【番外編】あるメイドの呟き
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2021/5/18 comicブーストにてコミカライズ連載スタート致します。
https://comic-boost.com/series/298
感謝の気持ちを込めて、番外編をアップさせて頂きます(*´꒳`*)
うちのお嬢様は、この世のものとは思えないほどの美しい容姿をされています。
中身はといえば、散々甘やかされて育ちわがまま放題し放題といった、とっても残念な令嬢へと育ってしまわれました。
とはいえ、私がこのお屋敷で働き始めたのは二年ほど前のことですから、この話は他のメイドたちから聞いた話です。
お嬢様付きの侍女は三ヶ月と保たずに辞めてしまうため、ついに私にその役が回ってきたのです。
驚きはしたものの、まぁ給料が今迄の二倍と聞けば、大抵のことは我慢出来るだろうと。
……侍女になって初めて顔を合わせた時のお嬢様の態度が余りにも酷く、『辞めさせたければ辞めさせたらいい』くらいの気持ちであれこれ注意の言葉を並べてみれば。
当のお嬢様は目を丸くされ、驚いたような顔をされましたが、それについて何か言うこともなく。侍女としても外されることもなく。
現在もこの不思議な関係が続いております。
このお嬢様。確かにわがまま放題し放題ではありますが、やっていることは小さな子どもが騒いでいるようなものというか。
言っていることもそこまで辛辣なことではありません。
ただ、数が多ければ言われた方も普通にイラッとしますし、面倒くさいわがまま令嬢として扱われるのは当然だったと言えるでしょう。
そのお陰で倍のお給料を頂けるのですから、お嬢様には大変感謝しております。
言葉にはしませんが。
ーー学園入学式のあの日、お嬢様は今までのお嬢様ではなくなりました。
外見は今まで通りの美しい容姿を持つ女性ではありますが、中身がなんと言うか……。
今までのような『しょうもないわがまま』はなくなり、表面上はとても素晴らしい淑女へと成長されましたが、人目のないところではとっても残念な令嬢へと変化致しました。
クッションを抱き抱えて奇声を発しながらゴロゴロと転がったり、怪しげな舞を踊られたり、天井に向かって拳を掲げていたり……。
たまたま目にすることが多く、けれどもご自分が怪しいことをしている自覚があるのか恥ずかしそうに視線を泳がせておられるので、そんな時は無表情で静かに扉を閉めるようにしております。
ライアン元王子との婚約は破棄され、近衛騎士団長が新たな婚約者になられると、お嬢様は幸せそうに、花が咲くような笑みを浮かべられております。
何だかんだと申しましたが、私はこのお嬢様のことは嫌いではありません。
これからもきっと、私はアビゲイルお嬢様に仕えていくのでしょう。
団長様に溺愛されて、恥ずかしそうに顔を朱く染められているお嬢様を見て、私の口角も自然と上がる今日この頃。
お嬢様、おめでとうございます。
そして、私のお給料は今後もこのままでお願い致します。
別作品『小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される』はビーズログ文庫より1、2巻が発売されております。
こちらの作品もコミカライズ企画進行中です。
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よろしくお願い致しますm(_ _)m
さり気なくアピール٩(ˊᗜˋ*)و




