連れて行くと、マヤは苦笑いしながら「まいったな」と言った。


そして続けざまに

「僕は、一か月後この会社を辞めて独立することになったよ」

とタカセの目を見ながら言った。


「次の道標を指し示すのは心配しなくてもタカセだよ」


「…。オメデトウ」


タカセは、マヤの言っている意味が分からなかった…。


マヤは、作業の引き継ぎと新会社への移行でとても忙しくタカセは、もう少し詳しく話を聞こうとしたが「忙しいから、ごめん」と言ってタカセの場所から去っていった。


 伏見新社長は、次の社長の繋ぎになるらしく恒例の社外への発表をする予定はないとの事だった。

会社を辞めるというマヤの言葉を信じ切れず日々の業務を進めていく。一部では、伏見・菊川のクーデターと陰口を言われたりした。そのうち、色々あった事が昔の出来事のような気がしてくる。しかし、現在タカセの所属しているチームにはマヤも抜けていた。そして、清水という奴が入ってきた。

チームと言ってもほぼ前社長宇治宮の引き継ぎ作業だった。


 ある日、伏見にタカセは呼ばれて数日海外へ出張することになるので準備をするように言われた。

早めに会社から帰宅し、シノンに海外出張の事を伝えた。すぐに準備をすると言ってくれた。


 タカセは思い出したように、新しいスマホの連絡先について聞いた。

「シノン、実はスマホで何件か連絡先が消えているみたいなんだ。最新のデータのバックアップだったかな?」


 シノンは微笑みながら

「もちろんよ。ちゃんと最新のデータを端末に戻したもの」

タカセの上着を綺麗に整えながらクローゼットに戻した。


 タカセは何もいえずただ、シノンの様子を眺めるだけだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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